生理過多と重い貧血・冷え性で死ぬほど怖かった30代女性の鍼治療例(中)

階段を上るだけで息切れ・動悸が激しく、夜は夢見て眠れない…
そんな症状が鍼灸を続けるごとに消えていった。
心臓と脾胃の強化が鍵だった。

この症例は、重い貧血と冷え性を抱えていた30代女性が、鍼灸で心臓・脾胃の機能を回復させていく過程をまとめたものです。息切れ・動悸・睡眠の質など、多くの症状がどのように改善したかを時系列で紹介します。

前回の治療内容は以下をご覧ください。

✅️ この記事で分かること

1.階段を上るだけで息切れ・動悸が出る症状が、鍼灸でどのように改善したか

2.夢ばかり見る浅い睡眠が、心臓の回復とともに安定していった理由

3.脾胃の弱さが食後の強い眠気・むくみ・冷え性を引き起こす仕組みと改善経過

目次

治療初期(2019/2〜3)

この時期は、心臓の症状(動悸・息切れ・胸の痛み)と睡眠の質が中心でした。

睡眠の質が不安定

彼女の報告:

  • 睡眠の質が悪かったり良かったり不安定。
  • 睡眠の質が悪い時は、便通も悪いような気がする。
  • 左胸の外側がたまにチクチク痛む、動悸もする。

今日刺したツボは公孫、内関、巨闕、関元、中脘、百会、前頂、三陰交。

内関を刺して回したら、彼女はびっくりして涙まで出たそうです。しかし、鍼治療が終わるゴロには、左胸のチクチク痛む症状が消えました。

胸が痛いのは心臓の血管が詰まったときに多いです。西洋医学でいうと、狭心症よ心筋梗塞よ、病名はどうでもいいですが、鍼治療は刺した瞬間から改善します。以下は右胸が痛いのを治した例、参考になると幸いです。

夢が減ってきた理由(心臓と“神”の関係)

彼女の報告:

  • 夢を見るのはほとんど治った。以前はすごいリアルな夢、現実での悩みが夢の中に出てきた。
  • 普段は調子が良いけど、階段を登ると100m走ったように息切れ・動悸がする。
  • 夕方になると足のむくみが気になる。

今日刺したツボは前回と似ています。

内関に関して彼女は感想がありました。
「前回は腕が折れそうに痛かったけど、今回は半分以下になり、置鍼の間はウトウトできて気持ちよかったです。今日もよく眠れそうです(笑)。

心臓のチクチク痛・動悸・息切れ

息切れ・動悸がまだあるので、心臓はまた万全ではないです。一つだけ確認できるのは、鍼治療を進むことで彼女の心臓は良くなっている。夢を見なくなったのが一つの証。

息切れ・動悸は非常に治しやすい症状で、未病の段階でもあります。上記の症状があったら、すぐ漢方医・鍼灸医に治してもらってください。以下は息切れが治っただけではなくて、体力が増えて一気に15kmも歩けるようになった症例、参考になると幸いです。

🔗息切れが改善し、体力が回復して15km歩けた症例を見る

治療中期(2019/3〜4)

心臓の症状が安定し始め、蕁麻疹・冷え性・むくみ・精神状態の改善が進んだ時期です。

蕁麻疹の出現と治療追加

彼女の報告:

  • 前回の鍼をしてから5日間はすごい睡眠の質が良かった。6日目からはダメになる。
  • 心臓がチクチク痛む、動悸・息切れはほとんど治り、あと2割くらい残った感じ。
  • 昔のアトピー肌は治ったけど、最近は肘の裏に蕁麻疹がたまに出る。

蕁麻疹があると言うので、血海・曲池などのツボを追加。

📗関連記事:小柴胡湯+四物湯で生理の遅れと蕁麻疹が改善した症例

2019-3-16
彼女の報告:

  • 睡眠の質は良い、たまに夢を見る。
  • 便通もいいけど、週末だけ1日ないのが謎(笑)
  • 動悸・息切れはOK、階段を登るとき速歩きするとハアハアする。
  • 寒い日は手足が冷えやすい。
  • 時々、肘の裏と二の腕に蕁麻疹が出る。

今日は心臓を強化しながら、蕁麻疹のツボを刺し。施術後、「外関透内関が凄かった!」と彼女は言ってました。

彼女の蕁麻疹治療経過は、単独の記事として発表しています。以下をご覧ください。

息切れ・冷え性・むくみの改善経過

2019-3-19
彼女の報告:
むくみが気になる。
息切れはだいぶ良い。
鍼治療してから、精神状態がとにかく良い(笑)

2019-3-23
彼女の報告:
息切れはさほどないけど、少しは気になる。一番の症状は、やはり足の冷え性とむくみ。

彼女の冷え性は脾胃と心臓が長年弱まっていたので、回復するのにも時間がかかります。内臓が強い方であれば、ほぼ1回で手足が暖かくなります。以下は一つの症例、参考にして下さい。

🔗冷え性と長年の下痢が“鍼1回”で改善した例はこちら

2019-3-30
彼女の報告:
今週はずっとよく眠れなかった。キッカケは、会社の同僚の悩み相談に乗って、今後自分はやっていけるかな?と心配して眠れなくなった。

精神状態と睡眠の変化(ストレスの影響)

2019-4-2
彼女の報告:
精神不安定状態は、前回の鍼をしてから治った。やはり辛い時に来たほうが、早く治るのが分かった。
動悸・息切れは前より楽。以前は階段を見ただけで避けたけど、今は大丈夫。
今日一番気になるのは、冷え性と肩こり、目の疲れ、老眼。

2019-4-6
彼女の報告:
精神不安定はなく、ずっと安定している。
階段を登っても動悸・息切れは無くなった。

📗関連記事:呼吸困難・動悸・不安感が1回の鍼で改善した症例

2019-4-13
彼女の報告:
週の前半は良かったけど、後半は仕事で疲れたのか睡眠が浅い。
ほかに気になるのは、むくみと呼吸が浅い。たまに自分の呼吸が止まっている事に気づく。

私は睡眠が浅い事に関して説明しました。
心臓は「神」を格納する蔵で、夜になると外で活動した「神」は心臓に格納されて休みます。もし、心臓の格納する力が弱かったら、神は心臓の外側にあふれて、精神活動が起きて人間は夢を見るようになります。

彼女は話を聞いて、「なんとロマンチックな話!」と言ってました。

📗関連記事:乳がんが再発した女性、2週間で睡眠の質が良くなり、うつ病・倦怠感・冷え性が改善されて、笑うのが増えた漢方薬症例

治療後期(2019/5〜7)

脾胃の弱さによる食後の眠気やむくみが中心となり、体力の回復が進んだ時期です。

脾胃の弱さと食後の強い眠気

2019-5-1
彼女の報告:
気分は落ち着いて落ち込んだりしない。
40分まで歩くのは平気だけど、50分以上歩くのは辛いのが分かった。

2019-6-20
彼女の報告:
夕方になると足がパンパンむくむ。
先週から昼食後はすごい眠くなる、この症状は何年ぶり。昼間は眠くて寝てしまうから、夜は睡眠が浅い気がする。最近は生理なので、さらに力が抜ける感じ。

食後に眠くなるのは脾虚が原因

私が脾臓が弱い(脾虚)のが原因だと教えたら、彼女は面白い話をしました。生まれた時、おばあちゃんが顔を見て「この子は脾が弱いね」と言ったそうです。

私が思ったのは、おそらくおばあちゃんは中医学を少し勉強したでしょう。見ただけで内臓の調子が分かるのは、中医学しかできません。

ニハイシャ先生の舌癌の診察症例は、見ただけで分かる中医学の真髄を暴露しました。興味がある方はぜひ読んでみてください。

目の疲れ、老眼の調子は良い

2019-6-27
彼女の報告:
以前話した目の疲れ・老眼などは調子が良い。会社の人達は点眼薬を使う人がいれば、倒れて横で寝る人もいる。隣の人はまだ40代なのに、白内障の手術までした。
むくみは以前より減ったけど、まだゼロではない。
睡眠が浅くて、夢をはっきり覚えている。

夢を見るようになったのは、また心臓が弱くなったことです。心労、肉体的な過労…様々な要素が治療に影響しますので、鍼治療は順風満帆ではない。

鍼治療後の気分の安定(気血の流れが改善)

鍼治療が終わってお茶を飲む時、彼女から面白い感想がありました。
なぜか鍼すると気分が良いです(笑)」

鍼すると気血の流れがよくなるので、内臓は活発になり、体も暖かくなってもちろん気分も高揚します。鍼治療と同様に、漢方薬もうつ病に効果バツグンです。以下は張静先生1の症例、参考になると幸いです。

足のむくみの改善


2019-7-9
彼女の報告:

  • 前回の手首の鍼がすごい効いた。鍼してから3日間はまったく夢を見てない。
  • 足のむくみはだいぶ良くなった。
  • 重い料理を食べると消化しきれない、食後にめちゃくちゃ眠くなる症状もだいぶ良くなった。ただし、まだ怖いので肉・魚料理はまだ試していない。
緑のトングで焼いた肉をつまんでいる写真。重い料理が脾胃に負担をかけ、食後の強い眠気につながる説明用。
重い料理は脾胃に負担をかけ、食後の強い眠気の原因になることがあります。

外食に関して彼女から感想がありました。
自作の肉料理はOKだけど、外でソーセージとか食べるとてきめんに胃腸がやられて、あとで辛くなる。会社の人は朝からコンビニのカレーパンとか食べているけど、しんじられない!

私の長年の臨床経験から見ると、食べ物は確実に体調に影響します。だから、皆さんにコーヒー・甘い物・乳製品など止めさせているのです。食べなければ治療が順調、食べるとすぐ悪化。以下の記事で何人かの患者さんを紹介しました。参考になると幸いです。

貧血の改善(下眼瞼の色の変化)

2019-7-13
彼女の報告:

  • 毎回鍼すると、気持ちが落ち着くのが自分にとって一番嬉しい。
  • 夢は見なくなった。
  • 少し重い料理を食べると、昼間に死にそうに眠くなるのは治った。
  • 夕方になると足のむくみが気になる。
  • 今年の1月、不正出血がひどくて下眼瞼の裏が真っ白だったけど、この前見たらちゃんとピンク色になっていた。貧血が落ち着いた感じ。

今日刺したツボは陰陵泉、地機、三陰交、関元、内関、合谷など。

関元に関して彼女から面白い感想がありました。
以前は関元を刺すと、恥骨まで電流が流れる嫌な痛みだったけど、今は普通に我慢できる痛み。

私は彼女に説明しました。
「流れが良くなると、鍼を刺しても響きが少ないです。」

関元を刺すと電流が流れるという患者さんはたくさんいます。以下はもう一つの症例、参考になると幸いです。

↓続きの記事↓
次回(下編)では、脾胃の回復とともに体力がどこまで戻ったか、そして生理周期・精神状態・冷え性が最終的にどう改善したかを詳しく紹介します。公開までしばらくお待ちください。

貧血が改善したほかの症例

🔗貧血・足のつり・頻尿が10日で改善したバセドウ病の症例

🔗貧血・つわり・妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病を漢方薬で治した症例

🔗鼻血が止まらなくて、貧血・意識障害になったのを治した例2つ

🔗肝臓がんの両足のむくみは消えて、貧血は治り、1日の便通は3回になった症例

🔗貧血・睡眠の質・膵炎の腹痛が良くなった症例

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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