こんにちは、李哲です。
中国河北省の有能な女医(中医師)、張静先生3の漢方薬症例を翻訳しました。本文は以下のリンク。
文句ばかりでマイナス思考の患者さん
一人の患者さん、膝が痛いから治療に来たけど、3回治療してから来ていません。その後、患者さんの子どもたちが治療に来ているので、おじいちゃんの膝痛を聞きました。
おじいちゃんの子供が言うのは、「お父さんは誰が治療しても良くなりません。良くなっても帰宅してから良くなったと言わないです。どこに行っても効果がない、お金の無駄使いだと言います。この先生の所で1日治療して、ほかの先生の所で2日治療。ほかのことでも同じです。すごいマイナス的な考え方で、私たちもウンザリです。
最近、風邪を引いて夜眠れないくらい咳がひどかったです。病院の検査を受けたら、肺に大きな泡があるそうです。だから、お父さんにもう一度中医学診療所に行ってみたらとすすめました」

体と意識が統一しないので、治しても治しても症状が絶えない
ある日、診療所の先生たちが治療例の分析会をする時、私は黄先生とおじいちゃんの例を話しました。黄先生が言うのは「この人は気持ちの病気ですね。だから一つの症状を治してあげても、またほかの症状が出ます。とにかく全身に問題点だらけ。この病気は気からくるものです。体と意識を統一しないと根治できないでしょう。おじいちゃんの意識改革が必要です。」
子供がおじいちゃんに診療所に行ってきなさいというと、おじいちゃんは逆に質問したそうです。「なんでいつも同じ診療所に行くんだ?」
子供「張先生が何でも治してくれるから、別の診療所に行く必要ないでしょう?」
李哲の説明:何でも治してくれる先生が近くにいて、幸運というか、ある意味で幸せだとしか言えないですね。中医学先生は一人だけで、総合病院みたいに様々な不調を治せます。皆さんも近所で信頼できる鍼灸医・漢方医に巡り会えることを願います。
また数日の説得が続いたそうです。
最後はあまりにもひどくて再び診療所に来ました。咳がひどくて一晩中眠れない、仰向けになると喉が痒くて咳が止まらなくなる。だから、来たのです。
治っても中医学治療のおかげだと認めない
おじいちゃんが来たあと、電子カルテの治療歴を出して質問しました。
私「2018年、メニエール症候群で7日の漢方薬を処方したけど、印象に残っていますか?」
おじいちゃん「覚えています。当時は目も開けられないくらいめまいがしました。でも、あとで治りました。なぜ治ったか良く分かりませんけど」
李哲の説明:めまいは一般的に「メニエール症候群」だと診断されますが、実際には腎不全にも良く現れる症状。腎不全は西洋医学にとって、人工透析・腎臓移植しかないけど、中医学では完治ができる病気です。ニハイシャ先生の症例があるので、どうぞ参考にして下さい。
私「2回目は不眠症・口が乾く・顔のほてりの症状できたね。治りましたか?」
おじいちゃん「治りました。治療しなくても治ったかも知れません」
李哲の説明:不眠症はいろんな病気で見られる症状です。特に体内が冷え切ったがん患者には、良く現れる症状。漢方薬・鍼灸はつらい諸症状を改善・完治することができます。ニハイシャ先生の肺がん治療例が一つあるので、参考になると幸いです。
私「3回目は数週間前の膝が痛い事でしたね。治りましたか?」
おじいちゃん「まあ、痛みは消えました。なぜ治ったか分かりませんけど。膝の病気が肺に移動したかも知れません。風邪を引いてから咳が止まらなくて、検査したら肺に大きな泡ができたのです」
ゴロゴロ主治医を変えると、病気は治らない
私「その大病院の先生に治してもらってください。誰でもいいですが、とにかく先生を信じて、ちょっとしたことで先生を変えないで下さい。私は医者として責任をとってあなたに言えます。治せなかった時、先生は患者さんよりも焦ります。その大病院の先生は、きっとあなたの為に色々工夫します。前提条件は、先生はしょっちゅう変えないこと!あなたは3日以内で肺の大きな泡を治そうとしていますが、私は能力不足なのでできません。」
おじいちゃん「私の子供は張先生しか信じていません。だから、ここに来たのです。」
李哲の説明:ニハイシャ先生の診療所には、村の人たちに捕まえられて治療に送られてきた患者さんがいました。中医学治療を受けなかったら、誰も友だちになってくれないから。いったいどういう病気で来たのか、以下の記事をご覧ください。
子供の腰が痛い、背中が痛いのは鍼1回で治った。抗生物質、ビタミン剤で肝臓がやられ、背骨が痛くなって途中覚醒の症状が現れる。永遠に扁桃腺炎を予防する薬膳も紹介します。
私「あなたの子供は病気が治ったから信じています。でも、子供が信じるからあなたの病気が治るとは限らない。あなたの信頼が必要です。また、私のアドバイスを守らないといけません。」
おじいちゃん「今度は最後まで続きます」
私「一つ条件付きです。この咳は治療し始めると即効性が現れます。もし翌日良くならなかったら、嘘をつかないで教えてください。効果が出ても嘘をつかないで、どのくらい良くっていたかを教えてください。家族の人に聞かれても、嘘をつかないでください。体が良くなっているのに、あなたは嘘を言う。このままでは病気が永遠に治りません!」
おじいちゃんは約束しました。
7日の漢方薬と鍼治療で、一晩中とまらない咳で眠れないのは治った
処方箋は「小青竜加石膏湯」
鍼灸のツボは中府透雲門、肺兪、孔最など。
小青竜湯加石膏湯は、文字どおり「小青竜湯」の上に石膏を追加した漢方薬です。1品しかな違わないけど、治せるのは全然違うタイプの咳です。私は以前、自分の風邪を治したとき、身にしみるほど違いがわかりました。以下の記事で説明しているので、どうぞ参考にして下さい。
翌日は雨。おじいちゃんは鍼治療に来て話しました。
「先生、だいぶ咳が治りました。一晩中咳をしていません。」
5日連続で鍼をしてから、咳はほぼ治りました。最近ずっと雨だけど、おじいちゃんはかっぱを被って鍼治療に来てました。
7日の漢方薬を飲んでから、何ごともなかったように回復。でも、もう一度漢方薬を飲んで治療効果を定める事にしました。
私たちはみんな願っています。おじいちゃんの意識と体が統一できて、何でも楽観的に思うこと。これが実現できてから、体と生活の質がやっと変わるのです。
李哲の解釈と説明
信じないものは、治療しても治らない
張先生は、よくも信じてくれない患者さんを、数回も治してあげましたね。私だったら3回目までかな(笑)
漢方薬もしくは鍼治療で、患者さんの信頼は大事です。なぜかと言うと、漢方薬・鍼灸の治療過程は順風満帆ではないからです。どうしても途中で悪化したり、停滞したり状況が不安定のときがある。患者さんがこの時治療を止めたら、今までの治療効果はすべてパーになる。患者さんの信頼がなかったら、ゴールまでは辿り着きません。
ニハイシャ先生は臨床で治らない人たちの共通点をまとめました。以下の記事、辛口ですが参考になるので一読して下さい。
仰向けになると咳が止まらない原因
上記の患者さん、仰向けになると咳が止まらない症状がありました。
なぜ起き上がると咳はそれほどないのに、仰向けになると咳が止まらないのか?これは肺の下に水が溜まっているからです。
西洋医学はレントゲン・CT検査で肺の状況を判断しますが、中医学は患者さんの症状で体内の状況を判断します。たとえば肺の下に水が溜まっているかどうか。
起き上がると水は全部肺の下に集まり、上部の肺・心臓には影響がありません。だから、咳がそれほど出ないのです。仰向けになると肺の下に集まった水が流れて、肺の全体と心臓を圧迫します。そうすると患者さんは苦しくなって咳が止まらない。
これは中医学理論だと言うより、もはや常識からの判断。
中医学治療で良くなったかどうかを判断する方法も簡単です。仰向けで寝ても咳が出ないこと。中医学はレントゲン・CT画像診断がなくても、患者さんの症状で治療効果がわかります。
ちなみに、肺水腫・心不全などはみんな仰向けになると咳が止まらない症状が出やすいです。以下はニハイシャ先生4の漢方薬症例、参考になると幸いです。
張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
コメント