こんにちは、李哲です。
ニハイシャ先生1の弟子、北辰先生の症例:肝臓がんを翻訳しました。半年で肝臓がんがほぼ治った内容で、関連の処方箋と詳しい解釈が書かれています。
肝臓がんで苦しんでいる方へ、参考になる情報になると幸いです。
西洋医学の肝臓がん治療後、極度の不調が起きた患者
患者さんは31歳の男性。 FAXで診察を行ないました。
初診日は1/15/2009。
患者さんの2008年、病院で肝臓癌だと診断されました。恐怖のあまりに、肝臓の一部分を切り取って抗がん剤を受けましたが、治療後は極度の不調が起きました。
当院に来たとき、睡眠の質は非常に悪くて、毎晩1時ぴったりでおきます。目が覚めた後は肝臓のあたりとお腹が痛くて。一晩中眠れません。大便は軟便で一日3回、尿は一日7~8回。尿は薄い黄色で、においがきつい。食欲不振、しかも食べられません。味覚が落ちている。風にあたると、すぐお腹が切られるように痛みます。

手は暖かく、足は冷たい。
夜は体がほてる。
風と冷たい空気は嫌。喉は乾きません。すごく熱い飲み物を飲みたがる。体力は極端になくて、一日中疲れています。舌診と脈診は行っていません。
中医学の診断と処方箋
↓私の判断↓
◯肝臓のあたりが痛いのは、瘀血が原因。
◯風に当たるとお腹が痛いのは、冷えが原因。
◯食欲不振、食べられないのは「木克土」が原因。同時に膵臓が弱いので、味覚が落ちている。
◯足が冷たい、風と冷たい空気が嫌なのは冷えが溜まっているからです。
◯夜中に体がほてるのは、陰実の存在を証明する。
診断は肝臓の陰実。(西洋医学で言う”肝臓がん”)
処方箋は四逆湯+小建中湯のアレンジ。
生附子3錢 乾姜3錢 炙甘草4錢—–四逆湯去里寒攻陰實
柴胡3錢 xx3錢 xxx3錢—–清肝活血軟堅
桂枝3錢 芍薬6錢 生姜2片 なつめ10枚—–小建中湯去腹部寒痛兼實脾
三七3錢 続断3錢—–活血化瘀
当帰3錢 川芎5錢——活血補血
xxx3錢——壯命門火兼去里寒
飲むときに、麦芽糖を一匙入れて飲む。
処方したのは5日分。
*錢=銭
1ヶ月後、手足が暖かくなり始め、睡眠の質が良くなって、お腹の痛みも消え、朝たちが復活して下痢便も治った
2/17、患者さんの報告。
漢方薬を飲んだあと、手足が暖かくなり始め、睡眠の質が良くなってきた。夜の前半は睡眠が良いけど、後半はまだ悪い。お腹の痛みは消えて、大便は毎日1~2回になり、形がある便が出るようになった。ただし、においは非常に臭い。食べられる量はまだ少ないけど、お腹と肝臓のあたりが痛いのは消えた。朝は朝たちが出るようになった。鼻水が出始めて、鼻詰まりも出てきた。
患者さんの報告から分かりますが、症状は改善しつつあります。鼻詰まり、鼻水が出るのは中の病気が外側に出る現象なので良いこと。続けて同じ漢方薬を10日処方。
2ヶ月後、食欲と睡眠の質は更に改善
3/9、患者さんの報告。
食欲はさらに良くなって、5~6時間寝られます。夜中の3~4時に目が覚めて、1時間経つと寝られる。鼻水はまだ出ている。ほかは良い。
患者さんは夜中にまた目が覚める、しかも肺の経絡の時間帯。これでわかりますが、肺の中にはまた冷えと詰まりがあります。もとの処方箋に細辛2錢 、辛夷花3錢、蒼朮3錢、石菖蒲3錢を追加して3日分を出しました。
その後、患者さんは再診察をするたんびに良くなってきました。途中で生半夏3錢、茯苓4錢を追加して肺の冷えと水を取り、柏子仁を追加して睡眠と快便を助け、7月まで漢方薬を飲みました。
半年後、手足が暖かくなって食欲全開・快眠快便、体力が増えて生活に希望が溢れてきた
7/30、自覚症状が良いので、患者さんは非常に喜んでました。手足は暖かくて、睡眠は朝までぐっすり眠れます。夜中の体が火照る感じもないです。便は1~2回、形がある便です。尿は7回~8回、薄い黄色。食欲はとても良くて、美味しく食べられます。体力がすごい増えて、生活に希望があふれています。
今後、患者さんが養生に気をつけて、6つの自覚症状が良ければ、癌で脅かされることはないです。
学生 北辰 報告
ニハイシャ先生の評論(2009年08月03日)
北辰は私の優秀な生徒の一人です。彼の症例から皆さんはわかると思いますが。世の中の中医学の先生、彼みたいな治療法はできません。
大胆に劇薬を使うだけじゃなくて。組み立てが非常にシンプルで、余計な生薬を入れていません。だから最終的に成功したのです。皆さんも彼の治療法と考え方を学んでほしいです。
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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