こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生1の症例、可遇不可求?胖女孩两剂药减肥7磅_郑智城(2012-06-19 発表)を翻訳しました。
風邪の咳が治ったついでに、一気に3.5kgもダイエットできた子供の症例です。一石二鳥は漢方薬のみならですね。西洋薬にはこんな効果がありません。
風邪が治らない娘さん
私のお姉さんが大家さんで、一人の住民(多分カリブ海の人)がお姉さんに言うのは、「最近娘の風邪がひどくて、なかなか治らないです」。
その娘さんは甲状腺低下症の持病もあり、太っていて普段から病気ぎみだそうです。甲状腺に関する中医学の知識は、ニハイシャ先生2の記事が参考になるので、どうぞご覧ください。
そのお客さんは、私が中医師であることを知っていて、お姉さんに相談しました。お姉さんは熱心な人で良いけど、たまには熱心すぎて困る。なんと私の代わりにOKを出して、「娘さんの診察をする」と約束したのです。仕方ないので、ある日の午後、退勤してからお姉さんの所に行って、診察をしました。
部屋について、いとこ達が娘さんを呼んできたら思わず、「うぉぉ!」と嘆きました。すごい太っている子が入ってきたのです。娘さんは13歳だと言われているけど、その体型は23歳だと言っても私は信じます。
中医学の問診と診断
私「どんな不調ですか?」
娘さん「1週間前に急に寒気がして風邪を引きました。咳をして喉が痛い、痰も出ます」
私「痰は吐きやすいですか?」
娘さん「咳するとすぐ出ます」
私「痰はどんな色ですか?」
娘さん「たまには白、たまには黄色もしくは緑色です」
私「寝ているときは、咳がひどくなりますか?」
娘さん「多分そうです。仰向けでは寝られなくて、横向きで寝ています」
脈診してみたら、沈少弦。
舌診では明らかに白い。
私「まだ風邪の症状がありますか?例えば寒気がする、発熱、頭痛など。」
娘さん「今は発熱もなく、寒くもないです。ただ、鼻つまりと咳があります。」
諸症状を分析すると、肺に痰があって、心臓の下に水が溜まっているのが原因です。
翌日に小青竜湯+附子(トリカブト)を2日分処方しました。小青竜湯の使用例は、もう一つの記事もあるので、どうぞご参考に。
鼻つまり、咳は2日で良くなり、浮腫が取れて体重が3.5kgも落ちた
数日後、私のお姉さんから電話が来て言うのは、「彼女は漢方薬を飲んでからすごい良くなった。あと、彼女は3.5キロ痩せた!」
私「え?本当に?どういう事?」
お姉さん「昨日、あの娘さんが私に言ってたよ。一枚のTシャツが着れなかったけど、今は着れるようになった。私に見せたけど、本当にブカブカになっていたよ」
お姉さん「彼女は以前見た時は、とても体力がない肥満症だったけど、今はだいぶガッチリしてきた。体重計に乗って見なさいと言ったら、彼女が言うのは3.5キロ落ちている」
お姉さんはまた続けて話しました。
「彼女のお母さんは私に言ったけど、続けてこの漢方薬を飲みたい。すごいまずいけど、効果があるから」
これは多分、今までの治療で偶然に一番早くダイエットした例です。2ヶ月で16kgダイエットした患者もいるので、良かったらご覧ください。
李哲の感想
漢方薬でダイエットできた人はたくさんいる
2日の漢方薬で風邪の鼻つまり・咳が治って、3.5kg落ちるのはすごい。これが漢方薬のいい所でしょうか。
上記の娘さん、そうとう水が溜まっていたと思います。 小青竜湯は体内を温める生薬が多いのに、さらにトリカブトを追加して、体に溜まっている水を飛ばすことができます。小青竜湯がダイエット効果があるのではなく、たまたま風邪が治ったついでに、溜まっている水分がなくなり痩せただけです。
ニハイシャ先生の治療記事には、もっとすごい例がありました。末期乳がんの腐った胸に、新しい肉が再生しただけではなくて、体重が32kg減!
体に水が溜まって太る原因
太っている人は、水太りのタイプがほとんどですね。中国語ではよく言いますが、「喝水也胖」(水を飲んでも太るの意味)。
なぜ水がたまるのか?
中医学では簡単に「陽虚証」だと言いますが、言い換えると、体内の温度が低くなっているから、水の循環に障害が出ている。
体内温度は心臓がコントロールしています。つまり、心臓の働きが弱くなると、体内温度が低くなり、正常な循環ができないから水がたまって「太る」「むくむ」。心臓が弱くなる原因は、ニハイシャ先生の記事で詳しく書いてあります。
ダイエットは食べ物を見直すのが先
以前、足つぼ整体の治療をしたとき、痩せた人はたくさん見ました。白砂糖、乳製品を止めて7kg痩せた女性もいたけど、今回紹介する女性もすごい痩せました。
彼女たちの共通点は、飲食にきをつけたこと。
当院の禁止物:コーヒー、お菓子、チョコレート、チーズ、バター、清涼飲料水など全部止めたから。
ダイエットしたいなら、運動する前にいろんな食べ物を止めるべき。これはなんのダイエット方法よりも効きます!
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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