風邪が治ったのに声が出ない|急性声帯炎を鍼2日で改善した症例【即効】

「風邪は治ったのに、急に声が出なくなった…」

そんな不安を抱えて来院した40代男性。
病院では急性声帯炎と診断され、2日後には声を出す仕事が控えている緊急事態でした。

鍼治療でどこまで改善できるのか——その実例を紹介します。

目次

風邪が治ったのに声が出ない原因と、鍼灸で改善できる理由

風邪が治ったのに声が出ない場合、西洋医学では「急性声帯炎」と診断されますが、鍼灸では 経絡の乱れ痰の停滞 を中心に判断します。

声が出ない時は、喉を潤し、声帯を正常に動かすための 気血が不足している状態 と考えられます。 喉には 肝経・腎経・任脈 が通っており、これらの経絡の流れが弱ると、声がかすれる・出ない・詰まるなどの症状が現れます。

喉には肝経・腎経・任脈が通っています。
以下の画像を見ると、喉周辺を多くの経絡が通っていることが分かります。

喉を通る肝経・腎経・任脈の経絡図(首のツボ人形)
喉周辺を通る主要な経絡(肝経・腎経・任脈)の位置を示したツボ人形。

さらに今回の患者さんのように、

  • 喉に痰が絡む
  • 鼻奥や耳奥が詰まる
  • 頭がぼーっとする

といった症状がある場合は、痰(余分な水分)が上焦に停滞していることが原因です。

鍼灸では、

  • 喉を通る経絡の気血を補う
  • 痰を減らすツボを使う
  • 気血の巡りを全身で整える

この3つを同時に行うことで、声が出ない症状を即効で改善できます。

特に、声を使う仕事の方や、風邪後に声が出なくなる方は、鍼灸の即効性が大きな助けになります。

鍼灸の即効性が現れたいろんな症例は、鍼の即効性– tag –をご覧ください。

風邪が治ったのに声が出ない男性が、鍼灸で改善した症例

2026年7月21日
患者さんは40代の男性。
以前、花粉症と肩関節の痛みで何回か治療に来たことあります。

諸症状がほぼ治って、しばらく姿を消しました。

今回、彼が来た主な理由は、先週風邪を引いてから熱などの諸症状が治ったのに、突然声が出なくなったのです。病院で検査したら急性声帯炎だと言われました。

風邪後に声が出ない男性が喉を押さえている様子
風邪が治ったのに声が出ない男性の喉の違和感の様子。

彼は2日後に声を出さないといけない仕事があって困っていたのです。そして鍼を思い出して治療に来ました。

風邪が治ったのに声が出ない原因は、声帯の炎症だけでなく、風邪で弱った喉の粘膜や経絡の流れが回復しきっていないことが大きく関係します。

特に風邪の後は、喉の乾燥・痰の停滞・声帯のむくみが残りやすく、話そうとすると声がかすれる・出ない・詰まるといった症状が起こります。

患者さんの状態と初期症状

当時彼が話したのは、「声が出ないのは、昨日からちょっと良くなって話せるようにはなりました。でも、前に治してもらった花粉症のせいなのか、耳が詰まってる感じもあるし、鼻奥と脳が詰まってる感じもあって、頭がぼーっとしています。」

私は彼に話しました。
「おそらく前の花粉症の痰がまだ少し残っている。それが原因で、今回の風邪をキッカケに耳と花奥が詰まってる感じがして、その痰の影響もあって喉が痛くなったでしょう。」

花粉症の鼻詰まり、痰などは治しやすい症状です。
花粉症の鼻詰まり、鼻水が出る、くしゃみは数回の鍼で治ったでも書いたように、基本的に数回で治る。彼も数回で著しく改善して、その後は来なくなったのです。

今回、私が見てる限り、喉の不調だけで他の不眠症・手足の冷えなどの症状ないから、「2日連続で鍼すればその仕事には間に合う」と彼に伝えました。

実際の鍼治療の内容と狙い

この日に鍼をしたのは以下のツボ。
関連の説明もつけたので、参考になると幸いです。

ツボ効能、狙い目
列缺+照海「八会穴」で喉のすべての不調を治す
太衝肝経の本穴で、慢性的な喉の不調、視力改善に効果的
豊隆痰を減らす作用が強くい
聴会耳のつまり、炎症などを治せる
間使喉のイガイガ感、喉の痰などを治せる
上星、通天鼻の通りを改善する
中脘+下脘胃腸を強化し、痰の源を根絶する
合谷+太衝古典鍼灸では「開四関」と呼び、全身の気血の巡りを改善する総スイッチ
太陽、攒竹視力改善のため
迎香透内迎香鼻詰まり、鼻奥の痰を取る最強のツボ

もともと、天突穴も刺そうと思ったけど、列缺を刺したところで喉の不調がほとんど消えたので、天突は刺してない。

上記のツボの狙い目を簡単に説明します。

喉の不調に関して、今までだと列缺もしくは照海だけで足りるケースが多かったです。列缺だけの応用例は以下をご覧ください。

🔗魚の骨で喉が痛い時の即効鍼治療の症例

しかし、今回は

近所のツボ+遠方のツボ+痰の源を根本から根絶。

3ショットをフル利用したのは、効果を最大限にしたかったからです。なぜなら、彼は2日のチャンスしかないから、私は怠慢できなかったのです。

施術画像の一覧

以下は当時の施術画像です。

照海と太衝に刺した鍼の施術写真(ツボ名入り)
喉の不調に効果的な照海と太衝に刺した鍼の施術写真。

足の豊隆に刺した鍼の施術写真(ツボ名入り)
痰を減らす作用が強い豊隆に刺した鍼の施術写真。

右手の合谷・列缺・間使に刺した鍼の施術写真(ツボ名入り)
右手の合谷・列缺・間使に刺した鍼の施術写真。気血の巡りを整える重要なツボ。

中脘と下脘に刺した鍼の施術写真(中脘の得気が強く赤みがある)
中脘と下脘に刺した鍼の施術写真。中脘の得気が強く赤みが出ている。

頭の上星と通天に刺した鍼の施術写真(ツボ名入り)
鼻奥の詰まりを改善する上星・通天に刺した鍼の施術写真。

頭の横の太陽と聴会に刺した鍼の施術写真(ツボ名入り)
耳奥の詰まりや炎症を改善する太陽・聴会に刺した鍼の施術写真。

2日連続の鍼治療でほぼ回復した経過

1回目の鍼治療が終わって、彼が言うの「鼻奥、耳奥、脳が詰まってボッーとするのは良くなりました。喉も良い感じです。」

翌日の7月22日、彼が来た時話したのは「喉はだいぶ良いです。話は問題ない、耳奥と鼻奥に何か詰まっててぼーっとするのはほぼ治りました。」

今日は念のためにもう一度同じツボをさしました。

帰る時彼が言うのは、「調子がすごいいい感じなので、その声を出さないといけない仕事には大丈夫そうです」。

「間に合ってよかった!」と私も肩の荷が下りました。

風邪後の声が出ない症状は鍼灸で即効改善できる


特に風邪の後は、喉を潤す肝経・腎経・任脈の流れが弱りやすく、痰が上焦に残ることで声が出しにくくなります。

鍼灸はこれらの経絡を整え、痰を散らすことで、声が出ない症状を短期間で改善できるのが特徴です。

西洋医学の治療方向は知りませんが、漢方薬や鍼灸は素早く改善できます。特に鍼は即効性に優れている。今までの臨床経験から見ると、喉の不調は鍼を刺した瞬間から改善できます。効果が出る速さに、多くの患者さんは目が点になっていました。

鍼の即効性は、経絡の流れが新幹線なみに早いからです。詳しい解説は、目が重い・目の奥の重さを鍼で即解消!生理痛も1秒でスッキリ をご覧ください。

歌手、ラジオの司会者、学校の先生など、声をよく出す人たち、鍼灸が喉の不調を治す有力候補であることを知ってもらえると嬉しいです。

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