コレラの治療法:漢方・鍼灸で治した例を分析します

この記事は約3分で読めます。

こんにちは、李哲です。

コレラだと皆さんは恐ろしい伝染病を思い出すでしょう。有効な治療法がなくて、たくさんの死人が出る怖い病気…以下は日本WHOの統計情報。毎年、相当の人がコレラで死んでいます。

  • コレラは急性下痢性疾患で、治療せずに放置すると数時間以内に死に至ることがあります。
  • 研究者らは、毎年 130 万~ 400 万例のコレラ症例が発生し、コレラにより世界で 21,000 ~ 143,000 人が死亡していると推定しています

引用:コレラ | 公益社団法人 日本who協会

中医学しかなかった昔、コレラに対して有効な治療方法があったのか?『古今医案按』(清・兪 震 著、1778年発刊)にはコレラの治療例があったのでご紹介します。

以下の図は、中国語の原文をスキャンしたもの。


これを見ると、喉がとても渇く時に五苓散ごれいさんを処方し、その後はほかの生薬を追加したり、全然違う処方箋を使ったりしています。

途中で丹田(つまり気海穴)にお灸をたくさんしたら、縮まった陰のうが少し戻り、冷たくなった手足が少し暖かくなった。その後は附子理中湯ぶしりちゅうとう。その後は、喉が熱くてたまに昏睡状態だったので、竹葉石膏湯ちくようせっこうとうで完治。附子理中湯ぶしりちゅうとうの使用例は以下の記事もあるので、どうぞご参考にして下さい。

この治療例は、漢方薬とお灸の併用でコレラを治した例です。コレラは昔からある伝染病で、現代のものではない。

2000年前に書かれた『黄帝内経こうていだいけい』には、すでに「霍乱」(現代でいうコレラに近い)が書いてあったので、コレラはおそらくもっと前からあったと思います。

中国の昔は、コレラで死んだ人はもちろんたくさんいました。
理由の一つは、飲用水の汚染(不衛生)。
もう一つは、治療ができる漢方医が少なくて。

中国でたくさん死人がいるから、中医学で治療ができないことではない。昔は情報伝達が乏しかったので、治せる方法を知らなかっただけです。他の例をあげますが、狂犬病だと発作したら100%死亡だと言います。しかし、中医学の漢方薬・鍼灸は治せるのです。詳細は以下をご覧ください。

今はコレラと言われたら、すぐ隔離されて西洋医学の治療を始めます。中医学の治療を求める患者さんがいても強制的に隔離される。なので、私はコレラ患者さんを治療した事がありません。

治したことがないのは、治せない意味ではない。
鍼で治療する場合は、以下のツボを考えます。
足三里。上巨虚。内関。天枢。関元。公孫など。特に公孫と内関の組み合わせは、激しい嘔吐.吐き気などにとても有効です。以下は一つの症例、参考にして下さい。

お灸はもっと強力なパワーがあるので、鍼をする同時にお灸をします。お灸の場所は「神阙(へそ中を指す)」。

コレラの死亡率が高いのは、猛烈な嘔吐と下痢で、わずか数時間でも脱水状態になって死ぬからです。

へそにお灸をすれば身体が全体的に暖かくなり、下痢が止まります。鍼をすると吐き気と嘔吐が治り、腸の働きも良くなってくる。漢方薬があれば更に良いですが、鍼灸しかない場合は、以上の方法で対策になると思います。漢方薬で激しい嘔吐を治した例が1つあるので、どうぞご参考にして下さい。

最近見たネットニュース。
イエメンではコレラで1000人死んでいる。その半分以上が子供。本当にお気の毒です。

www.afpbb.com

コメント

タイトルとURLをコピーしました