人生の選択:子供たちのために、やむを得ず「抗がん剤を打ってください」と話した漢方医

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こんにちは、李哲です。
スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師1の記事、人生的抉擇 – 當張仲景遇上史丹佛(2017.9.12発表)を翻訳しました。

抗がん剤を巡って家族が大喧嘩。
漢方医として、抗がん剤は利より害のほうが大きいのを知っているのに、なぜ抗がん剤を薦めたのか?その心痛む虚しさを伝えた記事です。

ほかの中医師も似ている内容を書きました。
以下の記事、参考になると幸いです。

助けたいけど助けられない卵巣がんの腹水、中医学では真武湯で治せる。
こんにちは、李哲です。アメリカの中医師、鄭智城先生の記事、爱莫能助:卵巢癌晚期患者亲人的电话_郑智城_新浪博客(2011-10-21 発表)を翻訳しました。末期がんの腹水、呼吸困難、腎不全を治す神の薬:「真武湯」、ぜひ活用してください。卵巣...

子宮頸がんが全身に拡散した女性、抗がん剤受けても再発すると言われた

昨日、私は一人の末期がん患者さんに、「抗がん剤をして下さい」と話しました。末期がんに対して、抗がん剤は効果より害が大きいと思いますが…

たくさんのがん治療医も、「抗がん剤は末期がん治療で効果なし、さらなる問題を引き出すだけだ!」と言いますが…

この患者さんは非常に若い、まだ34歳です。

2ヶ月前に体調不良で病院に行ったら、子宮頸がん。しかも全身に拡散していると診断されました。

がん治療専門医が言うのは、「抗がん剤の有効率は、5~6割だけです。今回の抗がん剤が有効だとしても、すぐ再発する可能性が極めて高いです」

10日の漢方薬で少し効果が見えてきた

この患者さんは、10日前に治療しに来ました。

当時の症状は、お腹が太鼓みたいに腫れて、舌苔はとても白くて分厚い。

中焦と下焦の寒気と湿気はひどいのです。すぐ体内を温めて、溜まった水を出さないと、水が溢れて肺にまで来た時には、心肺停止!その時は治療が非常に難しくなります。

急いで処方したのは、加工したトリカブト、生姜、桂枝、茯苓、猪苓、ダクシャ、柴胡、鬱金、枳実、栝蒌実、薤白。5日分。とりあえず、全般的に大事な所を先に守ることにしました。

昨日、患者さんが再診察に来ました。分厚い舌苔はなくなり、患者さんは「身体が軽くなりました。精神状態も良くなり、お腹の圧力も減り始めています」と言ってました。

患者さんのお母さんも、「娘は全体的に良くなり、顔にも血の色が出て来た」と言いました。

がん治療でこれは進歩だとは言えないけど、少なくとも患者さんはまだ漢方薬を受け入れる。溜まった水が減っているのを見ると、漢方薬は彼女のためになると判断できます。

抗がん剤を巡って、家族の間で大げんか

なぜ私が彼女に「抗がん剤療法をして良いです」と話したのか。以下で説明します。

彼女は中国人。
旦那さんはアメリカ人で、幼い子どもが2人います。

前回、私は彼女の家庭事情を聞きました。彼女が言うのは、1年半前に予想外に二人目ができて、同時に引っ越しもあり非常にプレッシャーが強くて鬱になった。うつは、癌の非常に大きな誘因です。

今回、癌だと診断が出てから、旦那さんはすぐ抗がん剤をを勧めて、患者さんの感受と義理の親が抗がん剤を反対している事を完全無視。患者さん、旦那さん、患者さんの親の争いは発熱化して、敵対関係になりました。

争いの焦点は、幼い2人の子ども。

中医学治療を差別化する人たち

彼女は末期がんで、しかも全身に拡散。
中医学でも西洋医学でも、ほとんどの場合、延命治療しかできません。長期的に生きる可能性は少ないです。

言い換えると、この患者さんはいずれかは死ぬ。
もし、患者さんが西洋医学の治療を受けて死んだら、患者さんの親族たちは「患者さんの運が悪い。若いのに癌になり、苦しい闘病生活を送って最後はで死んだ」と言います。

誰も西洋医学の治療で死んだと疑わない。
西洋医学の治療を勧めた親族も恨まない。

もし患者が中医学治療で最後死んだら、たとえ余命宣告より長く生きても、生活クオリティが高くても、西洋医学が治療を放棄してから中医学治療を受けに来たとしても、必ず親族の誰かが中医学のせいにして、中医学は無効で詐欺だと言います。

さらに中医学の治療を勧めた人たちを恨んで、勧めた人たちの無知と迷信で患者さんが死んだと言います。

▼李哲の説明:
ニハイシャ先生の治療記事でも、中医学の効果が現れたのにもかかわらず、信じてくれない患者さんがいました。残念だとしか言えません。

糖尿病、漢方薬で良くなってもインスリン治療を止めてくれない患者etc.
【※本記事は2019年5月5日更新しました】 こんにちは、李哲です。アメリカの著名な中医学先生:倪海厦(ニハイシャ)先生*1の治療例を翻訳しました。中国語本文のリンク先は、三個用胰島素的案例 3人のインスリン注射をする糖尿病患者さん、逆流性...

患者に抗がん剤をすすめたのは、将来の子供たちのため

昨日、患者さんから聞いたのは、中医学の治療と関係なしで、患者さんの親が抗がん剤を反対する事で、旦那さんと大喧嘩になっているそうです。

患者さんが死んだ後、アメリカの法律によると、旦那さんが子どもの親権を受け取ります。旦那さんと義理の親が大喧嘩になったら、将来は旦那さんが子供を会わせてくれないかも知れない。

ひょっとしたら、子どもに「お母さんは爺ちゃん、婆ちゃんのせいで死んだ」と教えるかも知れない。そして、子どもは一生爺ちゃん、婆ちゃんを恨む。

もし、結果がこうなったら、患者さんの2人の子どもにはとても不公平で残忍です。

末期がんの彼女は、いずれか死にます。
子どもたちが母の愛情を失い、爺ちゃん.婆ちゃんの愛も失い、恨みの影で一生過ごすのは、私には見たくない結果です。

だから、私は自分の医学知識と臨床経験に違反して、彼女と彼女の親に「抗がん剤を受けてください」と言いました…

人生の選択

これが人生の選択でしょうか。
心が痛いけど、さらなる危険で苦しい道を患者さんにあげました。

でも、私は分かります。

彼女の最大な願いは、癌が奇跡的に治ることではなくて、2人の子どもに幸せな人生があること。

(おわり)

  1. 李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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