こんにちは、李哲です。
ニハイシャ先生1の有能な弟子、スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師2の症例、胸口嚴重絞痛,手腳極度冰冷 – 當張仲景遇上史丹佛(01/20/2011 発表)を翻訳しました。
心筋梗塞の前兆にあたる症状を、1週間で著しく治した漢方薬治療例です。風刺的なのは、この患者さん、病院の検査では心臓に問題がないと言われたこと。
様々な中医学治療例から分かりますが、病院の心電図など信じてはいけない。自覚症状があるときに、すぐ中医学の治療を受けるべきです。
漢方薬1週間で、心臓のひどい痛みと諸症状が消えた
女性、50歳、細型。突然胸の強烈な痛みにおそわれ、手足が氷みたいに冷たくなりました。手のひらはしびれて、胸から足の方までしびれ、顔面蒼白、たまに呼吸困難。
脈診では数・有力。左寸脈が少し弱い、舌診では舌苔がない。
西洋医学の心電図とほかの検査の結果、患者さんの心臓は問題なし。「たくさん休んでください」と言っただけでした。
漢方薬の処方は以下の通り。
- 桂枝
- 枳実
- 炙甘草
- 生のトリカブト(アメリカでトリカブトは合法です)
- 乾姜
- 生姜
- 括蔞実
- 厚朴
- 半夏
- 薤白
1週間後、患者さんは手先が冷える以外、すべての症状が消えました。
李哲の感想
心電図検査を信じてはいけない
若い有名人が心筋梗塞でなくなるニュースを見ますが、かわいそうだと嘆くしかない。
心電図検査で問題がなければ、心臓病ではないと診断。そして、数カ月後患者さんは心筋梗塞で急死。このような例は少なくありません。いかが一つの症例。
心電図より先に現れるのは、患者さんの症状
心電図検査で正常だと言っても、患者さんには必ず著しい自覚症状があります。胸・背中・心臓の強烈な痛み、不眠症、手足が氷みたい冷たい…
心筋梗塞に前兆がないという理論はおかしい!
患者さんが抱えているつらい症状が、その前兆なのです。
患者さんはつらい症状があるから、治療に来たでしょう?医学は患者さんの辛さを解決するものじゃないですか?病気があるかないかは診断できるけど、つらい症状は治せない。これは役に立つ医学ですか?
心臓病に関して、西洋医学の診断を信じてはいけません!
自覚症状がある時、あなたの体内にはすでにトラブルが起きています。それを異常だと判断するのは中医学です。だから、なにか不調があったら、すぐ中医学の先生に治してもらってください。
以下のニハイシャ先生の論文、勉強になると思います。
トリカブトの認識が間違っている悲しい日本
上記の処方箋は、『金匱要略』にある「枳実薤白桂枝湯」+「枳実薤白半夏湯」をもとにした処方箋です。
生のトリカブトは、氷みたいに冷たい手足を治す時の大事な生薬。これがないと、氷みたいに冷たい手足が1週間で治せると言えません。
残念ながら、日本ではトリカブトだと「殺人事件」のイメージしかないような…急病人を救える生薬が、殺人事件を連想させるレッテルを貼られ。 正しい知識が流行らない、悲しい情報社会です。
トリカブトに関して、過去記事で説明をしました。参考になると幸いです。
中医学の心臓病の治癒率は100%!
ニハイシャ先生は心臓病の治癒率100%だと話しました(心臓肥大だけ除外)。地元の西洋医学の先生すら、心臓病の患者さんはニハイシャ先生の紹介しています。なぜなら、西洋医学の先生たちが治せなかった心臓病患者、漢方薬で治っているのを見たからです。認めざるを得ない。
以下は一つの重篤患者の治療例、どうぞご参考に 。
李哲の鍼灸治療例:ひどい心房細動、動悸、息切れ
私はまだ、ここまでひどい心臓病患者を見たことがありません。今いる患者さんたちは、心臓の痛み・動悸・不整脈はあるけど、死ぬ寸前の患者はいません。
一人印象深い患者は、3年前の心房細動(動悸、息切れが激しい)の方。しばらく治療して諸症状が改善したけど、最後までは続けなかったです。以下の記事には、その詳細記録があります。長文ですが、参考になると幸いです。
心臓病(不整脈、息切れ、動悸、心臓が痛い)などは時間さえくれれば、鍼灸でも治せます。強力な漢方薬も同時に飲めば、治せないものがないですね。
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
↩︎李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
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