はぐきの出血を数回で治した鍼灸症例2つ

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こんにちは、李哲です。

孫培栄先生1の鍼灸治療例を翻訳しました。はぐきからの出血を数回の鍼で治した例、参考になると幸いです。

はぐきの出血を数回で治した鍼灸症例2つ(翻訳文)

治療例①はぐきからの出血が8年も続いたけど、数回で治した

区さん、女性、36歲。
出身地は台湾、住まいは台北県新店鎮二十張路。

主訴はぐきからの出血。血は止まったり出たりする。すでに8年経って、顔色悪くて血の色が見えない。とても痩せて骨しかない、フラフラして精神朦朧の状態。

はぐきの出血は鍼で治せる
はぐきの出血は鍼で治せる

張君の推薦で1974年3月4日に治療に来ました。刺したツボは大椎、2椎、3椎、脾兪、胃兪、足三里穴、合谷穴など。数回刺して治癒しました。

治療例②半年続く歯茎の出血、4回で治癒

張君、26歳。
出身地は福建、住まいは台湾省基隆市信二路。

歯茎出血は半年くらい続いています。

1968年12月19日に治療に来ました。刺したツボは上と同じ。4回で治癒しました。

李哲の解釈と感想

はぐきからの出血ではないですが、抜歯後の腫れて痛いのを鍼で治した事があります。以下の記事、どうぞご参考に。

2椎というのは、陶道穴。
3椎というのは、身柱穴。

大椎は『諸陽之会』で、各陽経の交差路です。つまり、陽気をコントロールできる要所。陽気が上がってて溢れたら、ここで刺絡。足りなかったら鍼若しくはお灸をします。

はぐきの出血は、ほとんど陽気が上に上がり過ぎの時です。西洋医学の言葉でいうと、炎症に近い。だから大椎.2椎.3椎をつなげて刺すでしょう。

歯根は肉で、肉は中医学で陽明経が管理すると言います。陽明経『土』、つまり脾経と胃経を指します。ただし、胃経が直接歯の周りを通るので、胃経の足三里穴など選んだと想定します。合谷穴は顔全体に効くツボ。

西洋医学では歯茎からの出血は、歯周病が原因だと言います。歯ブラシを変えたり、物理的な方法はいろいろありますが、体の中を変えることはできません。

歯茎の出血が治らなくて悩んでいる方は、中医学の治療を試して下さい。漢方薬の効果は百発百中だし、鍼治療の効果も良いです。

近くに漢方医がいない、鍼灸医もいない場合は、使っている歯磨き粉を変えてみてください。市販のいわゆる歯周病予防になるという商品は、当てになりません。一番簡単で有効なのは、歯磨き粉を天然塩に変えること。海塩よりもヒマラヤ岩塩のほうが効果的です。ぜひ試してください。

関連の説明は以下の記事でも説明しました。参考になると幸いです

(おわり)

  1. 孫培栄先生は台湾4大鍼灸名人の一人です。出身は山東省臨沂県。おじさんの銭曽文医師の門下で鍼灸を習い、最終的に台湾でもっとも有名な鍼灸医になりました。孫培栄先生は最期まで40人くらいの弟子を教えました。中で有名な弟子は周左宇、孫宝林、武仲瑛。

    著書としては、『孫培栄鍼灸験案』があります。私も勉強していて、中の治療例を翻訳してアップしたりもします。

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