精神 → 心臓 → 睡眠 → 胃腸の順に症状が軽くなる「玉ねぎ皮の理論」で、回復の流れが分かりやすく整理されています。
🔗 生理過多・貧血・不安障害が改善していく3話まとめはこちら
生理の出血量が多すぎて不安障害と貧血に苦しみ、
さらに便秘とお腹の張り、冷え性、食欲不振まで重なった30代女性。
鍼灸を重ねるごとに、咳・動悸・下痢・捻挫痛など
「玉ねぎの皮」を剥くように一つずつ症状が消えていき、最後には内臓から元気を取り戻していく過程をまとめました。
前回の治療内容は以下をご覧ください。
🔗生理過多と動悸・息切れ・不眠・蕁麻疹が改善した前編の治療記録はこちら
✅ この記事で分かること
1.生理過多・貧血・不安障害が鍼灸でどのように順番に改善していくか
玉ねぎの皮を剥くように、精神 → 心臓 → 睡眠 → 胃腸の順で回復する流れが分かる。
2.便秘・下痢・お腹の張り・食欲不振など胃腸症状が改善する理由
果物で冷える胃腸や脾虚・気虚の体質が、鍼灸でどう整うかが理解できる。
3.抗生物質が心臓・胃腸・自律神経に与える影響
手術後の大量投与で起こる冷え性・下痢・驚きやすさの理由が分かる。
4.鍼灸が内臓から整えるため時間がかかる理由
五臓六腑が連動して弱り、連動して回復する「ドミノ式改善」の仕組みが分かる。
咳が鍼したその夜に治ってびっくり|不安障害から胃腸の段階へ
咳が即効で治る理由(経絡の反応)
2019-8-3
彼女の報告:
朝は食欲なくて果物を食べる。お昼は軽く一膳飯。
便通が出きってない感じがする。
先週来た時、咳したのは鍼したその夜から治ってびっくりした。
咳が1回で治るのは当院で良くある事。
以下は一つの症例、参考になると幸いです。
今日刺したツボは公孫、内関、合谷、足三里、光明、中脘、建里(胃が痛む場所だそうです)、太陽、目窓(響きが凄かったみたいです)、前頂。
症状が順番に軽くなる『玉ねぎ皮の理論』
鍼治療が終わってお茶を飲む時、彼女に説明しました。
「長年の不調を治すとき、玉ねぎの皮を剥くような感じです。一番外側のつらい症状が治ったら、2番めの外側が症状が現れる、2番めが治ったら3番目の外側の症状が現れる…最初は不安障害、その次は心臓の動悸・息切れ、今は胃腸の段階です。これでお終いだと思います。」
以前書いた記事が参考になるので、良かったらご覧ください。
🔗症状が順番に軽くなる『たまねぎ皮の理論』の詳しい解説はこちら
便秘ぎみと食欲不振|果物で冷えた胃腸が鍼灸で動き出す
果物で胃腸が冷える理由

2019-8-9
彼女の報告:
- 便秘ぎみ。前回の鍼をしてから2日間は快便だけど、3日目からは徐々にダメ。
- 眠りが浅くくて、パソコン作業で目が疲れる。
- 食欲不振で朝は果物しか食べられない。
私は彼女に勧めました。
「胃腸がまだ冷えているので、果物よりもお粥のほうが良いです」
果物が体を冷やすことは、ほかの症例で詳しく説明しました。以下の記事、参考にして下さい。
🔗コーヒー・野菜サラダ・果物で冷え性が悪化した症例と鍼灸の改善経過
鍼を刺すとお腹が動く理由
今日の鍼を刺して置いている間、彼女が言うのは「鍼を刺してすぐお腹がグーグー波みたいに動きました。でも、途中で鍼を回したあとは動いてません」
お茶を飲んで帰る時、彼女のお腹が大きく鳴って、その音で私も彼女も爆笑。
足三里の刺激で胃腸が動き出した別の症例はこちらもあったけど、鍼は刺した瞬間から胃腸を動かせます。
お腹が妊娠したみたいに腫れ上がる|ガスと便秘を整えるツボ治療
妊娠したようにお腹が張る理由
2019-8-15
彼女の報告:
- 鍼してから2日間は快便、その後は徐々にダメになる。
- パソコンで目が疲れる。
- 今日はお腹が張っている。
私が見たら、彼女のお腹は妊娠したみたいに腫れてました。
今日刺したツボは支溝、照海、足三里(瀉法)、中脘、下脘、内廷、足臨泣、太衝。
ガスが動くときの体内の変化とは
施術後、彼女が言うのは「置鍼の間、お腹がボコボコ音がしてました。ガスが動いたでしょうね」
2019-8-31
彼女の報告:
鍼したあとは快便で、3日目からはまた悪くなるサイクル。便秘のせいなのか、久しぶりに顔にニキビができた。
以前はバスを追うとき、心臓がバクバクして、乗ったとは心臓が痛かったけど、最近は全然ない。
お腹が張る、下痢ぎみなので関連のツボを刺しました。
お腹が張る女性は非常に多いです。
鍼灸の治すツボはシンプルだけど、効果はとても良い。以下は一人の症例、参考になると幸いです。
下痢便と食欲不振が改善|毎日便通が出るようになるまで
下痢と便秘を繰り返す体質とは
2019-9-5
彼女の報告:
- 下痢ぎみは治り、毎日便通があるようになった。
- お腹が張る。
- むくみはまだある。
- 睡眠がまだ浅い気がする。
- 食欲不振は治った。
2019-9-10
彼女の報告:
- 前回の鍼をしてから下痢ぎみは治った。
- お腹が張るのはだいぶ良いけど、まだ少しある。
- 昨日、捻挫して少し痛い。以前も同じ所を靱帯損傷した事がある。
- 今日は生理中のせいなのか、すごい眠い。
今日刺したツボは内関(補法)、太衝、陰陵泉、地機、三陰交、中脘、下脘、関元、合谷。
🔎あわせて読みたい:黒い下痢便と花粉症の目のかゆみ・鼻水が鍼灸で改善した記録
捻挫した痛みも鍼で即効改善|外傷が速く治る理由
2019-9-21
彼女の報告:
- 便通は良好。
- 眠りが浅い気がする。
- 捻挫したような痛みは、前回の鍼をしてからすぐ治った。
彼女は、「外傷は本当に速く治りますね」とびっくりしていたけど、これは鍼治療の本来の姿。正しいツボを刺せば、誰でも治せます。以下は一つの症例、参考になると幸いです。
息子さんの手術後の不調と母親の睡眠障害|心配が心臓を弱くする
抗生物質が体に与える影響(冷え・下痢・驚きやすさ)
彼女から息子さんの体調不良の話がありました。
「骨折して緊急手術してから寒がりになって、少しのことでもびっくりしています。また下痢が治らないので、補中益気湯を飲ませています」
私が思ったのは、きっと手術で大量の抗生物質を使ったでしょう。(感染症予防のために、必ずと言ってもいいほど、抗生物質が点滴されます。)抗生物質は心臓を殺すので、冷え性になり、少しのことでもビクビクします。もし抗生物質を使わなかったら、ここまで悪くならない。

彼女の息子は抗生物質で酷いことになったのです。本当にお気の毒…漢方薬で回復することを願います。
西洋医学は抗生物質を使いたがるけど、抗生物質すら効かない時はどうしますか?以下の症例をご覧ください。漢方薬は抗生物質よりも効果的です。
🔗足が腐り抗生物質でも治らなかった男性が漢方薬1日で回復し始めた症例
心配事が心臓の脈に影響する理由
2019-9-26
彼女の報告:
- 便通は良好。
- 寝つけるのに時間がかかる。
私は彼女に説明しました。
「息子さんの心配をしているから、心臓が弱くなって睡眠が悪いのです」
彼女の五臓六腑は、鍼で治せます。
しかし、彼女の心配事は鍼で消えません。息子さんの寒がり・びっくりしやすい・下痢を鍼で治せば、彼女の体も良くなるけど、思ったようにならないのが虚しい現実。
スタンフォード大学の李宗恩博士は、臨床で仕方なく抗がん剤を勧めた例までありました。以下の記事をどうぞご覧ください。家族のつながりなどあるので、漢方薬を処方すれば治るものではないですね。
🔗家族のためにやむを得ず抗がん剤を勧めた漢方医の『人生の選択』
治療を卒業するタイミング
2019-10-5
彼女の報告:
便通は良好。
リアルな夢はまだ見ている。
3日前から肌荒れが発生、顎にもニキビができた。
脈診してみたら、左寸脈はまだ右寸脈より弱いか等しいくらい。全体的に脈は緩、有力。心臓の脈がもう少し強ければパーフェクトですが…
今日で彼女の回数券は終わりました。
帰りに彼女が言ったのは、「今年は健康に気をつけないといけない年みたいですね。また不調があったら来ます」
🔎あわせて読みたい:視力が良くなり、ニキビが出にくくなった鍼治療例
鍼治療のまとめ|生理過多・貧血・不安障害から内臓の土台づくりへ
症状が多い人ほど治療期間が長くなる理由
今までの治療過程を振り返ってみます。
彼女は最初、週2回の鍼治療を受けましたが、安定してからは週1回のペースでした。たまに翌週になる時もあります。
メイン症状があれば、副次的な症状もあれこれ現れ、治すのには時間がかかりました。何ヶ月も治療期間が必要だったのは、彼女の五臓六腑の土台(体質)が弱いのも関連しているけど、症状が多すぎるのも一つの原因でした。
以下、簡単に振り返ってみます。
生理過多・貧血・不安障害が改善するまでの治療ステップ
彼女の治療は、単に症状が一つずつ治ったのではなく、内臓の弱りが順番に回復していく「ステップ構造」で進みました。
生理過多・貧血・不安障害のような重い不調でも、正しい順番で経絡を整えると、玉ねぎの皮を剥くように外側から内側へと改善していきます。

●ステップ1:精神の安定(不安障害・恐怖症)
最初に現れるのは“心臓の弱りによる精神症状”。
ここが安定すると、体全体の回復スピードが一気に上がります。
●ステップ2:大量出血による貧血の改善
精神が落ち着くと、脾胃と心臓が補われ、半年ほどで貧血が改善。
体力が戻ることで次の段階へ進めます。
●ステップ3:心臓の症状(動悸・息切れ)の解消
貧血が改善すると心臓の負担が減り、動悸・息切れが自然と消えていきます。ここで「体の土台」が安定します。
●ステップ4:睡眠の質の改善
心臓が整うと睡眠も深くなります。途中で再発したのは“心配事”という外的要因で、内臓の問題ではありません。
●ステップ5:胃腸の回復(便秘・下痢・お腹の張り・食欲不振)
最後に残るのが脾胃の弱り。ここが整うと、便秘・下痢・お腹の張り・食欲不振が順番に改善します。
●ステップ6:その他の症状(蕁麻疹・冷え性・捻挫痛・ニキビ)の同時改善
内臓が整うと、皮膚・筋肉・自律神経の症状も同時に良くなります。鍼灸は「土台」を強化するため、複数の症状が一緒に改善するのが特徴です。
このように、重い生理過多や貧血でも、正しい順番で内臓を整えれば、精神・心臓・胃腸のすべてが回復していきます。
鍼灸が内臓から整える治療法である理由

鍼灸は根本から、内臓から治す治療法なので、しっかり土台を作りたいなら、時間がかかるものです。
体調不良が長い間続いたとき、弱まるのは一つの臓器と経絡だけではありません。五臓六腑は陰陽五行説で相生相剋の関係を持ち、一つが弱まるとつながっている向こう側も一緒に弱まります。
簡単に言うと、悪くなる時はドミノ式みたいに、一つではなくて一連がダメになるのです。逆に、良くなるときもドミノ式みたいに同時にいろんな症状が良くなります。
鍼灸は五臓六腑と経絡、この身体の土台になる部分を強化できるので、時間はかかるけど予想外の治療効果がたくさん出るのです。
おわりに|鍼灸は総合病院と同じくらい多くの症状を治せる
他の記事:鍼灸の効果・適応症を書かない理由でも書いたけど、一つの鍼灸院は総合病院と同じ。皆さんはその意味が理解できたでしょうか。
本記録は私の腕を自慢するのではないです。誰でもちゃんとツボを刺して手技を行えば、同等の効果が出ます。
彼女の治療期間が長かったのは、一番気にしたうつ病・不安障害・生理の出血量が多すぎる事以外、ほかの症状も多かったからです。不正出血と貧血だけでしたら、半年以内で卒業したでしょう。
私が彼女の症例を記録したのは、鍼治療はどんな症状を治せるかを説明するため。本記事をキッカケに、もっとたくさんの人が鍼灸治療を選ぶと大変光栄です。
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