こんにちは、李哲です。
コレラだと皆さんは恐ろしい伝染病を思い出すでしょう。有効な治療法がなくて、たくさんの死人が出る怖い病気…以下は日本WHOの統計情報。毎年、相当の人がコレラで死んでいます。
- コレラは急性下痢性疾患で、治療せずに放置すると数時間以内に死に至ることがあります。
- 研究者らは、毎年 130 万~ 400 万例のコレラ症例が発生し、コレラにより世界で 21,000 ~ 143,000 人が死亡していると推定しています
中医学しかなかった昔、コレラに対して有効な治療方法があったのか?『古今医案按』(清・兪 震 著、1778年発刊)には、コレラの治療例があったのでご紹介します。
以下の図は、中国語の原文をスキャンしたもの。
これを見ると、喉がとても渇く時に五苓散を処方し、その後はほかの生薬を追加したり、全然違う処方箋を使ったりしています。
途中で丹田(つまり気海穴)にお灸をたくさんしたら、縮まった陰のうが少し戻り、冷たくなった手足が少し暖かくなった。その後は附子理中湯。その後は、喉が熱くてたまに昏睡状態だったので、竹葉石膏湯で完治。附子理中湯の使用例は以下の記事もあるので、どうぞご参考にして下さい。
この治療例は、漢方薬とお灸の併用でコレラを治した例です。コレラは昔からある伝染病で、現代のものではない。
2000年前に書かれた『黄帝内経』には、すでに「霍乱」(現代でいうコレラに近い)が書いてあったので、コレラはおそらくもっと前からあったと思います。
中国の昔は、コレラで死んだ人はもちろんたくさんいました。
理由の一つは、飲用水の汚染(不衛生)。
もう一つは、治療ができる漢方医が少なくて。
中国でたくさん死人がいるから、中医学で治療ができないことではない。昔は情報伝達が乏しかったので、治せる方法を知らなかっただけです。他の例をあげますが、狂犬病だと発作したら100%死亡だと言います。しかし、中医学の漢方薬・鍼灸は治せるのです。詳細は以下をご覧ください。
今はコレラと言われたら、すぐ隔離されて西洋医学の治療を始めます。中医学の治療を求める患者さんがいても強制的に隔離される。なので、私はコレラ患者さんを治療した事がありません。
治したことがないのは、治せない意味ではない。
鍼で治療する場合は、以下のツボを考えます。
足三里。上巨虚。内関。天枢。関元。公孫など。特に公孫と内関の組み合わせは、激しい嘔吐.吐き気などにとても有効です。以下は一つの症例、参考にして下さい。
お灸はもっと強力なパワーがあるので、鍼をする同時にお灸をします。お灸の場所は「神阙(へそ中を指す)」。
コレラの死亡率が高いのは、猛烈な嘔吐と下痢で、わずか数時間でも脱水状態になって死ぬからです。
へそにお灸をすれば身体が全体的に暖かくなり、下痢が止まります。鍼をすると吐き気と嘔吐が治り、腸の働きも良くなってくる。漢方薬があれば更に良いですが、鍼灸しかない場合は、以上の方法で対策になると思います。漢方薬で激しい嘔吐を治した例が1つあるので、どうぞご参考にして下さい。
最近見たネットニュース。
イエメンではコレラで1000人死んでいる。その半分以上が子供。本当にお気の毒です。
漢方医もしくは鍼灸医がいれば、死亡率がぐっと減るはずなのに…しかし、鍼と漢方薬で治ることが広がったら、西洋薬も売れないし、ワクチンも売れないし、西洋医学の先生も失業するから困る人たちがいっぱいいます。
どうしたら良いですかね?
(おわり)
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