腎虚証には、様々な自覚症状がある
こんにちは、李哲です。
今まで腎虚証の記事は何回も出ました。
例えば足の踵の痛みは、腎虚証。
足つぼでかかとの痛みを治した例は、以下の記事です。
▼口内炎は腎虚証から来る時もあります。
以下は漢方薬と鍼灸ですぐ治した例。
尿もれ、尿失禁、頻尿なども腎虚証。
漢方薬には尿のトラブルを治す体表的なものがあります。
以下の記事で詳しく説明しているので、どうぞご参考に。
なぜ、同じ腎虚証なのに、病名も違うし、症状もバラバラなのか。
今日は腎臓に関する基礎知識を、『黄帝内経』の原文をもとに、皆さんにご紹介します。
中医学でいう臓器は、内臓本体と内臓から枝みたいに全身を走る経絡があります。
次は内臓本体と経絡、病気になったときに現れる症状をまとめました。
腎臓の経絡(足少陰腎経)が、病気になったときの自覚症状
『黄帝内経』に載っている古文を私が翻訳してみました。
是动则病饥不欲食,面如漆柴,咳唾则有血,喝喝而喘,坐而欲起,目(盳盳)如无所见,心如悬若饥状。气不足则善恐,心惕惕如人将捕之,是为骨厥。是主肾所生病者,口热,舌干,咽肿,上气,嗌干及痛,烦心,心痛,黄疸,肠澼,脊股内后廉痛,痿厥,嗜卧,足下热而痛
引用元:『黄帝内経・霊柩・経脈第十篇』
▼直訳します。
腎臓の経絡に問題が生じたとき現れる症状は以下のとおり。よく見かける症状は、太字で示しています。
- お腹が空いているのに、食べたくない、食欲不振
- 顔色はドス黒い
- 咳き込むと血が出る
- ゼーゼーハーハーして、寝られないから起き上がろうとする
- 目がかすんでよく見えない
- 心臓が浮いているように落ち着きがない
- 自分が逮捕されそうで怖がる
- 口の中が熱い
- 舌が乾く
- 喉の痛み
- 喉が乾燥して痛い
- イライラ
- 黄疸
- 下痢
- 倦怠感が強くて、ずっと寝ていたい(眠気)
- 足の裏が熱くて痛い
倦怠感が強くて、寝ても寝ても寝足りない方はいませんか?
あなたの腎臓に問題が起きているからです。
以下はステロイド剤を飲んだあと、ひどい倦怠感の副作用が現れた女性の治療例。
顔がドス黒いのは腎臓が破たんした時、特徴がある艶がない黒い色です。
だから、ニハイシャ先生は治療例でよく言いますが、腎不全で人工透析をする患者さんは顔を見ただけで分かる。
私も通勤中に見たことがあります。
でも、言えないですね。
「あなた人工透析しているでしょう?漢方薬もしくは鍼治療で人工透析の悪夢が終わりますよ。」と言ったら、きっと気狂いだと言われるはず。
腎不全は漢方薬で治せる病気です。
西洋医学では人工透析(血液透析)で収めていますが、一時的な緩和対策で治療ではありません。患者さんは苦痛の人工透析を受けながら、徐々に死んでいく。以下はニハイシャ先生の一つの漢方薬治療例、参考になると幸いです。
ほかのドライマウス(口の中が異常に乾く)、パニック障害、不安障害なども腎虚証と関連しています。
腎臓が病気になったときの自覚症状
次は腎臓の働きをもとに、腎臓(本体)に問題が起きたときの症状を書きます。
髪の毛のツヤがなくなり、白髪が増える
肾者,主蛰,封藏之本,精之处也;其华在发,其充在骨,为阴中之少阴,通于冬气。
引用元:『黄帝内経・素問・六節臓相論篇第九』より
直訳します。
腎臓は集める・収めるもとで、「精」を格納するところ。
腎臓の良い栄養素(精華)は髪に現れ、骨の中を補充する。
腎臓は陰の中の少陰で、冬の気とつながっている。
髪の毛の艶がなくなり、白髪が増えたときは、腎臓が弱っている事を示します。
認知症、小児麻痺、白血病、脊椎側湾症など
『黄帝内経』の文章を引用します。
骨枯而髓减,发为骨痿
肾主身之骨髓
引用元:『素问•痿论』
肾主骨
引用元:『素问·宣明五气篇』肾者……其充在骨
引用元:『素问·六节藏象论』
肾生骨髓
『素问·阴阳应象大论』
肾不生则髓不能满
引用元:『素问·逆调论』
诸髓者,皆属于脑
引用元:『素问·五脏生成篇』
肾藏骨髓之气
引用元:『素问·平人气象论』
▼ まとめて直訳します。
腎臓は全身の骨と骨髄を作り出す。
骨髄はみんな脳に属する。
骨が枯渇して骨髄が減ったら、骨萎になる。
骨萎は、骨が萎縮・力がなくなる意味です。
もともと、骨は体を支える最大の臓器で、骨がしっかりしているから、人間は立って歩けます。
もし骨がダメになったら、歩けないし座ることも難しい。
小児麻痺、脊椎側湾症、ひどい猫背など体表的な病気です。
臨床でもっとも多いのは膝・肘・手首・指関節・股関節・背骨が痛い頚椎ヘルニア、椎間板ヘルニアなど。とにかく、骨が痛いのは腎臓に問題があることを示します。
白血病は骨髄の異常な増殖だと言われています。中医学から見ると、白血病は骨髄の問題なので、腎機能と関連している。白血病に関して私が書いた小論文があるので、参考になると幸いです。
腎臓は骨髄を作り出し、骨髄はまた脳細胞を養うので、人間は記憶力があります。
もし腎臓がダメになった場合、西洋医学でいう「認知症」が出て記憶力障害が出ます。
西洋医学ではアルツハイマーよ認知症よ、様々な病名を出しているけど、根本的な原因は腎臓が毒殺されたから。
昔は認知症なんてなかったです。
現代の西洋薬の普及がなかったら、この病気も普及されない。
歯がボロボロになる、歯ぐきが痛い、歯が浮いてしまう
中医学で言うのは、「歯為骨之余」
つまり、歯は骨が余ったもの。骨から歯が作られているのです。
- 歯がボロボロ。
- 歯ぐきが痛い。
- 歯が浮く感じがする。
このような症状は、全部腎臓がダメになった時です。
歯周病で歯が抜けるのを鍼で治した例があるので、どうぞご参考に。
慢性的な腰痛、もしくは急性のギックリ腰
先に古文を引用します。
腰者、腎之府、转摇不能,腎将惫矣。
引用元:『黄帝内経・素问・脈要精微論』
▼直訳します。
腰は腎臓の住む場所。
腰を動かす事ができないのは、腎臓が疲憊・過労しているときです。
臨床でみると、ほとんどの腰痛は腎虚証と関係しています。
治療としてはもちろん腎臓を強化しないといけない。漢方薬もしくは鍼治療、どちらでも腰痛を治せます。
西洋医学は腰痛を治せないから手術をすすめるけど、中医学では笑い話です。
鍼で簡単に治るのに、手術は大げさでしょう?
手術で腎臓が強くなりますか?
以下は鍼で腰痛を治した例、参考になると幸いです。
志がなくて、何をしたら良いか分からない
先に古文を引用します。
「五臓所藏、心蔵神、肺蔵魄,肝蔵魂,脾蔵意,腎蔵志。」
引用元:『素问·宣明五气篇』
腎臓が司るのは、「志」(こころざし)。
言い換えると、志がある人、何かやりたい・目標を達成したち人は腎臓が正常。腎臓に問題が起きると、何もしたくない・何をしたら良いかも分からなくなります。
下半身の浮腫(むくみ)、腹水
腎臓は陰陽五行論で「水」に属します。
むくみ、腹水などは全部「水」が氾濫したときの症状。
「水」は重いので、下にたまります。
だから、足のむくみは手のむくみより圧倒的に多いです。
腎臓がダメになればなるほど、むくむ範囲が広がります。
最初は足首まで、その後はふくらはぎまでむくむ。
もっともひどいのは、太腿までむくんで氷みたいに冷たいこと。
鄭智城先生の記事でも、様々な腎虚証の症状を書いてあるので、参考になると思います。
同じ腎虚証でも、人によって現れる症状が違う
中医学の生理学内容を見ると、腎臓が司る範囲は非常に広いです。
人それぞれ、生まれつきの体質が違いので、同じ腎虚証でも同じ症状が現れるとは限らない。
例えば、この人は腎虚証でむくみがひどいけど、眠気にはならない。
あの人は腎虚証だけど、歯が丈夫で腰痛もない、ただ認知症になって記憶力がないだけ。
以前、甘い物・乳製品を止めさせた女性から「文句」がありました。
私は彼女に答えましたが、腎臓の管理範囲は広いので、たとえAに出なくても必ずBに出ます。腎虚証になったとき、なにも症状が出ないわけがない。
つけは必ず回って来ます。
西洋薬が腎臓を破壊する証拠は、自覚症状に現れている
西洋医学は薬の副作用一覧に、病名は書かないで自覚症状を書くのが好きです。その自覚症状は何を意味しているのか、私が解釈してみました。
最初、風邪薬のパブロンの主な副作用を見てみましょう。
- 口渇
- 眠気
2つ当たっています。
次は、ロキソニンの副作用を見てみましょう。
参考先:ロキソニンによる副作用
・胃部不快感がある
・腹痛がする
・悪心がある
・嘔吐する
・食欲不振になる
・浮腫ができる
・むくみがでる
・発疹ができる
・蕁麻疹(じんましん)がでる
・眠気がする
ロキソニンは4つもピンポンです。
最後、アレグラを見てみましょう。
(参考先:アレグラ副作用(アレグラ錠) :薬によるもの)
主な副作用は、
- 頭痛
- 眠気
- 吐き気がする
直接当てはまるのは一つあります。
間接に引き起こす副作用は、まだ計算していません。
上記の薬を見れば分かりますが、腎臓にダメージを与えない西洋薬がありません!
腎臓がずっとダメージを受けたらどうなるか?
- 最終的には腎臓癌、腎不全になり人工透析を受ける。
- 骨がダメになるので、膝痛・股関節痛に悩まされ、高価な人工関節置換術を受ける。
- 骨髄と脳ミスが減るので、徐々に記憶力がなくなり、難治性だと言われるアルツハイマー・認知症になり、また高価な副作用だらけの新薬を試す。
しかし、西洋医学は絶対に薬の副作用に腎不全・腎臓にだと書きません。症状を書いてごまかすだけです。
西洋薬をもっと深く理解するためには、以下の記事がオススメです。読んだことがない方はどうぞご覧ください。
腎虚証は漢方薬、もしくは鍼治療を受けてください
腎虚証の様々な自覚症状を述べました。
ということは、あなたに以上の症状が現れたとき、中医学の先生は腎臓に問題があると判断するわけです。もちろん、関連の治療方法も完備しています。
以下は、腎虚証の腰痛を治した例。
漢方薬と鍼治療例です、参考にして下さい。
以下の画像は、最近見た駅ナカのポスターをスマホで撮ったもの。
日本人の女性、死亡原因第一位は大腸がんだそうです。
進行するまで自覚症状がない!早期発見・早期治療しましょう!という宣伝。
笑っちゃいました。
自覚症状がない?!
便秘・手足の冷え性・不眠症…
中医学の先生から見たら治す項目がいっぱいあるのに、なぜ自覚症状がないと言うんですか?
だから、西洋医学の健診を信じた結果は、自覚症状がどんどんひどくなり、ある日大きな腫瘍が見つかるのです。
最初の症状がある時に治せば、あとの大きな腫瘍もないのに、自覚症状を無視する・治せない現代医学は可愛そうな医学だとしか言えない。
なにが辛い自覚症状があったら、漢方医もしくは鍼灸医に治してもらってください。病院の診断を信じたら、病気が見つかったときは手遅れです!
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