こんにちは、李哲です。
今日は一つの症例で、鍼灸は緊急救命に優れていることを説明します。
2020年11月のこと。
50代の女性、足つぼ整体のお店をやった時からの常連さん。
当院に入ったとき、顔色がとても悪かったです。 彼女が言うのは、「朝から呼吸が苦しくて動悸がする。気持ち悪くて吐きそうだから、今すぐ鍼で解決してほしい!」
脈診してみたら驚愕の脈。
めちゃくちゃ早くて、リズムがない不整脈。おそらく1分間に200回以上動いていました。西洋医学では「心房細動」だと言うでしょう。私が見た患者さんの中で、彼女の脈は一番ひどかったです。ここまでひどいと、呼吸が苦しいのは当たり前。運が悪かったら心臓が止まるかも知れません。
これは緊急事態なので、着替えもせず座ったまま鍼をしました。両手の内関、強く響かせて20分後に鍼を取りました。気持ち悪くて吐きそうなのはだいぶ治り、心臓がドキドキして胸が苦しいのは少し減ったけどまだあるそうです。
以前治療した末期乳がん患者さん、同じ心臓が痛い・呼吸が苦しいのは内関一つで治しました。以下の記事、どうぞご覧ください。
ところで、彼女の急性発作はひどい。明らかにパワーが足りていません。今度はうつ伏せで心兪、肺兪、肝兪、腎兪など。仰向けでは公孫、大陵、神門、巨闕、関元などを刺しました。
これで心臓がドキドキするのが治ると思ったら、私の考え方が甘かったです。脈はだいぶ穏やかにはなって、歩くのは大丈夫になったけど、辛い症状がまだ少し残っていました。完全には治ってない。
仕方ないので、数日後にもう一度鍼をすることにして、帰らせるしかなかったです。一晩中、私は心配しました。万が一、また脈拍数が200になったらどうしよう…救急車を呼ぶしかないかも…
翌日、彼女からメールが入りました。
大きなゲップが出たら、なんと残りの辛さも治って、スッキリしたのです。
あとで考えたら、胃腸を整えてないのが私のミスでした。もし、中脘など胃腸を強化するツボを選べば、もっと早く治ったかも知れません。なぜなら、彼女の心臓がバクバクする、心臓が苦しいのは食べ物が詰まって、心臓を圧迫したのも関連しているからです。
そういえば、胃腸の問題で心臓が痛い女性の例もありました。以下の記事、参考になると幸いです。
今でも覚えていますが、彼女の印象的な話。
「朝辛くて救急車を呼ぼうと思ったけど、鍼灸院までは行けるし、だから頑張ってきた。」
彼女がもし救急車で病院に運ばれたら、病院で治るでしょうか?答えはNOです。厚生労働省の統計情報では、心臓疾患で毎年7万人以上も死んでいるのに、治ると言うのは明らかに嘘でしょう?
今回の鍼で治ったのは、本当に何よりでした。
そして、信頼してくれてありがとうございます!
以下の記事で、鍼治療は緊急救命に得意だと書きました。あまり症例がなかったので、皆さんは漠然としたでしょう。今回の症例、参考になると幸いです。
呼吸が苦しい、心臓が痛い、心臓がバクバクするなどの症状に対し、鍼治療は即効性に優れています。任意の薬よりも効果バツグンで、副作用がありません。
心疾患だけど薬を飲みたくない方。
鍼灸は絶対にあなたの役に立つ治療法です、ぜひ試して下さい。
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