乳がん術後の女性、イライラは落ち着き、中耳炎・腕の痛みは改善し、体力が増えて気持ちも明るくなって、乾燥肌・皮膚のかゆみも治った(2)

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タモキシフェンを飲んだ時よりも、今のほうが倦怠感がなくて調子がいい

こんにちは、李哲です。
乳がん術後の女性、様々な辛い症状を改善・完治した記録を続けます。前回の記録は以下をご覧ください。

2019-10-18
彼女の報告: 
最近は軽い運動を始め、他にわりと歩いている。体力はまずまず良い。

脈診したら、まだ硬・緊(特に寸と関)。
私が診た限り、表情は穏やか。

病院に行く話を聞いたので、私は彼女に警告しました。
「体内にまだ問題があるので、なにかの西洋薬を使ったら一気に悪くなります」

彼女「10月28日、病院に行ったとき、”タモキシフェンは合わないから飲みたくない”と言いたいです。薬はもう飲みたくないです。以前は、体力がなくて気持ちもすごい落ち込んでいたけど、今は体力があって、いろんなことができます

以下はもう一つの体力が増えた鍼治療例。参考になると幸いです。

2019-10-29
彼女の報告:
タモキシフェンを飲みたくないと言ったら、病院の先生は「しょうがないね」と言って、何も処方してくれなかった。

彼女は私に質問しました。
「乳房再建術について、どう思いますか?」

私「手術は良いけど、手術を行うときの薬で一気に悪くなる可能性があるから、慎重に考えてください」

乾燥肌、皮膚のかゆみは治り、以前より体力が増えた

2019-10-29
彼女の報告:
乳癌手術したとき、脇のリンパ組織を少しとったので、右肩が上がりづらい。
カーブスという運動を続けている。以前は運動したあと疲れ果てて何もする気力がなかったけど、今は余裕。娘と一緒に買い物まで行ける。

乾燥肌が良くなった昔はこの季節になると、クリーム塗らないと駄目だったけど、今は大丈夫。そして、以前のような皮膚のかゆみも治った。

乾燥肌は数回の鍼を受ければ、効果が実感できます。以下はもうひとりの症例、参考になると幸いです。

脈診では、まだ硬い・数・緊だけど、間歇脈がなくなりました。心臓の調子が改善された証拠です。

今日は右肩が上がりづらいために、ツボを少し追加しました。左の中渚・曲池・後谿。ほかは以前同様。

2019-11-2
彼女の報告:
以前は少し動いただけで疲れたけど、今は元気。食欲もいい。この前の鍼をしてから、右肩が上がりづらいのは良くなった。

彼女の肩が上がらないのは、手術後の後遺障害、だから治りが遅い。一般的な肩の痛みで上がらないのは、整体だけでも十分効果があります。過去記事があるので、どうぞ参考にしてください。

2019-11-5
彼女の報告:
鍼をしたあとは、右肩が上がりづらいのは良い。ただし、数日後にはまた悪くなる。ほかは調子良い。

脈診したら、以前みたいな硬い・緊・数は減っていました。

2019-11-8
彼女の報告:
近所の人たちに、「顔色がよくなっている」と言われた。私が運動を薦めてから、買い物に行くときは車を止めて徒歩に変えたそうです。

今日気づいたですが、彼女は笑うのがめちゃくちゃ増えて、よく冗談を言うようになりました。

今日一つの相談が増えたのは、中耳炎。
乳がんになる前から中耳炎(右側)が繰り返し、いつも抗生物質で収めている。

治療としていつものツボ以外、左の外関穴・聴会穴を刺しました。施術後、彼女が言うのは「肌の乾燥がすごい良くなって、昨夜塗ったクリームの効果が今でも続いています」

持病を治す間に、肌の乾燥が良くなった話はよく聞きます。以下はもう一人の女性からの報告。参考になると幸いです。

腕が上がらない・中耳炎は徐々に改善し、体力が増えて疲れなくなった

2019-11-12
彼女の報告:
調子が良い。土日にデパートに行って夕方まで買い物したけど、家に帰って「疲れた!」という感じはなかった。以前は近所のスーパーをちょっと歩くだけで足が疲れ、家に帰ったらグッタリ。右耳の中耳炎は良くなっているので、今日もう一度鍼をしてほしい。

右肩は運動もして、前より動きやすくなったけど、まだ肩の外側がこわばる・硬い感じがする。

2019-11-15
彼女の報告:
右肩がまだ硬くて上げづらい。

2019-11-19
彼女の報告:
鍼してから良くなっているけど、右肩の三角筋当たりがまだ硬くて上げづらい。
汗はまだ他の人より多いかな…

体調が良くなって明るくなり、会話も非常に多くなった

2019-11-22
彼女の報告:
右耳の中耳炎、かさぶたが出来てきたけど、たまに水が溜まって痒い。
右腕は前回の鍼治療してから、さらに上がりやすくなった。

施術後、彼女を観察しましたが、体調が良くなって明るくなったせいか、話が多くてしかもめちゃくちゃ速い…聞き取るのがちょっと大変でした(笑)

以前、躁うつ病の若者を治療した時は、逆のパタンでした。すごい早口言葉で喧嘩を売るような話し方だったけど、治療を続けるとともに穏やかになったのです。関連の施術記録は以下をご覧ください。

腕が上がらないのはだいぶ良くなり、ギックリ腰はその場でほぼ治った

2019-12-3
彼女の報告:
右腕が上がらないのは、だいぶ良くなった。
今朝、ギックリ腰になって右腰が痛い。
徐々に歩いているうちに腰の硬さが和らいて来たけど、まだ痛み・違和感がある。

束骨を刺したけど著しくは変わってない。お茶を飲むとき、手三里を刺して座ったまま腰を動かすように指示しました。そしたら、帰るときはほとんど治ってました。

ギックリ腰を治す時、鍼の即効性は優れています。刺しても腰痛が治らない時、ツボを変える必要があります。どのツボを選ぶかは、鍼灸師によります。

風邪の咳が酷くてギックリ腰になりそうだった

2019-12-13
彼女の報告:
腰痛は完全に治った。
三日前に来た時は、娘から風邪をもらいすごい咳をして、関連の治療をしたけど、著しい変化はなし。昨日は咳をしすぎて、またギックリ腰になりそうでした。

背中の肺兪など刺したけど、やはり咳をひどかったです。仰向けで刺した時は、1回も咳をしてないけど、鍼を抜いて帰るときまだ少し咳をしたので、続けて葛根湯かっこんとうを飲むことを勧めました。

もう一度手術?!西洋医学はウジ虫と何が違う?

2019-12-24
彼女から相談がありました。
もう一度胸を開ける手術をするそうです。

「乳がん摘出術はもう終わったのではないか?なんでまた?」と私は思いました。彼女が説明したのは、当時は乳がんを摘出してシリコンみたいなものを詰め込んだ。そのシリコンが今有効期限が切れているから、もう一度胸を開けて出すしかない。

私は彼女の話を聞いて怒りが湧いて来ました。
1回で手術が終わるのではなくて、2回目、3回目の手術をやらなければならない。これはウジ虫と何が違うんですか?

鼻詰まり、咳などはほぼ治った

2019-12-24
彼女の報告:
咳はまだあって鼻声。
たまには鼻水も出る。

今日は鍼して帰るとき、「鼻声がだいぶ良くなって鍼する前と全然違う」と喜んでました。

風邪、インフルエンザの治療に鍼が適応していると言ったら、はぁ?と思う人がいるでしょう。これは仕方ないです。はぁ?と思う人は、治してくれた鍼灸師に出会ったことがないからです。実際に鍼は風邪の諸症状に効きます!

2020-1-14
彼女の報告:
咳はほぼ治りました。
正月はずっとキッチンに立ちっぱなしで料理を作ったそうです。
ということは、それなりの体力がついている事。

脈診ではまだ硬い、緊だけど、去年よりずいぶん柔らかくなっています。

彼女はあと回数券1枚(10回分)を使ったら卒業したいと言ってました。全体的の状態がだいぶ落ち着いているので、私も「良いですよ」と答えました。

手の指、肩の痛みはだいぶ良くなり、中耳炎も前より改善

2020-1-21
彼女の報告:
3~4日前から突然左中指の第一関節が赤く腫れて、痛くて力が入らなくなりました。

両側の外関を刺して、抜針した時は痛みが良くなって中指が動けるようになりました。でも、赤く腫れているのはまだ残っている。帰ったあと、生姜入り千年灸を患部に5個やることを伝えました。

2020-1-28
彼女の報告:
左中指の第一関節が痛くて動けなかったのは、お灸してから更に改善。今は腫れがまだあるけど、赤いのは消えている。右肩を上げるとき、前側の痛みはまだあるけど、前よりずいぶん楽。右耳の中耳炎も前より改善している。

中耳炎がなかなか治らないのは、腎虚が原因だと教えました。彼女が笑って言うのは、「そういえば~咳するだけで腰が痛くなります。最近、娘がしょっちゅう家にいるけど、以前ほどカンカン怒ったりしなくなりました」

今日の鍼治療後、彼女が言うのは「すごいお腹が空いて来ました!

▼2023-01-12記載
2020年1月28日後の記録はないですが、彼女は卒業したままで今も来ていません。乳がん以外の諸症状が良くなったので、継続治療も必要ないと判断したし、彼女も来れなかったのがあります。

本治療を振り返る

2019年9月27日から2020年まで半年くらい通って、回数券は3枚(16万6500円)使いました。果たしてお金を払った意味があったのか?

治療経過を振り返って見ます。
治療内容は繁雑で様々な症状でした。

  • 最初のイライラが止まらないのはすぐ落ち着き始め、施術回数が重なることで更に安定して怒らなくなりました。
  • タモキシフェンを飲んだ時は何もする気力がない、気持ちもドン底でうつ病みたいになったけど、鍼治療で体力が増えて気持ちも明るくなり、めちゃくちゃ喋るようになりました。
  • 乳がんの手術で脇のリンパ組織を取ったので、腕が上がりづらくなったのは、鍼治療で大きく改善。
  • ギックリ腰になったのはほぼ1回で治り。
  • 風邪を引いて、咳しすぎてギックリ腰になりそうな酷い咳も数回で治りました。
  • ずっと抗生物質で抑えないといけなかった中耳炎は、鍼治療で落ち着きました。
  • 乾燥肌と皮膚のかゆみは数回の鍼で治りました。

おわりに

彼女は最初、更年期障害のイライラ・汗が吹き出る症状で女性ホルモン剤を4年間も飲みました。汗が吹き出るのは改善したものの、イライラはまったく変わらない。その代わり、女性ホルモン剤で乳がんになって手術後も辛い症状で苦しんでました。さらに、乳がん予防になると言われるタモキシフェンの副作用で倦怠感に襲われ、何もする気力がない廃人になりました。

もし、最初の更年期障害があったとき、漢方薬もしくは鍼治療を受ければ、4年後の乳がんもないし、辛い症状もさっさと治ったはず。以下は足つぼ整体の症例、更年期障害のほてりを治した例です。参考にしてください。

本記事は乳がんが鍼で治る事ではなくて、乳がん手術後に生じた様々な不調を鍼で治せることを説明しました。だから、誤解しないで下さい。

乳がんを含む様々な癌治療で、鍼灸はどのような手伝いができるのかは、また単独の記事で説明します。

(おわり)

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