こんにちは、李哲です。
風邪が治ったはずなのに、耳の奥がズキッと痛い・耳の中が違和感。
病院で検査しても「異常なし」と言われるのに、耳の奥が痛い原因が分からず不安になる方がいます。
この記事では、風邪のあとに耳の奥が痛い・耳の中が痛い症状が続いた女性2人の実例と、鍼灸で3〜4回の治療で改善した経過を、中医学の視点から分かりやすく解説します。

風邪が治ったのに耳の奥が痛い理由
「風邪は治ったと言われたのに、なぜ耳の奥が痛いのか?」
中医学では、このような症状を「邪気入耳(じゃき・じゅに)」と考えます。
風邪のウイルスや冷えの邪気が、完全に抜けきらずに経絡を伝わって耳の中に入り込むと、耳の奥が痛い・耳の中がズキズキする・詰まった感じがするなどの不調が出てきます。
つまり、風邪の「残りカス」が耳の経絡に居座っている状態です。
このとき、検査では異常が出ないことが多く、「原因不明の耳の奥の痛み」と言われてしまいます。
耳の奥が痛いときに起こりやすい症状
風邪のあとに耳の奥が痛い方は、次のような症状を一緒に訴えることが多いです
- 耳の中がズキズキ痛い・刺すような痛みがある
- 耳が詰まった感じがする・こもるような違和感
- 耳鳴りがする(キーン、ザーなど)
- 首・肩のこり、頭重感、疲れやすさ
耳の中が痛いとき、西洋医学ではどう診断される?
西洋医学では、風邪のあとに耳の中が痛い・耳の奥が痛い場合、
多くは炎症(中耳炎・外耳炎など)を疑い、抗生物質や痛み止めが処方されます。

抗生物質が処方されるケース
本当に細菌性の炎症であれば、抗生物質が効いて痛みが治まることもあります。
しかし、原因が「経絡の滞り」や「風邪の残り」だった場合、抗生物質では根本的な改善にならず、耳の奥が痛い症状だけが長く続くことがあります。
抗生物質の副作用と注意点
抗生物質は必要な場面もありますが、副作用も決して軽くありません。
一番先に負担がかかるのは心臓。睡眠の質が悪くなり、手足が冷えやすくなり、男性の場合は朝立ちがなくなることもあります。
抗生物質の作用機序や副作用については、生化学者が詳しく分析した論文があります。興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。
🔗抗生物質・鎮痛剤・抗うつ剤の作用機序と副作用を生化学者が分析した記事
鍼灸で耳奥の痛みが改善する理由
それでは、鍼灸はどうやって耳の奥が痛い症状を改善するのか?
中医学では、耳の不調は経絡の滞りと深く関係していると考えます。
三焦経・胆経が耳を支配する
手少陽三焦経は耳の周りを巡り、足少陽胆経は耳の中に入る経絡です。
そのため、耳の奥が痛い・耳の中が痛いときは、少陽経(三焦経・胆経)上のツボを使うことが多くなります。
代表的なツボとして、次のようなものがあります。
- 陽陵泉(ようりょうせん)…足少陽胆経の重要なツボ
- 外関(がいかん)…手少陽三焦経の代表的なツボ
聴宮・聴会が耳の不調に効く仕組み
私が耳の症状でよく使うのは、聴宮(ちょうきゅう)・聴会(ちょうえ)というツボです。
耳鳴り、耳がよく聞こえない、中耳炎、耳の中が痛い…とにかく耳の不調であれば、聴宮・聴会は非常に効果的です。

鍼治療は、ウイルスを直接「やっつける」わけではありません。
経絡の流れを整え、内臓の働きを高めることで、身体が自分で自分を治せるように支援する治療です。
鍼治療は支援部隊で、必要なもの・情報を提供するだけ。
実際に戦って勝つのは、あなた自身の身体です。
鍼が効く仕組みについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
鍼灸はなぜ効くのか?経絡のツボを刺激し、気の流れを改善し、自然免疫力を強化することで病気を治す仕組み
実例|風邪後の耳奥の痛みが3〜4回の鍼で改善した女性2名
ここからは、実際に私の治療院に来られた二人の女性の症例を紹介します。
どちらも、風邪が治ったあとに耳の奥が痛い・耳の中が痛い症状が残ったケースです。
症状の特徴
二人とも、次のような共通点がありました。
- 風邪のあと、片側または両側の耳の奥がズキズキ痛む
- 耳の中が詰まったような違和感が続く
- 病院では「異常なし」と言われ、原因が分からないまま不安になっていた
使用したツボと治療経過
治療では、先ほど紹介した聴宮・聴会を中心に、三焦経・胆経のツボを組み合わせて鍼をしました。
結果として、二人とも3〜4回の鍼治療で、耳の中が痛い症状はほぼ消失。
耳の奥が痛い原因が「風邪の残り」と分かったことで、精神的な不安も軽くなりました。

耳の奥が痛いときに自分でできるセルフケア
「今すぐ鍼灸院に行けない」という方のために、耳の奥が痛いときに自分でできる簡単なセルフケアも紹介しておきます。
耳周りの軽いマッサージ
耳の周り(耳たぶの前後・耳の付け根)を、痛くない程度の強さでゆっくりマッサージします。
経絡の流れが少し良くなり、耳の中の違和感が軽くなることがあります。
首肩を温める
首・肩のこりが強いと、耳への血流も悪くなり、症状が長引きやすくなります。
蒸しタオルや入浴で首・肩を温めるだけでも、耳の奥が痛い症状が和らぐことがあります。

まとめ|耳の奥が痛い原因は「経絡」で考えると分かりやすい
鍼治療をしていると、教科書には載っていない不思議な症状に出会うことがよくあります。
風邪が治ったあとに耳の奥が痛い・耳の中が痛い症状も、その一つです。
しかし、欧米人であろうとアジア人であろうと、身体を流れる経絡は同じです。
経絡をもとにして考えれば、原因不明と言われた耳の奥の痛みでも、解決の糸口が見えてきます。
耳の不調を改善した症例まとめ(関連記事)
耳の奥が痛い・耳の中が痛い症状以外にも、耳の不調で悩んでいる方は多くいます。
以下は、実際に鍼灸や漢方で耳の症状が改善した症例です。気になるものがあれば、ぜひ読んでみてください。
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