こんにちは、李哲です。
意識を突然失う――現代でも原因が分かりにくい症状ですが、宋の名医・窦材は「中脘への50壮灸」でこれを治しました。古代医学の臨床例から、意識喪失に対する東洋医学の視点を読み解きます。
宋代の名医・窦材が治した「時々意識喪失」の症例
『扁鵲心書』には以下の一節が書かれています。
一人の婦人、時々気を失う症状は、すでに2日経っている。
ほかのお医者さんは、風邪だと診断し治療したけど治ってない。
中脘に50荘お灸したら治りました。

古代の「1壮灸」と現代のお灸の違い
↓以下からの内容は全部李哲の説明になります↓
古代の1荘というのは、大きさが米粒大のもぐさを、そのまま皮膚の上で燃やすこと。
50荘を燃やしたら、相当効き目があるけど、火傷になるのは想定できます。しかし、時々気を失うよりは、良いじゃないですか?
日本にはせんねん灸商品があって、素晴らしいと思いますが、一つ2つやるだけでは火力不足で、痛くも痒くもないと思います。せんねん灸で中脘にお灸するなら、なるべく大量の方がいいです。
宋の時代の有名な医学家:窦材のストーリーは、以下の日本語ページを参考にして下さい。
漢方医の頭痛灸灸扶陽命を保つ長寿 | 頭痛についての情報収集
頻繁にくしゃみをしたいよんしよ灸この中耳炎つぼ腎臓腎 | 中耳炎に
東洋医学から見た「意識喪失」の原因
脾胃の虚弱と気の上昇不足
東洋医学では、意識を保つための「清陽の気」は、脾胃で作られ上へ昇ることで頭部を養うと考えます。脾胃が弱ると気が十分に生成されず、上昇力も不足するため、頭に気血が届かず意識がぼんやりしたり、突然気を失うことがあります。
食欲不振・疲れやすさ・胃のつかえなどがある場合、脾胃の虚弱が背景にあることが多いです。
中脘が意識回復に働く理由
中脘は脾胃の中心となる要穴で、気を生み出す「胃の気」を整える働きがあります。ここを強く温めると、脾胃の働きが一気に高まり、気が上へ昇りやすくなります。結果として頭部の気血が充実し、意識が回復しやすくなるのです。
窦材が中脘に大量の灸を据えたのは、脾胃を一気に立て直すための合理的な方法だったと言えます。
中脘のお灸のパワーは、以下の記事で詳しい説明しました。参考になると幸いです。

意識喪失を治した関連症例まとめ
以下は、当院や中医学の臨床で「意識障害・意識喪失」が改善した症例をまとめたものです。高熱・感染症・外傷など原因はさまざまですが、いずれも東洋医学的な調整で意識が回復した貴重な記録です。症状の背景や治療の流れを詳しく知りたい方は、各症例をご覧ください。
🔗日本脳炎の高熱と意識障害が鍼灸で改善した症例
重度の高熱・痙攣・意識障害が続いた日本脳炎の患者が、鍼灸治療で短期間に回復した例です。
🔗漢方薬で重度の意識朦朧を回復させたペスト治療例
吐血・高熱・意識朦朧という危険な状態から、漢方薬で劇的に回復した古典症例です。
🔗高熱・けいれん後の意識障害と半身麻痺が改善した子供の症例
意識障害に加え、半身麻痺・失禁・言語退化まで起きた子供が、1週間で大きく改善した記録です。
🔗梅毒による高熱・意識障害が漢方で回復した症例
顔面の腫れ・下半身のただれ・意識障害を伴う重症梅毒が、漢方治療で改善した例です。
🔗転倒後の昏睡状態が中医学治療で改善した外傷救急例
転倒による昏睡状態から、鍼灸と漢方で意識が戻り、後遺症も残らなかった外傷症例です。

コメント