毎朝3〜5時に同じ時間に目が覚めてしまい、「もう少し寝たいのに眠れない」。
そんな早朝覚醒は、東洋医学では肺経が最も活発になる時間帯の不調として捉えます。
今回は、魚際と神門への鍼で朝方の覚醒がほぼゼロになった43歳男性の症例を紹介します。
✅ この記事で分かること
1.朝3〜5時に同じ時間に目が覚める原因(東洋医学の視点)
2.肺経と時間帯(気血流注・子午流注)の関係
3.魚際・神門で早朝覚醒が改善した臨床経過
4.中途覚醒の治し方として鍼灸が有効な理由
5.睡眠の質が改善した他の症例紹介
朝方早く目が覚める43歳男性の症例
こんにちは、李哲です。
今日紹介するのは簡単な鍼治療例。
2024年12月4日。
患者さんは、一人の男性、43歳。
マラソン愛好家で、非常にかっちりした体型の方です。
彼の症状は、朝方3~5時に早く目が覚める。
本人はもう少し寝たいのに、目が冷めて困るそうです。
また、3週間前に血便も出た症状がありました。

早朝覚醒(朝5〜6時)が週3〜4回 → 週2回に減少
12月4日。
当時、刺したツボは以下のとおり。
足三里、公孫、太衝、三陰交、天枢、関元、中脘、巨闕、合谷、内関、神門、魚際。
12月21日。
彼の報告:
前は週3~ 4回朝の5時~6時の間に目が覚めたけど、今週は2回だけだった。朝立ちは週3~4回まで増えた。
男性の朝たちは、女性の生理と同じように大事なサイン。その理由は、朝たちは男性の健康シンボル。朝たちがなくなったら、すぐ治してくれる医学を探すべきで説明しました。
朝の5時~6時の間に目が覚めるというので、魚際から二間へ変更しました。
残念ながら、本人は効果をあまり感じないというので、今日で一段落終わりにすることにしました。
魚際でさらに改善|週1〜2回まで減った経過
2025年4月19日。
彼は花粉症の治療のために再び来ました。花粉症の治療内容は別の記事で紹介します。本記事で話したいのは、朝早く目が覚める症状の治療。
花粉症以外に、彼はやっぱり朝3時から5時の間に目が覚めやすいみたいです。治療のために、肺経の魚際を刺しました。もちろん、ほかの花粉症のためのツボも刺しています。
魚際は魔法のようなツボ。以前、くしゃみが止まらい花粉症患者治療でも、魔法のような効果が現れました。
4月30日、5月14日もう1回来ました。
朝方目が覚めるのは、週1~2回にまで減りました。
完治の報告|トイレ以外の中途覚醒がなくなった
2025年6月4日。
彼が言うのは、朝方トイレに行く以外は早く目が覚めることはなくなった。それ以後もほかの治療を続けているけど、朝方はトイレで目が覚める以外、起きることがなくなりました。
これで朝に早く目が覚める治療は終了。
めちゃ時間がかかったように見えるけど、途中で彼が半年くらい来てないです。実際に続けて治療したのは数回しかありません。
半年後の再発と再治療|過労による早朝覚醒のぶり返し
半年ほど経った頃、彼は再び朝3〜5時に同じ時間に目が覚める早朝覚醒が起きるようになりました。 理由は明確で、仕事が非常に忙しくなり、夜寝る時間が遅くなったことによる過労が原因でした。
再発に対して、今回は以下のようにツボを調整しました。
- 血を補うツボ:三陰交・公孫
- 気を補うツボ:太淵(たいえん)
→ 太淵を選んだ理由は、彼の脈が極端に遅かったため。
フルマラソン愛好家で心肺機能が強いのは理解できますが、それでも「遅すぎる脈」は気虚のサインと判断しました。
治療は、神門・魚際を主軸に、 内関・合谷・太衝などを組み合わせて施術。
この配合で、再発した早朝覚醒も4〜5回の鍼治療で再び改善しました。
2025年12月には早朝覚醒の治療が完了し、 2026年9月の現在も再発なしで非常に安定しています。
月2〜3回の鍼灸メンテナンスを続けていることも、 安定した睡眠リズムを保てている大きな理由だと私は考えています。
治療に使ったツボ(魚際・神門)と施術画像
治療に使用したのは、魚際(ぎょさい)と神門(しんもん)、2つのツボが主力。毎回鍼をした後は、目が覚める回数が徐々に減って、そして最後はゼロになりました。
以下は当時の施術画像。




経絡と時間帯
本症例のポイントは、経絡と時間帯の関連性。
朝方3~5時は、肺経の主宰(活発)している時間帯。
この時間帯に体調不良が起きた場合、すべて肺経の荥穴(えいけつ):魚際で解決できます。喘息であろうと下痢であろうと、3~5時の間に起きる病気は、すべて魚際が司る。
中医学ではこれを気血流注(きけつりゅうちゅう)、もしくは子午流注(しごりゅうちゅう)と言います。詳細は以下をご覧ください。
「この理論は非科学的だ、信ぴょう性がない」という方がいるかも知れません。以下はもう一人の漢方医の症例です。鍼ではなくて、ただツボをマッサージするだけで治りました。
まとめ
睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に目が覚める)に対して、鍼灸は非常に効果的です。今までたくさんの患者さんの睡眠の質を変えてきました。
依存症になる睡眠導入薬を飲み続けたくない方、ぜひ試してください。
さらに、今回のように 「毎朝同じ時間に目が覚める」「朝方だけ覚醒する」 といった時間帯に偏った不調は、東洋医学では経絡の働きと深く関係しています。原因が分からず悩んでいる方でも、ツボを正しく使うことで短期間で改善するケースが多いです。
早朝覚醒は放置すると、疲労・集中力低下・メンタル不調につながることもあります。
「最近、朝方に勝手に目が覚める」「睡眠が浅い気がする」という方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの体質に合わせたツボで、睡眠の質は大きく変わります。
よくある質問(FAQ)
Q:毎朝3〜5時に同じ時間に目が覚めるのは何が原因ですか?
A:東洋医学では、朝方は肺経が最も活発になる時間帯です。この時間に覚醒する場合、肺経の不調や気血の乱れが関係していると考えます。
Q:早朝覚醒は鍼灸で改善できますか?
A:はい。魚際・神門など肺経や心の働きを整えるツボを使うことで、早朝覚醒が減るケースが多いです。今回の症例では数回の鍼でほぼゼロになりました。
Q:途中覚醒と早朝覚醒は違いますか?
A:途中覚醒は「夜中に何度も起きる」状態、早朝覚醒は「朝方に早く目が覚めてしまう」状態です。原因が異なるため、使うツボも変わります。
Q:過労やストレスでも早朝覚醒は起きますか?
A:はい。仕事の忙しさや睡眠不足で気血が消耗すると、朝方の覚醒が再発することがあります。今回の症例でも過労が原因で再発しました。
Q:薬を使わずに睡眠の質を改善したいのですが、鍼灸は向いていますか?
A:鍼灸は依存性がなく、体質改善を目的とした治療なので、睡眠導入薬を避けたい方に向いています。
睡眠の質を改善したほかの症例まとめ
🔗ADHD子供の不眠症、寝付きが悪い、食欲不振、倦怠感などを3ヶ月で治した症例

コメント