「怒りっぽい」「悲しみが続く」「不安で眠れない」——これらの感情は、実は五臓六腑と深く関係しています。
中医学では、感情の乱れ(七情)が病気の原因になると考えます。この記事では、喜怒哀楽と臓器の関係を古典理論と臨床例から詳しく解説します。
中医学では、病気の原因を「内因性・外因性・不内外因性」の3つに分類します。 七情(喜怒哀楽)はこのうち 内因性の中心となる原因 です。
👉 3つの原因の全体像はこちら: 体調不良(病気)になる3つの原因|内因性・外因性・不内外因性

病気と気持ちの乱れ(喜怒哀楽)との関係
内因性に属している七情!
皆さんは1番軽視するかも知れませんが、私の一番話したいものです。
一般的に言う七情は喜、怒、哀、惧、愛、悪、欲。もっと簡単にいうと、七情は日常生活での「喜怒哀楽」です。
「怒る.悲しいと病気になる?」
「嬉しいのも病気になる?」
中医学を知らない方は、きっと不思議だと思うかも知れません。
喜怒哀楽は五臓六腑があるから生まれる
次は理由を説明します。
中医学の理論では、喜怒哀楽は五臓六腑があるから生まれる感情です。五臓六腑は感情が生まれる土台。言い換えると、あなたがもし五臓六腑がなかったら、「喜怒哀楽」の気持ちもない。

五臓六腑と感情の具体的な対応表は、以下のとおりです。
- 肝臓があるから、怒りの気持ちが生じる
- 心臓があるから、嬉しい気持ちが生じる
- 肺があるから、悲しい気持ちが生じる
- 腎臓があるから、志があったり、恐怖心が生じる
- 脾臓があるから、誰かを思ったり、仕事するとき集中力がある
気持ちと五臓六腑の密接な関連性
中国語は感情を表す時に、気とか臓器の名前をよく使います。
例えば日本語でいう怒る→中国語では「生気」と言います。現代の言葉でいうと、エネルギーをたくさん消耗する。怒鳴った後ぐったりなるのは、たくさんのエネルギーを消耗したから。
日本語の嬉しい→中国語では「開心」と言います。
日本語で勇敢な人→「胆大」。
気配りが繊細な人→「心細」と言います。
日本語でいう悲しい→中国語では「傷心」と言います。心臓を傷つけるの意味。

気持ち(心)の乱れは、病気を作り出す
臨床でいうと、
肝臓に問題がある時は、怒りやすくなる。
肺に問題がある時は、悲しくなりやすい。
… …
逆のパタンですが、
- たくさん怒ると、肝臓に悪い
- 悲しすぎるのは、肺に悪い
- 恐怖心は腎臓に傷つける
- 考え過ぎると脾臓に傷つける
- 嬉しすぎは心臓に悪い
ニハイシャ先生1の漢方薬症例:心配症で悪化した乳がん女性には、気持ちが病状に対する影響を書かれています。
歴史上で有名な例え話をあげると、「一夜にして白髪になった」マリー・アントワネットのエピソードがあります。ネットではあり得ないと言いますが、中医学の理論から見ると十分あり得る話。極度の恐怖は腎臓を壊すので、一晩でも白髪になります。
五臓六腑と感情は、お互いに影響があります。例えばよく怒ると肝臓がやられて、肝臓がやられたから更に怒りやすくなる。悪循環です。特に女性の生理とイライラ・怒りっぽいのは、肝臓との関連性が強い。
以下、1つの症例があるので、参考にしてください。
臓器の働きは、西洋医学の理論でいうと自立神経の働きなので、自分の意識でコントロールするものではありません。自分の意志で心臓を止めたり、汗を出せたり、胃を動かしたりはできない。
しかし、我々は感情をコントロールすることで、内臓の状態を変えることができます。
気持ちを変えることで、五臓六腑の病気を治せる
気持ちの持ち方は養生にも関わるし、病気の治療にも使います。
例えばイライラして肝臓がやられた人には、涙を流す感動の映画を見せれば、スッキリになる。
悲しくて泣くのは、肺の働きです。
肺は陰陽五行論でいうと「金」。
肝臓は「木」。
金は木に勝つ。
泣くことで、金が木を伐採して、木(肝臓)が減るから身体はスッキリになるのです。
悲しいこともないのに、原因不明で泣くのは病態。漢方薬もしくは鍼治療を受けてください。 関連の症例は以下の記事があります。
また、片思いが強すぎて食欲不振・倦怠感に襲われたとき、怒らせる方法で治せます。
思いが強すぎると、脾臓が弱くなって病みます。脾臓は土。土に勝つのは木。木は肝臓で、肝臓が司るのは怒り。だから、怒らせれば片思いからくる食欲不振などが治ります。
五臓六腑のベスト状態をキープできるのは、穏やかな心と喜び
上記、気持ちが五臓六腑への影響を述べました。
それでは、五臓六腑のベスト状態を作るのは、どんな気持ちなのか?
常識から考えても楽しい・嬉しい気持ちでしょうね。
怒りっぽくて悲しい気持ちで、体調がよくなると思いません。
穏やかな気持ちは、気の流れを邪魔しないので、最良のめぐりを作り上げます。西洋医学でも分かりますが、副交感神経が司る胃腸は、リラックスすると活発になって、食べ物をよく消化吸収してくれます。逆に緊張、怒るなどの気持ちは胃腸の機能を阻害する。
ちなみに、西洋医学でいう免疫力免疫力というのは、胃腸の働きです。
🔎あわせて読みたい:うつ伏せで寝るのは病気?胃腸の『伏梁』が原因!中医学症例で改善法
楽しい・嬉しい気持ちは心臓に良い刺激を与え、心臓が丈夫になります。
心臓は中医学理論で「君主」。
五臓六腑でもっとも大事、ナンバーワンの存在。
ほかの脾臓、胃、肝臓、肺、腎臓…などは、全部心臓(君主)の統領を受けている。大げさに言うと、心臓(君主)さえ強ければ病気にならないし、また、どんな病気でも自然に治せる。
子供が病気になりにくいのは、子供は悲しい・嫉妬、怒り、心配などの気持ちが無いからです。子供は遊びに夢中で、ちょっとした事で大喜び、そして毎日楽しく生活しています。

大人になったら会社のこと、家族のこと、友人のこと。
心配、不安、恐怖、嫉妬、うっぷん…穏やかになるとき、喜ぶ時が少ない。心臓を圧し殺す気持ちばかりです。
大人がもし子供みたいに思考回路が単純で、ちょっとした事で大喜び、楽しそうに生活していたら、死ぬまで病気になる確率は非常に低くなります。
まとめ
上ではいろいろ書きましたが、要約すると以下のとおりです。
外部の寒気、湿気、突然の車事故などは我々が変えられるものではない。
我々にできるのは、飲食物に気をつけて適当に運動し、穏やかな気持ち(心)と喜びを持って生活すること。そうすると、病気になる確率を最小限まで減らせます。
七情(喜怒哀楽)を理解し、心のバランスを保つことが、健康を守る第一歩です。また、食事・睡眠・運動よりも大事なのは穏やかな心と喜び。私たちの心臓(君主)を守ることです。
日本でも「病は気から」と言いますが、深い意味があるのです。
怒らない、悲しまない、怯えない…そうすると、より良い健康状態が維持できます。気持ちがドン底に落ちたりすると、いくら素晴らしい漢方薬を飲んでも効果が薄い、もしくは効果が出ません。
上記のポイントを守ったけど、不幸にも病気になった時、慌てないで信頼できる鍼灸医・漢方医に治してもらってください。
中医学の鍼灸・漢方はあなたの自覚症状を読み取り、どの臓器・経絡に問題があるのかを判断し、相応の治療をします。結果的には副作用もなくて、あなたの自覚症状も治ります。
不安、悲しみなどを改善した症例
七情(喜怒哀楽)の乱れが原因で体調を崩した症例は、実際の臨床でも多くあります。以下はその一部です。

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