急にみぞおちが痛い子供は、鍼と調胃承気湯1日で治った。食べ過ぎると食靠れになるので要注意!

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こんにちは、李哲です。
中国河北省の中医師、張静先生1の漢方薬症例を翻訳しました。

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(2022-2-24 発表)

急にみぞおちが痛い子供は、鍼と調胃承気湯で1日で治った

この患者は、さっきほど治した方です。患者は父親が連れてきました。子供は顔面蒼白で、おじいちゃんみたいに腰が曲がってました。患者の父親が言うのは「子供はお腹が痛いそうです。すぐ診てください」

しかし、当時の診療所はすごい混んでいてみんな順番待ち。その時、診察中の患者さんは順番を子供に譲ってあげました。

私「どこが痛いか、指で指してください」
子供はみぞおち辺りを指しながら言いました。
「ここがすごく痛いです」

私「痛くなったキッカケは?」
子供の父親「さっき1回来て、先生に治してもらいたかったです。しかし、混んでいたので、ほかの診療所に行って鍼してもらったら更に痛くなりました。だから、今は戻ってきたのです」

子供をベッドに寝かせて、ツボを押して見ました。上脘穴が非常に痛がってました。

私「正直に話してください。何をたくさん食べました?
子供の父親「昨日えのき茸をたくさん食べました」

鍼したツボは中脘、上巨虚、梁丘。
10分後には胃痛が徐々に消えたので、すぐ帰って漢方薬を煎じることを伝えました。

鍼しているとき、子供はコッソリ私に話しかけてくれました。
「先生、私の胃痛は気持ちと関係あります」

私「私は気持ちが原因の胃痛を治す専門家です。心配しないで」

処方箋は大黄(酒製)、芒硝、炙甘草。

翌日、私はWeChat(微信)で子供の状況を聞きました。子供の父親が言うのは、「もう治りました。ありがとうございます!」

私は警告しました。
「暴飲暴食はダメです。気をつけてください」

子供の胃痛は何が原因だったのか?
簡単に言うと、積食。
そう、こんなに簡単です。

今振り返ると、子供の発言は面白かったです。また、面白い現象を見つけました。

胃痛に関して、各年代のセリフが違う。

60年代に生まれた人「体調不良が増えるばかり。楽しくないことを考えるとすぐ胃が痛む」

70年代に生まれた人「会社と家の些細なことを考えてはいけない。考え出すと胃が痛む」

80年代に生まれた人「怒ると胃が痛むから、怒らせないで」

90年代に生まれた人「良く胃が痛むけど、癌ではないよね?」

2000年代に生まれた人「私の胃痛は気持ちと関係している」

李哲の解釈と説明

食べ過ぎて起きる病気

中国語の積食は、日本語に訳すると「食もたれ、食滞(しょくたい)」。文字とおり、食べ過ぎて食物が胃に詰まる現象。つまると気の流れが渋滞を起こすで、強烈な痛みが生じます。

中医学理論でいうと、食べ過ぎるのは良くないし、早食いも良くないです。食べ過ぎ・早食いで起きやすい病気は、盲腸炎(虫垂炎)が代表的。上記の子供みたいな積食は、まだかわいいものです。

ちなみに、虫垂炎は手術要らず、漢方薬もしくは鍼だけでも治ります。以下は一つの症例、お腹にメスの傷跡を残したくない方、ぜひ覚えてください。

中医学はツボを押して診断

西洋医学は腹診のとき、ランツ点・マックバーニー点などありますが、中医学は主にツボを押して診断を行います。たとえば虫垂炎、胆のう炎、尿路結石など確認するとき。

圧痛点で診断する方法のメリットは、
①放射線を浴びるなどの副作用がまったくない
②素早く診断ができて、緊急治療ができる

緊急治療だと皆さんは病院を思い出しやすいですが、実は中医学も救急治療に優れています。以下はスタンフォード大学の李宗恩博士2の症例、素早く診断・治療ができて患者さんが助かった例です。

処方箋の解釈

大黄(酒製)、芒硝、炙甘草。
これは「調胃承気湯ちょういじょうきとう」の組み合わせ。専門的にみぞおち辺りに詰まった食べ物を降ろす処方箋です。

面白いのは大黄。
酒に漬けてから煎じるのです。
酒好きの人は喜ぶでしょうね。

漢方薬には生薬をお酢に漬けたり、お酒に漬けたり、加工方法はいろいろあります。その目的は生薬の力を強化、もしくは違う部位にまで導き出すため。また、漢方薬は丸薬にしたり、煎じ薬にしたり、形もいろいろあります。関連の説明は過去記事を御覧ください。

急性の胃痛は鍼でも治せる

食べ物が胃に詰まって腹痛が出たとき、治せるのは漢方薬だけではありません。鍼しても治ります。以下は一つの症例、参考になると幸いです。

腹痛があるからと言って、鎮痛剤を飲むのは本末転倒の治療法です。神経が麻痺して痛みを感じないかも知れませんが、胃に詰まった食べ物はどうするんですか?鎮痛剤で出せるでしょうか?

上記の子供は、また別の症例にでも出ています。精神疾患で発狂する面白い症例。今度時間があるとき翻訳しますので、しばらくお待ち下さい。

(おわり)

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

  2. 李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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