こんにちは、李哲です。
スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師1の漢方薬治療例、三歲小孩高燒驚厥後,右手腳失調,語言能力退化 – 當張仲景遇上史丹佛(2020-2-28 発表)を翻訳しました。髄膜炎・脳炎に似てる症状:半身麻痺・話す能力が低下したのを改善した内容です。ついでに、高熱・けいれん・意識障害はほとんど西洋薬の副作用だと説明しました。
高熱、けいれん、意識障害後に、右手足の失調症、言語運用能力が退化、大小便失禁になった子供
この1ヶ月、昼間は診療所の仕事、夜は新型コロナ治療の指導を掛け持ちしたので、非常に疲れました。症例を書く暇なんてなかったです。
現在、河南省通許県人民医院の新型コロナ患者はすべて退院。私も暇ができて症例を書けるようになりました。
今回の患者さんは3歳の男の子。今年の始まるとき、高熱と意識障害で右半身がけいれんし、大小便失禁、目は右側につり上がり、右手足は運動不能、言葉が話せなくなりました。

西洋医学の検査では原因不明
けいれんが終わって意識が回復したら、1時間後にまた再発して30分位けいれんし続け、急いで救急車で病院に行ってCT・EEG(脳波測定)・MRI・腰椎穿刺・血液検査をしました。
●EEG検査で、左右の脳波が少し違う。
●MRIでは、左右の脳が少し違うだけ。
●CT、血液検査、腰椎穿刺はすべて正常。
脳炎とウィルス感染の可能性は排除され、病気は原因がわからないままです。
リハビリと漢方薬を併用しているけど、効果は薄い
子供は20日間入院してから退院し自宅療養中。子供の親は黄耆桂枝五物湯を飲ませました。そして、おもちゃでリハビリテーションをして、右足は進歩したけど、左足と比べるとまだ差が大きいです。
右手の進歩は僅か。持ち上げるのはOKだけど、握ることができない。細かい作業ができないし、空間認識能力も悪いです。
言語能力は停滞したまま。何か話そうとしているけど、発音がはっきりしない。たとえば、「パパ」の発音が「DaDa」になる。子供の話す内容は、大人がほとんど推測で理解しています。
子供のほかの症状は、尿漏れがある。「トイレに行きたい」自己意思の表現ができません。
オンライン診察が嫌な理由
初診は2月19日、インタネット経由のテレビ電話でした。
正直に言って、私はテレビ電話の診察が嫌いです。中医学の「望聞問切」の診察法で「問」しかできない。そして、当地の生薬の品質が悪い。必要な生薬が買えないときもあります。
インタネット経由の診察は、得られた情報が少なく治療効果が悪いやり方。しかし、患者さんは中国深センにいて、新型コロナの影響で病院に行くことすらできません。また、子供の親は、このままだと子供の言語能力がダメになると非常に心配していました。
中医学の診察と処方
どうしたら良いですか?
テレビ電話で質問するしかないです。
得られた情報は、上記の僅かなもの。ほかには舌診ができたことです。舌苔は白で分厚い、ベロは広くて大きい、厚くはなかった。
半分は自分の治療経験、半分は直感で処方しました。
葛根、桂枝、芍薬、生姜、炙甘草、なつめ、白朮、茯苓、豬苓、澤瀉、炮附子(加工したトリカブト)、麦芽糖。
言語能力、尿もれ、運動能力など予測以上に進歩
2月27日、テレビ電話での再診察。
予測以上に進歩しました。
- ハッキリ「パパ」が言えるようになった
- 以前習った歌が、再び歌えるようになった
- 右足で跳ねることができて、右手の活動能力が増えて左手と共同作業ができる
- 尿漏れする前、「トイレに行きたい」と言えるようになった
言わなくても分かりますが、白い舌苔はだいぶなくなり、舌根部に少し白いだけ。太ったベロも収縮して、以前みたいに大きくなってない。
中医学の治療効果は皆さんの想像以上
今度の新型コロナの漢方薬治療で、たくさんの人は中医学の凄さに驚き、中医学が現代社会での価値を見直せるようになりました。
本当の事を言うと、中医学が治療できるのは、皆さんの想像以上です。西洋医学は謙虚に中医学を見習うべき。
新型コロナが収束したら、また中医学をどこかに捨てて、中医学を踏み倒していじめたら、次の伝染病のとき甚大な被害は新型コロナ以上になります。
李哲の解釈と説明
以下の記事で説明しましたが、風邪を引いて高熱が出る人は免疫力・体力が強い人です。(ほかの病気の場合、体力がない人でも高熱で意識不明になるので、一概に高熱=免疫力強いと間違わないでください。)
子供は基礎体温が高い=免疫力が強いので、39度~40度の高熱になる確率は大人より遥かに高いです。高熱を出しても平気にご飯を食べる、おもちゃで遊ぶ子供も少なくありません。
それでは、なぜ高熱のあとにけいれんを惹き起こし、意識障害になったのか?上記の子供は、きっと何かの西洋薬を飲んだと思います。たとえば解熱剤。以下の記事で詳しく説明しているので、参考になると幸いです。
李宗恩博士の治療例を見ると、子供に小建中湯を使う比例が非常に多いです。
小建中湯はどんな症状・病気を治せるのか?
簡単に説明すると、食欲不振の症状があれば使えます。
白血病で体がだるい・食が細い?
OK、小建中湯が使える!
B型肝炎、C型肝炎で食欲不振?
OK、小建中湯が使える!
漢方薬は病名で処方するのではなくて、自覚症状を根拠にして処方する医学です。もちろん、小建中湯だけで上記の病気が治る意味ではありません。小建中湯をベースにして、ほかの処方を加えてアレンジする必要があります。詳しいのは信頼できる漢方医に尋ねてみて下さい。
以下はニハイシャ先生の治療例。小児麻痺の子供が、漢方薬を飲んでから麻痺した足に力が戻って、英語が上達してニハイシャ先生よりうまくなったと自慢話した内容です。余談話ですが、小児麻痺はワクチンの副作用。西洋医学では、小児麻痺を治す薬もありません。
李宗恩博士の治療例を含み、ほかの漢方医・鍼灸医の症例を翻訳するのは、皆さんに知ってもらいたい事があるからです。
中医学が治せる病気は、あなたの想像以上に多い!
新型コロナはもちろん、様々な重病・難病で治療効果が優れています。
(おわり)
李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
↩︎倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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