こんにちは、李哲です。
アメリカの著名な中医師、倪海夏(ニハイシャ)先生1の症例、2006-10-24治療日記を翻訳しました。全身性エリテマトーデスとして、珍しい男性患者。そして大腸がん、肝臓移植した患者さんなど、様々な内容が書かれています。参考になると幸いです。
全身性エリテマトーデスの男性、全身には毛がない
今日遠いジョージア州から来た47歳の白人男性、全身性エリテマトーデス(SLE)です。職業は消防士。症状としては、
- 全身に毛がありません。
- 脇も陰部も、眉毛もない。
- 顔にたくさんの赤い斑点ができて、熱くて痛い。
西洋医学の診断は、全身性エリテマトーデス(SLE)。この病気で、彼は10年くらい苦しんだそうです。彼の主な自覚症状は、不眠症。SLE患者さんによく見られる関節痛はなかったです。

ほかの症状は、
- 便秘
- 食欲はまだ良い
- 両足は温かい
- 全身が熱くてよく汗をかく
- 喉は乾かない
西洋医学の先生は、彼がSLEであることを知っているけど、なぜSLEになったかは知りません。
全身性エリテマトーデスの男性は、精子の残留物が心臓に入ったのが原因
私は彼の督脈を押して見たら、第5番と第6番の棘突起下に圧痛点がありました。他の圧痛点は正常です。
検査が終わった後、私は彼に話しました。
「男性がSLEになる原因は、精子の残留物が心臓に入ったからです。精子を作った後の残留物は、正常な男性だと督脈に沿って上がって口周りでヒゲになるはず。
でも、あなたは心臓が弱くなり、口周りまで上がらないで、「巨闕穴」から心臓に入ったのです。両ほっぺ(心臓の反射区)が赤くなっているのは、心臓の栄養(エネルギー)が押し出された時の特有な現象。
しかし、なぜ第6番の棘突起下まで痛いか、きっと何かの特別な原因があるはず。」
彼が教えてくれたのは、9歳の時に車事故で飛ばされ、右足の骨折以外に背中が地面に着いてショックで意識不明になり、6ヶ月後に昏睡状態から戻った。40年経った今でも覚えている。
車事故が起きた以来、髪.眉毛など徐々に落ちて、今日まで毛が再生した事はない。西洋医学の検査を受けても、なぜかが分からない。そして、10年前から両ほっぺに赤い斑点ができて、病院の検査を受けたら全身性エリテマトーデス(SLE)だと言われたのです。
このような特例、私も見たことがありません。全身性エリテマトーデスで、全身の皮膚には毛がない。これには一つ重要なメッセージがあります。

彼の陽気は皮膚まで出ることができないので、皮膚のところは毛がありません。でも、彼は12歳の娘さんがいます。これは精子に問題がない事を証明します。つまり、体内の陽気は大丈夫だけど、外側の皮膚まで上がる力はない。
私はよく考えたけど、彼の血液中にはきっと精子の残留物が残っている。督脈にも詰まりがあり、昔の怪我は精子の運行には影響ないけど、皮膚での気の流れがダメになっている。
解毒と強心薬を出した以外、丸薬も出しました。鍼灸のツボは曲池、血海、築賓、三陰交、合谷穴など。「来週の木曜日にまた来なさい」と言いました。
大腸がんから肝臓に転移した患者、便秘と不眠症は治り、体力が回復して右脇腹の痛みもだいぶ消えた
昨日、大腸がんで西洋医学の手術を受けて肝臓がんに転移した患者さん、また来ました。漢方薬を飲んで4週間。状況はとても良いです。
- 体力が回復
- 睡眠は朝までぐっすり寝れる
- 食欲は良い
- 便秘は治った
- 右脇腹の肝臓あたりの痛みは、だいぶ消えてる
顔の赤い発疹はまだ残っている。
これは「抗がん剤の中毒現象」です。
前よりだいぶ良いので、続けて漢方薬を飲めば良いです。
肝臓移植術して7年も生きたのは、娘の肝臓をもらったから
今日の一人の患者さん。
背中の痛みで来ました。
彼は肝臓移植手術を受けています。C型肝炎と肝硬変症で、肝臓移植手術をするしかなかったそうです。運良く彼は娘さんの肝臓をもらいました。だから、手術して7年経っても状況は良好。
彼は私が見た最年長の肝臓移植の人です。
長生きした一番の原因は、娘さんの肝臓をもらったからです。
(おわり)
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