こんにちは、李哲です。
ニハイシャ先生1の弟子:張孟超先生2の治療例、【血癌案例】を翻訳しました。
白血病を2ヶ月で治したついでに、病院の白血病治療薬:ニロチニブで心不全になった諸症状、幼いときかかった腎炎のせいで尿が我慢できない…などの症状も著しく改善した治療例。参考になると幸いです。
白血球が6万の白血病患者、ニロチニブで心不全になった
初診、2008年11月11日。
J.Lさん、53歳。男性。
2008年1月、病院で白血病だと診断されました。当時の白血球は6万。
3月から飲んだ第二代白血病の薬ニロチニブ(nilotinib)の副作用で心不全になりました。3年間で約10人の患者がニロチニブを飲んで、急性心不全で死亡。
ニハイシャ先生が言うのは、心臓は7つの癌と関係があります。西洋医学は白血病と心臓の関連性が分からない、逆に心臓を傷つける。
注:99.99%の白血病患者さんが飲むのは、第一代薬グリベック(gleevec)。
数週間前、患者さんは副作用に耐えられなくて、薬を飲むのを止めました。ニロチニブを7ヶ月飲んでいる間に3回骨髄検査をしました。
白血病になる前に飲んだ薬は、
- 鎮痛剤:ナプロキセン(naproxen)5年服用
- 胃酸を下げる薬:ファモチジン(famotidine)3年服用
- コレステロール下げる薬:ゲムフィブロジル(gemfibrozil)3年服用
今日診察に来て自覚症状は、
- 胸が苦しい
- 胸から背部まで痛い
- 心臓がドキドキする
- パニック障害(panic attack)で車運転ができない
- 胃酸逆流
- 視力がぼやけて見えない
- 四肢の関節痛もある
- 手足は氷みたいに冷たい
- 汗はかかない
- 情緒不安定
- たくさんの温水を飲むので喉は渇かない
- 大小便と食欲は良い
- 朝たちがない
- 睡眠は悪くてよく目が覚める
※舌診では、舌苔が薄くて白、周りには歯痕がある。髭は少ないけどまだありました。
耳の反射区検査では、心臓の反射区(+++)。胸椎の6,7番に圧痛あり。腹診では、みぞおちあたりが硬くて温度が低い。手は触ったら氷みたいに冷たかったです。
※診断:
胸痺。
少陰虚寒症。
処方箋:
四逆湯+枳實薤白桂枝湯+旋覆代赭湯+加工した附子(漢唐の生のトリカブトを焼いて使った)+瘀血を取る生薬。
漢方薬治療後の様々な改善点
以下からは患者さんの自覚症状の変化、そして中医学の解釈を書いてあります。
治療1ヶ月後:胃酸逆流・夜間頻尿は治り、動悸は95%治った
2008年12月9日。
胃酸逆流は治りました。心臓のドキドキは、5%しか残ってない。自分で車運転して診療所まで来れました。胸痛は減ったけど、背中の痛みはまだある。硬い食べ物を食べた時、心臓が痛い。手足は暖かくなり、首と肘はまだ重だるい。大便は1日2回、柔らかいほう。
T6とT7の圧痛は減ったけど、まだ少し痛い。睡眠は良くなり、朝までぐっすり寝れる。夜間頻尿は治りました。1週間に2回朝たちがある。
※処方箋は変えず、烏頭蜜を追加。毎日5g。
(生の川烏を電子レンジで乾かして炮川烏にしました。市販のは胆肥を入れているので、胆肥は中毒性があって肝臓と腎臓に悪いです。)
当時、私が思ったのは、これでも力が足りなかったら、次回は生の烏頭蜜を使うつもり。
ニハイシャ先生が言うのは、烏頭はトリカブトよりも、関節の中に入れるので、寒気を取り除くのは得意。でも、陽気を救って緊急救命の時は、生のトリカブトじゃないとダメ。だから、四逆湯に生のトリカブトを使う。加工したトリカブトは、腎臓の陽気を強化できて、余分な水が排出できる。だから、真武湯に加工したトリカブトを使います。
治療1ヶ月1週間後:手足が暖かくなり、心臓が苦しいのは治った
2009年12月16日。
- 胸と心臓が苦しいのは完全に消えました
- 胸から背中まで痛いのは緩和
- ドキドキするのはまだある
- 手足は暖かくなり、喉は渇くのは改善した
- 硬い食べ物を食べても、心臓が痛まなくなった
- 食後にはしゃっくりがある
彼は突然、「ほかの持病も治してくれないか?」と質問がありました。ほかの持病を相談する時は、もとの病気が良くなった事です。
彼が言うのは、小さい時に慢性腎炎になり、頻尿で尿が我慢できない。あまり我慢すると、下のお腹から何かが上がってきて、胸がとても痛くなる(これは『傷寒雑病論』でいう「奔豚」)仕事は郵便配達で、すごく不便だそうです。
腹診:
へその上と下、両方動悸がある。
みぞおちあたりは硬い。
処方箋:
四逆湯+枳實薤白桂枝湯+旋覆代赭湯+炮附+烏頭蜜 <每日炮川烏含量7g>+桂枝20g+茯苓20g
治療1ヶ月3週間後:白血病は治り、白血球が6千に戻って、心臓がドキドキするのも治った
2009年1月6日。
- 動悸(心臓がドキドキする)は完全に治った
- 頻尿は改善したけど、まだ我慢できない
- 下腹から何かが上がってくる感じはまだあり、四肢の関節痛はまだある
- 1週間に4回朝たちが出てきた
- 体力は前よりだいぶ良い
- ひげ剃りは1回した
奔豚は桂枝加桂湯で治療。ニハイシャ先生の曰く、桂枝ではなくて肉桂が正しい。【余無言医案】を参考にして下さい。
患者のT6とT7の圧痛は完全に消えたので、私は彼に話しました。
「あなたの白血病は治っています。病院の血液検査など、受けてみても良いですよ。」
注:2009年2月16日、病院の検査では白血球が6千。正常値は4千~8千。
患者さんの主治医は、「抗がん剤をやらないと3ヶ月以内で必ず悪化する」と脅かしました。骨髄検査も要求されたけど、患者さんは賢くて漢方薬を信じている人。
患者さんは主治医に言いました。
「抗がん剤を止めて3ヶ月も経っています。今は血液検査が正常だけではなく、体の調子がとても良い。私は絶対骨髄検査と抗がん剤はやりません。」(みんな彼みたいになれば良いですね)
今の治療項目は、抗がん剤でやられた心臓を修復して、ほかの持病を治すこと。
処方箋:
桂枝芍薬知母湯+烏頭蜜<每日炮川烏の量は7g>+清華桂(最上等の肉桂)3gを粉末にして、2回に分けて飲み込む。(倪海先生が言ったけど、普通の肉桂は無効)。
治療2ヶ月後:尿が我慢できないのは大幅に改善した
2009年1月13日。
尿が我慢できないのと何かが上がってくる症状は、この20何年で初めて大幅に改善されました。心臓に違和感ある、少しドキドキして、心臓が落ち着かないのは8%戻った。これは芍薬のせいです。ニハイシャ先生の曰く:胸が苦しくて心臓が痛いときは、芍薬を使わない。
胸痛と背中の痛みは緩和したけど、完治にはなってない。
処方箋:
前回の処方箋から芍薬を削除。同時に烏頭赤石脂丸(丸薬にするのは、病気の所に長く止まれるから)。胸と心臓が痛いときに5~10粒ベロの下に飲んで下さい。他には関元穴にお灸をする方法も教えました。
その後の処方箋は、四逆湯+枳實薤白桂枝湯+桂芍知母湯去芍藥+烏頭蜜<每日炮川烏含量7~12g>+清華桂で変更。同時に烏頭赤石脂丸を服用。
鼻のアレルギー(毎年春には必ず再発)は、辛夷、石菖蒲、蒼朮を追加(ニハイシャ先生の鼻を治す常備薬)
治療3ヶ月1週間後:心不全の胸痛は完全に治っった
2009年2月17日。
胸痛は完全に治りました。
背中の痛みは少し残っている。
関節痛はまだあり、髭は多くないです。
ニハイシャ先生が言うのは、髭は精子の代謝物。もし精子が逆流してリンパ、血液、骨髄に入るとリンパ癌.白血病.骨髄癌になります。髭が多い時は心臓の機能が良い事を示す。精子の代謝物が、ちゃんと皮膚まで送られて髭になるから。
長年の病気で腎臓が弱くなっています。
腎臓は骨と骨髄を司る。
処方箋には「漢唐班竜丸」を追加して、督脈と骨髄を補い、最後の体力補充をしようと思いました。
中の病気が外に完全に出てきて、全部の治療が終わり!
2009年2月24日。
諸症状は良い。
髭も増えてきて、四肢の関節痛は軽減。また、患者さんが言うのは、「痛みが中から外に出て、手首の下だけ痛みが残って、毎日朝たちがあります!」
※耳の心臓反射区、血液点は圧痛ない。
T6とT7は完全に痛みがなくなった。
昨日、風邪っぽい症状がある。汗が出て頭痛筋肉痛、透明な鼻水が出る。
これは朗報です。
病気が外に出ているので、桂枝湯だけでいい。
処方箋:桂枝湯そのまま。
学生 孟超 2009年3月2日 報告。
倪海厦(ニハイシャ)先生の評価
上に書いた烏頭は「川烏頭」です。現在、中国で使っている烏頭は、川烏頭と草烏頭の違いが分からない。「草烏頭」は、ケガで骨折した時に使う劇毒物なので、昔から内服していません。
私たちが使うのは、正規な「川烏頭」。この川烏頭は、救命に大事な生薬で特にリウマチを治す時には不可欠です。正しい川烏頭の使い方が分からない中医師は、リウマチが治せません。
上に書いた治療例、孟超はたくさんの毒性がある生薬を使っています。例えばナマのトリカブト、烏頭など。そして、彼の正しい使い方で、重病人を救って来れたのです。
世の中の開業医たち、良心的な話を聞かせてください。
あなたは上記の治療できますか?
もしできないなら、邪魔をしないで下さい。
中医学の宣伝は私たちに任せて。
温病派のニセモノ中医師たち、あなた達が上に書いた生薬が使えないなら、図々しく中医学の業界の体表者にならないで、私たちの邪魔ものです。
譲って下さい。
我々経方家が西洋医学に対抗します。
我々が西洋医学に対抗するのは、中医学宣伝が第二の目標。第一目標は、切迫の理由があります。それは、患者さんを救うこと。
死ななくてもいい白血病、西洋医学のデタラメ治療で、無数の患者さんは命を落としています。しかも、患者さんは死ぬ前に膨大な医療費を払って、苦しみながら死んでいく。
病気を治せない温病派の中医師たち、あなた達の心は安らかですか?
台湾衛生署の漢方薬委員会の主任:林宜信から始め、あちこち温病派の中医師が邪魔している。あなた達は西洋医学の尻にくっつく虫。
このようなダメ中医師が多い環境で、優秀な中医師が生まれると思いますか?
私は自分の知識を人紀として後世に残しました。幸いにたくさんの台湾と海外の中医師が、我々のチームに入ったこと。将来には超強い経方家が皆さんの周りに現れると思います。
徐々に経方の理論が、温病派の理論の代わりになるでしょう。真理が抹殺されるなんて、私は信じません。
良心的な温病派の中医師たちは、我々経方のチームに参加して下さい。間違ったもので、自分と患者さんを傷つけるのは止めて。人間の命はお金で買えません。
経方家の我々を怒らせた場合、あなた達には一切得がない。ある日、あなた達の親族.友人がこのような重病になったとき、あなたはどうしますか?
経方家の私たちに任せるか?
西洋医学に任せて、ギロチンまで送り出しますか?
よく考えて下さい!
李哲の解釈と感想
専門的な処方箋の名前、そして中医学の理論が出ているので、素人の皆さんは頭を抱えるかも知れません。なるべくわかりやすい言葉にしようと思いましたが、日本語レベルの問題で(-_-;)
記事を簡単にまとめると、白血病の診断基準、治療方向、そして治療の処方箋を書いてあります。途中での複雑な中医学の解説は、興味がある方の勉強にはなると思います。
ニハイシャ先生は以前話した事ががるけど、生のトリカブト(生附子)がなかったら、白血病は治せない。
外苑前の古くからある漢方薬局:『五行堂』に聞いたら、日本の漢方薬局には生のトリカブト(生附子)がないそうです。日本にあるのは、加工したトリカブト(炮附子)だけ。つまり、日本には白血病を治せる漢方医がいない事です。
トリカブトの中医学知識は、以下の記事が参考になると思います。
漢方薬で白血病を治したいなら、海外に行ってください。ニハイシャ先生の弟子たちが集まっている『台北漢唐中医診療所』がお薦めです。
私は臨床で白血病を診たことがありますが、1回しか治療してないので継続観察がないです。ただし、家族からの報告を聞く限り鍼の効果はある。将来的に白血病の治療例がありましたら、また自分の言葉で解釈したいと思います。
皆さん一つだけ覚えてください。
白血病は中医学にとって、不治の病ではありません。
白血病だと診断された時、慌てて西洋医学の治療を受けるのではなく、先に副作用がない中医学の治療を受けてみて下さい。
中医学の治療を受けてダメだったら、また骨髄移植.抗がん剤などやってもいいじゃないですか?
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
- 張孟超先生はアメリカの開業医です。張孟超先生の診療所住所・電話番号などは倪海厦(ニハイシャ)先生の弟子たちの、世界各国診療所情報を紹介します。をご覧ください
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