うつぶせで寝る女性、誰も原因が分からない
こんにちは、李哲です。
今日は臨床でみた内容を話します。
ある女性の針をする時、お腹を押してみて硬いものが触れてました。ちょうど中脘の外側1~2寸あたりから、臍の外側1~2寸のところまである。
彼女の旦那さんから聞いたのは、彼女はよくうつ伏せで寝ている。誰も原因が分からないそうです。おそらく、好きだからうつ伏せで寝てるのが普通だと思ったでしょう。
うつぶせ寝は正常な寝方ではない
私が聞いたら、彼女は食欲が普通にある。ちゃんとお腹が空くし、美味しくご飯を食べられる。これだと胃の中にある物ではないと判断できます。もし、胃の中にできたら、胃袋の容積が減るので食べる量などに影響がある。
胃の外側にできるのは、何なんだろう?
昔の本を読んで少し分かりました。西洋医学の診断でなんだかは知りませんが、古代の中医学では『伏梁』。心臓の経絡(正しくいうと経筋)に問題が生じたのが原因だそうです。
以下は古文の引用。
手少阴之筋病、内急、心承伏梁。
『黄帝内経・経筋篇』
心之积名曰伏梁、起脐上、大如臂、上至心下。久不癒、令人病煩心。
『難経・五十六難』
うつぶせになると、胃腸が圧迫されて楽だから、体は自然にうつぶせ寝になる
ある中医師の文章を読んで、さらに分かりました。
これは体の自然な保護反応。胃腸が辛いので、体は圧迫する手段で楽にさせたがる。皆さんも胃が辛い時に、自然にみぞおちあたりを手で押したくなるでしょう?原理は同じなのです。
赤ちゃんは首がすわってないので、うつ伏せで寝るときありますが大人は違う。大人がうつ伏せで寝てるのは異常で病態です。
中医学には、健康状態をチェックする項目があります。興味がある方は、どうぞ自分でやってみてください。
胃腸を治してから、うつぶせ寝も自然に仰向け寝になった
彼女の硬い硬結の正体は分かりません。おそらく、腹膜に包まれた何らかのものだと思います。腹膜に包まれて遮断された場合は、西洋医学の血液検査にも表示されません。正常な血液と一緒に流れてないので、血液を抜いて検査しても出ません。
レントゲン・CTを撮るのも意味がない。どうせ開腹手術で正体を確認するでしょう?
鍼灸ではそれが癌であろうと、ただの血の塊であろうと、気にしません。経絡の流れを良くすれば、自然にお腹の硬い硬結が消えるから。
中医学の考え方は、以下の記事でも述べました。
3回刺してから、彼女のお腹を押して見ました。まだ硬い硬結がありますが、以前より範囲が狭くなっているのが分かります。
彼女の旦那さんからも、報告がありました。
「そういえば~最近彼女は仰向けで寝てるのが増えていますね。」
消えるまでは回数がかかるけど、確実に鍼の効果は出ているのが分かります。彼女がうつ伏せで寝るのが嫌で、仰向けで寝るのが好きになった時は、お腹の硬い硬結も減ったときです。
この理屈は分かったでしょうか?
中医学は患者さんの反応、自覚症状の変化で、体内の状況を判断します。侵入性の検査は一切ない。癌・白血病を起こす 放射線検査もしません。西洋医学の検査は、治療になるところか逆に病気を作り出します。以下の記事には、アメリカの漢方医が検診のボロクソを言っています。
うつぶせ寝の男性、コーヒーをガブガブ飲んでいた
10年前、銀座の足つぼのお店で働いた時、スタッフの男性がいつもうつ伏せに寝ていて、不思議な感じでした。彼が言うのは「髪のセットが乱れるから、うつ伏せで寝ています。」
今思い出すと、彼は胃腸に問題が起きているのが原因。なぜなら、彼はコーヒーが大好きで、水の代わりにガブガブ飲んでいたからです。胃腸がやられないわけがない。
おわり
親族・友人にうつぶせ寝が好きな人がいたら、教えてあげてください。
あなたの胃腸に問題がある。鍼治療もしくは漢方薬治療を受けると、すぐ治る事も伝えてください。もちろん、話しても信じない人がいると思います。この場合はしかたないので、健康を祈るしかありません。
2018年7月追記:
彼女から報告をもらいました。今はほとんど、うつ伏せで寝てないそうです。一安心しました。
(おわり)
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