こんにちは。李哲です。
今日は、30代女性の長編施術記録(全23回)をお届けします。彼女は多くの症状を抱え、チョコレート嚢腫の手術を2回受けたにもかかわらず、生理痛が治らず悩んでいました。
この記録を通じて、手術のリスクと、鍼灸による生理痛・胃痛・冷え性・吐き気などの改善効果を知っていただきたいと思います。どんな病気でも、まず手術を選ぶ前に、鍼灸や漢方薬を試してください。効果がなければ、その後に手術を検討しましょう。
チョコレート嚢腫を2回手術しても生理痛が治らない女性の悩み
30代の女性患者さん。
主訴は、吐き気を伴うほどの重い生理痛です。20代から生理痛に悩まされ、チョコレート嚢腫の手術を2回受けたにもかかわらず、痛みは全く改善していません。
足つぼ整体を始めてから、体調は少しずつ上向きました。手足の冷え性が改善し、便秘、夜間覚醒、頻尿も解消。特に便秘に対する足つぼの効果は、多くの症例で実証済みです。以下の症例をご覧ください。
鍼を刺してすぐに生理痛が軽減
今年、鍼灸院として開業後、彼女は5月に初めて鍼治療を受けに来ました。
主な症状は重い生理痛。漢方薬「温経湯」を通常の3倍量服用しても、痛みが残っていました。便秘気味、首肩こり、食欲不振も悩みの種でした。
使用したツボは、三陰交、血海、関元、子宮(関元の外側3寸の奇穴)、巨闕、中脘、足三里、後谿、申脈、天枢です。
三陰交と血海を刺して少し回すと、生理痛がすぐに軽減。
関元と子宮のツボを刺して回すと、お腹の痛みが完全に消えました。
こちらは、リーキーガット症候群の患者さんが鍼治療で2ヶ月連続で生理痛がなくなった症例です。参考にしてください。
リーキーガットの鍼治療例:下痢・腹痛・花粉症・腹部膨満感・ニキビなどの諸症状が改善できた
鍼治療後にお腹がポカポカに
7月、首肩こりと食後のムカつきで来院しました。
使用したツボは、風池、肩井、後谿、申脈、大杼、巨闕、中脘、関元、霊骨、大白、陰陵泉、地機、三陰交、公孫、足三里です。
鍼を抜いた後、彼女は「お腹が暖かくなった」と話していました。鍼治療後に体がポカポカになるケースは多く、以下の症例をご覧ください。
生理痛による吐き気をその場で解消、生理痛も軽減
8月上旬、生理痛、首肩こり、腰痛で来院。生理痛は関元から子宮のツボにかけて広い範囲で感じ、吐き気も伴っていました。
使用したツボは、後谿、束骨、中渚、中脘、太陽、百会、関元、足三里、三陰交、内廷、太衝です。
治療後、吐き気は完全に消失。
下腹部の痛みは少し残るものの、大きく軽減しました。
前回の鍼治療後、胃の調子が良くなったそうです。
吐き気は鍼治療で即座に改善する症状です。以下の治療例は、私が日本の鍼灸専門学校で経験したケースです。参考にしてください。
2日後、彼女が再来院。前回の鍼で一時的に楽になったものの、痛みが再発し、鎮痛剤を服用したところ、副作用で胃痛が起きてしまったそうです。
使用したツボは前回とほぼ同じ。鍼を回していると、彼女は「お腹が暖かくなった」と話しました。
治療前、お腹は冷たくひんやりしていましたが、鍼を抜く頃には温かくなっていました。冷え性の改善は1回の治療で実感されることが多く、以下の記事をご覧ください。
生理痛は手術で治らない!むしろ悪化するだけ
西洋医学では、生理痛の原因を子宮内膜症やチョコレート嚢腫と説明しますが、手術しても生理痛が治らない女性は多くいます。
つまり、チョコレート嚢腫や子宮内膜症と生理痛は直接関係がないのです。もしチョコレート嚢腫が原因なら、2回の手術でなぜ痛みが残るのでしょうか? 西洋医学の理論には誤りがあるのです。
さらに問題なのは、手術で内臓に多くの傷口ができ、再発する痛みが非常に頑固になること。中医学で治療する際、元の症状だけでなく、手術の傷口による影響まで考慮する必要があります。これが、彼女の生理痛がなかなか改善しない理由です。
彼女は生理痛のために鎮痛剤を服用し、その副作用で胃痛まで発症。私は生理痛だけでなく、胃痛まで治療する必要がありました。
鍼灸師として、西洋医学の治療がなければ、こんな複雑な治療は不要だったのに…と感じます。
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