こんにちは、李哲です。
暖かくなってから、花粉症のつらい症状で悩んでいる方が多いようです。やむを得なくて西洋薬を使う人もいますが、鍼灸も効果バツグンなのでぜひ試して下さい。今日は一人の症例で説明します。
50代の男性、常連。
以下の記事にでも書いたことがあります。
彼は住まいがとても遠くて、東京に仕事で来た時にだけ鍼治療をしました。月1~2回来るときがあれば、2ヶ月に1回来るときもある。
今年、彼は来た時に話しました。
「花粉症は改善して、以前より1ヶ月遅れて症状が出て、症状も軽いです。ただし、今回はくしゃみがすごい。一回くしゃみし出すと100回くらい止まりません!」

くしゃみが止まらないのは、鍼を刺した瞬間に消える
花粉症の鼻詰まり・鼻水のために迎香穴を刺すけど、彼は躊躇していました。
「鼻に刺してくしゃみをしたら痛そうですね…(笑)」
でも、彼は踏ん張って花粉症の治療を受けることにしました。
私が刺したのは迎香、尺沢、太陽、足三里など。
尺沢を刺したので、くしゃみが止まると思ったら間違いでした。尺沢で強い響きが出たのに、くしゃみし出したのです!しかも5~6回連続で大きなくしゃみ。このままでは、本当に100回くしゃみして済むでしょう。
尺沢が効かない!
どうすればいいのか?
頭を抱えて悩んだ時、急にひらめいたのがありました。早速尺沢穴の鍼を抜いて、魚際(肺経の栄穴、属性は火)に変更。刺した瞬間からくしゃみが止まり、鍼を置いてる20分の間、1回もくしゃみをしていません。残りの90回くらい起きるはずのくしゃみ、どこかに行きましね。肩の荷が下り、ホッとしました。
もちろん、この1回でくしゃみが完全に治ったわけではない。彼がまた東京に来られたとき、引き続きの治療が必要です。
今日の鍼治療が終わって漢方茶を飲む時、彼は笑いながら話しました。
「魔法のツボで、くしゃみが消えましたね」
魔法のツボ?
確かに刺した瞬間からくしゃみが消えて、魔法使いだと思われるかも知れませんが、ごく普通のツボです(笑)
以前はくしゃみが多い原因は痰、水だと思いました。当時の解釈記事は以下をご覧ください。
臨床経験を積むことで、考え方が深くなり、今回は別の認識を持つようになりました。くしゃみの一番の原因は「火」、痰と水は二の次です。
尺沢の属性は、肺経の水。
魚際の属性は、肺経の火。
だから、尺沢を刺してもくしゃみが止まらなかったけど、魚際は刺した瞬間に効き目が出るのです。
以下は火と関連している記述。
私が魚際穴を選んだのも、この条文をパット思い出したからです。
诸逆冲上,皆属于火。诸胀腹大,皆属于热。诸躁狂越,皆属于火。
引用先:『黄帝内経・素問・至真要大論篇第74』
本ブログで何度も説明していますが、鍼は即効性に優れている。素早い治療効果を中国語で「立竿見影」だと表現します。意味は、効果が直ちに現れること。
私の経験では、特に様々な痛みと風邪の熱・咳などは鍼を刺した瞬間に改善、もしくは治ります。
以下、私が尊敬するニハイシャ先生3の鍼治療例。心臓発作の痛みがその場で治った患者さんの物語です。
西洋医学では心疾患で年間20万人が死亡4。中医学はその場で治し。鍼灸の効果は言うまでもないです。
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
- 心疾患で年間20万人が死亡するのは、まだ3年前の情報です。今はさらに増えたはず。3年前の統計情報は以下の外部サイトをご覧ください。心疾患による死亡数は年間20万4,837人 平成29年(2017) 「人口動態統計(確定数)の概況」より
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
- 心疾患で年間20万人が死亡するのは、まだ3年前の情報です。今はさらに増えたはず。3年前の統計情報は以下の外部サイトをご覧ください。心疾患による死亡数は年間20万4,837人 平成29年(2017) 「人口動態統計(確定数)の概況」より
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