パニック障害、病院の治療だと抗不安剤。これは対症療法で一時的に抑え込むだけで、根本的な治療にはなりません。死ぬまで副作用だらけの薬を飲む必要があります。
それでは、副作用なしで有効な治療法があるのか?
もちろんあります!
中医学の理論では、パニック障害・不安障害などは心臓が原因なので、心臓を強化する治療法であれば治せます。今日は私の施術例で説明します。治療期間が長くて、いろんな症状・原因の解釈があるので、記事も長くなりました。参考になると幸いです。
10年以上のパニック障害で、怖くて電車にも乗れない女性
こんにちは、李哲です。
今日は足つぼでパニック障害を治した例です。
患者さんは40代の女性。
主な症状は以下の通りです。
- パニック障害10年以上
現在、不安障害を治すアナフラニール を1錠飲んでいる - 子宮筋腫で8年前に腹腔鏡手術し、現在は観察中。
現在の子宮筋腫は、2cmが5~6個ある
パニック障害で10年前までは怖くて、電車にも乗れなかったそうです。

パニック障害で電車にも乗れないのは、足ツボ整体で治せる
今もたまにパニック発作します。特徴としては、怖くなる前に手足が冷えてきて、その後は心臓がドキドキする。
問診で分かるのは、
- 便秘と下痢を繰り返す
- 生理前は下痢
- 4日に1回の便通がある
- 冷え症は小さい時から
- たまにのぼせる感じがする
半年前から腸のためにヨーグルトを食べ始めたけど、便通が良くなった感じはしないそうです。ヨーグルトで便秘症を解消する方は多いみたいけど、テレビは信じるものではありません。乳製品はプラスよりマイナス点が大きい。以下は李宗恩博士1の翻訳文、参考になると思います。
彼女は1ヶ月前に健診した時、「筋腫がある」と言われました。当時、生理中に血の塊が出ていたので、彼女本人も筋腫がまだあるのを分かっていたそうです。ただし、血の塊が出きらず生理が終わった。
- 生理前はイライラしやすくて、下腹部がパンパンに腫れて、むくむ。
- 体力はない。
- 頑張るとエネルギーが全くなくなり、動けないことがある。
それ以外にも自覚症状がたくさんありました。
施術してから、患者さんの自覚症状の変化と中医学の解釈
彼女が受けたのは、足つぼ40分。途中で整体20分も付けてみたけど、逆に辛くなったので、足つぼだけにしました。施術の間隔は、2週間~1ヶ月に1回。
以下は施術してからの自覚症状の改善と、その解釈です。
足つぼ1回だけで、足と上半身が暖かくなった
1回目の足つぼを受けたあと、彼女の感想は「両足がじんわり温かくなり、上半身も暖かくなった」
2週間後に来て報告したのは、「前回帰宅後に小便がたくさん出て、すっきりした感じ」
1ヶ月半後に来て報告したのは、「昨日またパニック発作して西洋薬で抑えた」
発作原因は疲れているのに無理して外出し、外で呼吸困難になった。それ以外は調子いい。今日は電車で、騙し騙しで本院まで来たそうです。
以上のことで分かりますが、内臓の調子はまだ弱いと判断できます。
尿の色が透明色→薄い黄色。大便にも野菜が出なくなった
2ヶ月半後、彼女が報告したのは、パニック障害は安定している。常に持ち歩いている西洋薬も要らなくなりました。小便が透明色から薄い黄色になった。これは体内の冷えが、減っているのを証明します。
大便にも食べた野菜など入ってない。
前は消化しきれてない野菜が入った。
胃腸の働きが良くなったので、大便には野菜が出なくなりました。
いつもの生理が出きってない感じがなくなり、今は生理がたくさん出ている。
冷え性が改善し、便通の回数が増えたけど、人と目線が会うのが怖い
半年後、彼女が報告しました。
「チラチラ周りの人を見る時があって、目玉が勝手に動く。まぶたがとても重い感じで、まばたきが多くて、人と目線が会うのが怖いです。小さい時からこんな感じで、なんでこうなっているかも分からないです」
1年2ヶ月後、彼女が報告したのは、最近の便通は4日に1回。昔は2~3週間に1回の便通だったから、今はマシ。
便秘は女性の方に多く見られる症状です。便秘がひどい患者さんでも、足ツボ整体を受けてから著しく改善されます。以下はもう1人の症例、詳細は以下をご覧ください。
睡眠の質は良い。
昔と比べたら、仕事してもあまり疲れなくなった。
昔は帰宅後、何もできなかったけど、今は機敏に動ける。
昔は冷えている自覚もなかったけど、今は分かるようになった。そして、冷えも前よりマシになりました。
パニック障害は治って、電車に乗るのも怖くない。冷え性も治り、「スカートがはけて超うれしい」と言った
1年4ヶ月後に来た時、彼女が報告しました。
「パニック障害はもうないです。電車に乗るのも怖くないです!ただし、人と目線が会うのは、まだ怖い。。。」
この前から、生姜湯を飲み始めた時は、4日に1回は便通があったけど、最近は便通が週1回。「生姜湯を飲み続けたら、冷え症がだいぶなくなって、スカートもはけるようになって超嬉しい!今までの自分にとってはあり得ない!」と彼女は喜んでました。
冷え性の方に黒糖生姜湯はとてもオススメな飲み物です。なぜ冷え性に良いのか、具体的に解釈したのは以下の記事です。
ガスがたまるのは、8年前の手術が原因
2年4ヶ月後、彼女が報告したのは、「最近は便通が1日おき、もしくは毎日1回。調子が良いです!」と喜んでました。
通い始めた時は、パニック障害だけ気になっていたけどほとんど治って、今はお腹にガスがたまるのが気になる。
私は彼女に教えました。
「8年前の腹腔鏡手術で、子宮筋腫を取ったのが原因です」
西洋医学の手術は、どんなに精密な機械でも開腹行為は腸に傷つけるので、腸がくっつきやすいです。だから、手術後の腸捻転・腸閉塞症が多いわけ。すぐ発作しなくても何年か後に、腸が癒着しておかしくなります。開腹手術後に腸が癒着した方、私は今までたくさん見てきました。
▼2019-05-22追加内容:
手術すると癒着が起きるので、必ず後々になって問題が起きます。経絡が切られているので、鍼灸治療を受けてもなかなか治らないのが頭痛いです。以下の記事で説明しました。
パニック障害の原因は、心臓と胃腸にある
2年ちょっとの期間。
約30回の施術で、彼女の体調はだいぶ安定しています。
彼女はなぜ人の目線が怖いと言うのか?
なぜパニック障害・不安障害になっているのか?
原因は心臓と胃腸の問題です。
彼女の場合は、冷え症と便秘が原因。
心臓が弱いと冷え性になり、不安になる
中医学の理論では、【心蔵神】と言います。精神の「神」です。
心臓が強ければ精神も安定して、不安などありません。心臓が弱くなったよくある自覚症状は、手足の冷え・マイナス思考・落ち着かない。

冷え性は心臓が原因
心臓が弱くなった原因は、いろいろあります。
- 小さい時に飲まされた西洋薬、打たれたワクチン
- 大人になってからの良くない食事、運動不足、西洋薬、過度な精神的ストレス(心労)…など
彼女の冷え症は、足つぼと生姜湯などでだいぶ良くなり、スカートもはけるようになりました。
人の目線が怖いのは、胃腸が弱いから
『黄帝内経』には、陽明経の病気を表現するとき、面白い言葉がありました。
足陽明之脈病,悪人与火,闻木音则惕然而惊,钟鼓不为動,闻木音而惊。
引用元:『黄帝内経・素問・陽明脈解篇第三十』
直訳すると、陽明経の病気は人と火を嫌がる。鐘の音はびくともしないけど、木の音を聞くとびっくりするする。
陽明病と言うのは、主に消化系(胃腸)の病気です。便秘症も含んで。今まで便秘症の患者さんはたくさん診てきたけど、彼女みたいに人の目線を怖がるのは初めて。
解決方法は便秘を治すことです。
便通さえ良くなれば、人の目線が気になるのが治ります。
最初の1~3週間に1回の便通は、足つぼ.生姜湯などで今は1日おき、もしくは毎日1回便通があるようになりました。途中で漢方薬も飲んで、今は人の目線も、あまり気にならなくなりました。
▼2019-05-22追加内容:
人の目線が怖いのがひどくなると、恐怖症の病名になります。その原因は極度の冷えからくる症状です。以下の翻訳文でも触れているので、どうぞご参考に。
便通は最低でも、1日1回が必要です。
閉経後は1日に2~3回でもかまいません。
便通は心臓の調子とも関係が有るので、同時に冷え症で便秘症の方も少なくありません。
パニック障害の予防・改善策:早めに便秘、冷え性を治すこと
皆さんは手足の冷えなど気にしてないかも知れませんが、これは早めに治したほうが良いです。後々になって、いろんな体調不良を起こすから。中医学でいう「未病を治す」のはこの意味です。
私の経験からすると、子どもの冷え症.便秘症は治しやすいです。
寒がり.便が1日1回出ない。このような子どもがいたら、すぐ漢方医.鍼灸医.マッサージなどの自然療法の先生に診てもらって下さい。大人になってから、30年~40年分を取り戻すのは、本当に大苦労です。
子供であろうと大人であろうと、最初の冷え性と便秘さえ治せば、記事に書いた彼女みたいなパニック障害にはなりません。
(おわり)
李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
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