こんにちは、李哲です。
16歳の女の子が、痰がないのに喉がかゆくて咳が止まらないという症状を訴えて来院しました。前回の心臓の痛み・お尻の痛みは鍼灸で改善済み。今回は「喉のかゆみ+咳」という珍しい症状が、鍼灸1回でどう治ったのかを詳しく紹介します。
前回の治療内容は以下をご覧ください。
症例概要(喉のかゆみ・痰なしの咳)
2020-3-3
彼女の報告:
みぞおち辺りの心臓の痛みはなくなり、前回話した肩、腰、お尻の痛みは治った。
今日は特別な症状を訴えてました。
「喉と食道が痒くて咳をしてしまいます。でも、痰はありません。」
私は彼女に説明しました。
「肺の下に水が溜まっているので、喉が痒くなります。」

鍼灸治療(尺沢穴の瀉法)
治療として、肺のツボ:尺沢(肺経の子穴)を刺して瀉法。30分後に鍼を取ったけど、喉・食道のかゆみは変化なし。
私は頭を抱えました。
思った通りの効果が出ないのは、ツボが間違ったのかな…次回は列缺+照海にする!
列缺+照海の組み合わせは、以下の鍼灸症例でも使う有名なセット。勉強になる症例なので、鍼灸師はぜひ1回目を通してください。
🔗喉の痛痒さと止まらない咳を鍼3回で完治した症例(孫培栄先生)
治療結果(翌日から症状が改善)
2020-3-11
彼女の報告:
「喉と食道が痒くて咳をするのは、鍼を受けた翌日から治りました。」
前回の心配は杞憂でした。
尺沢穴を選んだ理由
尺沢穴が咳に効く理由
尺沢穴は肺経の合穴で、鍼灸理論でいうと「合主逆気而瀉」。一般的に咳・むせる・喘息の症状に使います。風邪であろうと新型コロナであろうと、関係ありません。咳の症状があれば、尺沢穴は有効です。
瀉法を行った理由
注意点は、尺沢穴を刺したあと、補法を行うこと。(もちろん、瀉法をする場合もありますが、補法が多い感じです)
上記の施術では、瀉法を使いました。
これは「肺の下に溜まっている水」と関連しています。
補法と瀉法の使い分け
咳の症状に対して、一般的に補法だけど、実質的な水が溜まった時は無くすために瀉法が必要。
たとえ話ですが、肺水腫で呼吸困難・仰向けで寝られないときは、尺沢穴の瀉法を使うのが良いです。
少量の水の滞りと重症肺水腫の違い
本当に水が溜まったときは肺水腫だと呼びます。これは命に関わる危険な症状、鍼だけでは治せないので、漢方薬の併用が必要です。
ごく少量の場合は彼女みたいに喉が痒くなり咳が出ます。この場合は鍼だけでも有効です。
危険肺水腫は漢方薬で治せるので、以下の記事をご覧ください。
小青竜湯が合う症状(漢方の視点)
ちなみに、上記の患者さんの症状は、漢方薬でいうと「小青竜湯」の症状です。
小青竜湯は非常によく使われるもので、自宅のオススメの常備薬。以下は一つの漢方薬症例、参考にしてください。
新型コロナの咳・喉のかゆみも同じ理論で治る
異病同治の考え方
新型コロナは特別な病名に見えるけど、実際の症状を見ると、風邪の一種類です。言い換えると、新型コロナは「ただの風邪」。
風邪と共通する症状が多いので、治す時の漢方薬も同じです。西洋医学と違って、中医学理論では症状が同じだと原因も同じ。だから、違う病名でも同じ症状が出た場合は、同じ処方箋・ツボで治せるのです。
異病同治の症例は以下の記事を参考にしてください。
症状が同じなら治療も同じ
以下の症例には、喉が痒くて咳する新型コロナの患者が、1日の漢方薬飲んだだけで関連の症状が治りました。漢方薬がピッタリ合う場合は、著しい効果が出ます。
漢方薬で新型コロナが治せる事を知っている人が少ないのは、残念なことです。毎年インフルエンザで死ぬ人のほうが遥かに多いのに、新型コロナでビビるのは更にわけわかりませんね。
~最終編につづく~
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咳を改善したほかの症例まとめ
🔗咳だけ治らない子供の風邪を2日で完治した漢方は、まさに神の薬!

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