ペストの最強治療法:高熱・吐血・意識障害で死にかけた患者を4日で治した漢方薬症例

この記事は約6分で読めます。

こんにちは、李哲です。

最近読んでいる中国語版『医学衷中参西录・論鼠疫之原因及治法』。吐血、高熱、意識もうろう状態のペスト(黒死病)を、漢方薬で治した症例があったので翻訳しました。中世記のヨーロッパ人たちが聞いただけで怯えるペスト、漢方薬はどのように治したかご覧ください。

吐血、高熱、意識障害のペスト患者、4日の漢方薬で治った

福建省平潭県の友人:李健頤(1891~1967年)は当時の名医です。彼は自分の著作:『鼠疫新編』を私に送ってくれました。(無関係なところは省略)中の一つ、ペスト病を治した症例を紹介します。

患者は福建省平潭県観音井の蔡瑞春(氏名)、58歳。

当時の症状は、以下の通り。

  • 最初は悪寒、その後は高熱
  • のどが非常に渇く
  • 手足はしびれて痛い
  • そけい部のリンパ節が腫れあがって、非常に熱くて痛がっている
  • 胸は張って苦しい・吐血
  • 目が真っ赤で、意識もうろうの状態

脈診は数、舌苔は黄色。

治療法として、清胃・瀉肺・毒出し・大量の解熱剤で急いで飲ませないと、命を落とす確率が高いです。処方箋は以下の通り。

  • 荊芥 3銭
  • 連翹 3銭
  • 金銀花 5銭
  • 貝母 3銭
  • 生地黄 5銭
  • 芍薬 3銭
  • 桃仁 5銭
  • 四川の紅花 3銭
  • 紫草 3銭
  • 生石膏 2両
  • 鮮芦根 1両
  • 雄黄 1銭
  • 氷片 0.5銭

最後の2つだけは煎じなくて、粉にして煎じ薬と一緒に2回に分けて飲む。

金銀花:解熱、解毒、免疫力の強化作用がある

金銀花:解熱、解毒、免疫力の強化作用がある

2日飲んでから吐血は収まり、高熱が下がって胸が楽になりました。その後、雄黄を削除し四川の大黄5銭を入れて、胃の毒素を排出。2日飲んだあと、諸症状は全部治りました。

李哲の解釈と説明

処方箋の解釈

先に生薬の作用を説明します。

  1. 荊芥:解熱、抗炎症、抗菌
  2. 連翹:解熱、解毒、腫れ物を消す
  3. 金銀花:解熱、解毒、免疫力の強化
  4. 貝母:解熱(主に肺の熱を下げる)、咳に血が混ざるのを治す、肺を潤う
  5. 生地黄:補血することで解熱
  6. 芍薬:血の流れを良くして、瘀血を溶かす
  7. 桃仁:血の流れを良くして、瘀血を溶かす
  8. 四川の紅花:血の流れを良くして、瘀血を溶かす
  9. 紫草:解熱、解毒、血の流れを良くする
  10. 生石膏:肺と胃の熱を下げる
  11. 鮮芦根:全身の熱を下げて、利尿作用がある

荊芥:解熱、抗炎症、抗菌作用がある

荊芥:解熱、抗炎症、抗菌作用がある

組み合わせを見ると、ほとんど解毒、解熱、瘀血を溶かすもの。だから、ペスト病も短期間で完治したのです。

雄黄は加熱するとダメ!雄黄は必ず生で使う

一つの生薬だけ、追加説明します。

雄黄は寄生虫・病原菌を殺す最強の生薬。

古代の漢方医たちは、雄黄を加熱する劇薬:ヒ素に変わることを知っていました。だから、雄黄はいつも生の粉で食べて、煎じ薬として使いません。ヒ素の毒性は皆さんも分かると思います。中国は以前、ヒ素を飲んで自殺する人が多かったけど、今は入手困難のものになりました。

雄黄は心筋梗塞を治すときも使います。処方箋関連の説明は、ニハイシャ先生1の論文をご覧ください。

トリカブトは雄黄と逆です。
生で食べる物ではありません。
特別な加工をするか、もしくは煎じて毒を分解します。

トリカブトを煎じれば毒性がほとんど消える事、西洋医学も知っているけど、テレビ・メディアでは説明しないですね。逆に殺人事件に使われたと報道。偏った情報しか報道しないのが、テレビ?

トリカブトに関する説明は、以下の記事を参考にしてください。

昔の中国、ペスト病で大量の死人が出てないのは、漢方薬のおかげ

中国政府が公表している39種類の指定伝染病で、ペストは甲類(もう一つはコレラ)。2003年大半の中国を感染させたサーズ(SARS)ですら、甲類ではなくて乙類です。

類を見ない速い伝染スピード・高い致死率は、ほかの伝染病と一線を画する。新型コロナよエボラ出血熱よ、ペストと比べたらみんなかわいいものです。

14世紀のヨーロッパ、3分の1の人口(約5000万人)がペスト病で死にました。歴史上、こんなに死亡者数を出した伝染病は、指で数えるくらいです。

14世紀のヨーロッパで、ペスト病を予防するために作られた防護服

14世紀のヨーロッパで、ペスト病を予防するために作られた防護服

中国古代もペスト病が流行ったけど、ヨーロッパみたいな大惨事にはなってないです。地理環境・天候などの影響もあるけど、欧米と決定的な違いがあります。中国は大勢の漢方医たちがいる!

中国政府が成立する前の旧中国(清朝)。
ペスト病が流行ったのは、何回もありました。
たとえば1894年の広州。当時の新聞社『申報(しんぽう)』が報道したのは、「飲み会が終わる頃に急死、さっきまで普通に話したのに急に意識不明…街には泣き声が絶えない…棺おけを作る職人は24時間フル稼働しても、製作が間に合わない。」

当時の不完全統計情報によると、短期間での死亡者数は11万人。最初は漢方医たちが治療しても10人に9人が死んだけど、正しい処方箋を見つかってから迅速にボツ滅しました。

ペスト病を治せるのは漢方薬

上記の症例は、1920年代、漢方医が無数の患者さんを救った中の一人。意識障害まで起きている末期のペスト、それでも漢方薬で救って来られたのです。

西洋医学の抗生物質・抗菌薬は、ペスト病の初期には有効です。しかし、間に合わなくて後期~末期になったら、抗菌薬はちっとも効果がありません。救えるのは漢方薬のみ!(鍼灸でペスト病を治した論文は探した次第、また翻訳します)

伝染病は漢方薬・鍼灸で治すべき

新型コロナ、インフルエンザなど伝染病が流行るとき、たくさんの人たちは恐怖でビクビクする生活を送っています。その原因は、病気の原因が分からない・治療法があることを知らないからです。

たとえば狂犬病、発作したら100%死ぬと言われ、真相を知らない人たちは狂犬に噛まれたら、もう死ぬしかないと思うでしょう。お灸と漢方薬で狂犬病が治るのに、知らない人が多いのは残念でしかたないです。

世界最強、最悪の伝染病:ペストでも漢方薬で治るのに、なぜ伝染病を怖がるでしょうか?

伝染病を怖がらないで下さい。
心配だったら、有能な中医学先生に聞くべきです。

「中医学には関連の治療法がないのか?」

中医学は5千年の歴史もあるので、記録されてない病気なんかありません。治した症例も山ほどあります。(ワクチン・西洋薬の後遺症はもちろん記録されてない)

西洋医学?
現代医学は200年の歴史しかありませんよ。

200歳と5000歳の人。
あなたは、どちらの経験談を聞くべきだと思いますか?

(おわり)

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました