こんにちは。李哲です。
中医学の理論には、「未病を治す」という言葉があります。この未病に対して、あやふやな印象・間違った認識を持っている方が多いので今日は具体的に討論します。
未病とは、病気がまだ芽の段階・自覚症状がある段階である
最初に、未病は『まだ病気になってない』の状態です。
病気もないのに、何を治す?
ここは西洋医学と中医学の違いがあります。
中医学理論でいうと、病気は長年の積み重ねて、ある日爆発するもの(伝染病など急性疾患は除く)自然現象を見ても、徐々に日が沈む。徐々に春から夏になり、徐々に冬から春になる。一瞬で昼から夜になったり、秋から冬になるのはありません。
人間の体も同じなのです。ただし、人間の体はとても精密なもので、少しでもずれた時.不調があったとき、自らSOS信号を出します。それが自覚症状。例えば
- なんとなくダルい、朝起きれない
- 夜は寝付けられない
- 目が見えづらくなった
- 小便の勢いが減った
- 大便の調子が悪い
- 男性の場合は、朝たちの回数が減った
- 生理の調子が悪い。生理周期がずれたり、生理の量が多すぎる、生理前に異常にイライラ.怒りっぽくなる
- あちこちのしびれ、痛みがある
… …
つらい症状を無視して、何年も何十年もほったらかすと、最終的に大きな病気が訪れてきます。
現代人にあふれる乳がんを例にします。ニハイシャ先生は乳がんステージによって、具体的な自覚症状を説明しました。病気は階段性があるので、ステージ1で治せばもちろんステージ2,3もありません。
中医学の治療は、転ばぬ先の杖。つらい症状がある段階で、すでに治療を始める
つらい自覚症状があって、長い間ほっとくとある日、量の変化が質の変化を起こします。質の変化が起きた時は、西洋医学の検査でも病気だと診断します。簡単にまとめると、中医学理論では症状と病気の2つの段階があります。西洋医学は病気のみ。中医学は予防医学とも言えます。
雨が降る前に洗濯物を片付ける。ダムに小さな穴が空いた時にすぐ修復する。転ばぬ先の杖。これが中医学のやり方です。
腕が良い先生は1年後の体のことも予測できます。スーパー腕が良い先生は10年後の体も予測できる。
癌などの重病は、必ず些細な自覚症状から始まり、徐々に積み重ねて大病になる
臨床で私はたくさん見ました。些細な症状が長年放置されて、最後重病になった話もたくさん聞きました。
例1:膵臓がんの初期症状には、吐き気がする・胸焼け・お腹の膨満感などがある
膵臓がんになる前は、患者さんは気持ち悪い.食が細い・胸焼け・お腹の膨満感・吐き気がする.わき腹が痛いなどの症状があります。
しかし、西洋医学の検査では、ただ胃が荒れていると診断。もちろん治療しても変わらない。この症状が何年も十何年も続くと、次は気持ち悪い.食べられない症状がひどくなり、病院の検査で膵臓がんだと診断されます。
最初の食欲不振・吐き気がする.気持ち悪い.わき腹が痛いのを、ちゃんと治せば後々の膵臓がんが防げるのです。漢方薬・鍼灸で癌を治せるのは、私が尊敬するニハイシャ先生が論文で詳しく説明しました。以下の記事、どうぞご覧ください。
例2:大腸がんの初期症状には、冷え性と便秘症がある
大腸がんの最初は便秘症と冷え症。長年続くと、大便がどんどん詰まって、小さい塊から大きい腫瘍になります。最初の便秘になった時にちゃんと治せば、後々にの腸がんが防げるのです。残念なのは、西洋医学は患者さんの自覚症状を大事にしてない。便秘になっても.手足が冷えても.朝たちがなくなっても慌てて治療しようともしない。なぜこんなつらい自覚症状があるのかも分かりません。
自分もよく分からない時は、ひたすら原因は自律神経失調症.年のせい.ストレスだと言う。これが原因だと言われたら、もう治しようがないじゃないですか?医学の存在する意味は?
重病になった時、中医学はもちろん治療法があります。ただし、重症化した時は、治せる確率はかなり下がる。以下は大腸がん患者さんの漢方薬治療例、どうぞご覧ください。
自覚症状がある段階で治すのが、本物の「早期発見・早期治療」
中医学がもっと大事にしているのは、初期の段階で解決する。これは西洋医学の「早期発見、早期治療」と違います。西洋医学は自覚症状があっても、解決策がほとんどありません。しかし、中医学はなぜそんな自覚症状があるのが分かる。そして、治療もできます。
気になる自覚症状がありましたら、中医学の先生に診てもらって下さい。きっと対策法がいろいろあります。自覚症状を些細なことだと思って、ほっとかないで下さい。
なんのトラブルも同じだと思いますが、小さい時に解決しないと、あとで手に負えなくなります。
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