こんにちは、李哲です。
患者さんは黄疸のためにステント治療を受けてから、心臓が痛む、夜間の内臓痛、食べられないなどの症状が現れました。
この記事は主に、内臓痛と心臓が痛い・吐き気・食欲不振を緩和した内容です。前回の治療内容は以下をご覧下さい。
黄疸治療のために手術を受けた
2017年2月11日、25回目。
彼女の報告:
事情が急変。
ステント入れる手術を受けました。ステント治療してから、大便がブカブカ水に浮くのと尿がすごい黄色いのが、徐々になくなりつつある。(胆管が詰まって黄疸になっているから、以上の症状が出るらしいです)
彼女は手術したことに満足していました。私が聞いたら、最近また夜になると目が見えない。治ったのにまた再発したのは、なにかキッカケがあるはず。
中医学からみると、これは肝臓に毒素があるからです。最初に来た時、よく見えないのを治ったけど、また再開するしかないです。残念なのは彼女は晴明穴を怖がって、今刺せないこと。ほかの代用のツボで、とりあえずやるしかない。効果は落ちるけど、何もないよりかはマシ。
手術後、一晩中寝られない痛みは、鍼治療でレベル8から2まで下がった
2017年2月14日、26回目。
彼女の報告:
先週のステントを入れる手術してから、調子が悪い。胃腸の調子はまだ良いけど、心臓が痛む、内臓痛が生じた。昨日は内臓痛で、一晩中眠れなかった。痛む場所は、みぞおちから臍の間、広い範囲で痛い。
彼女は今日呼吸困難で、ハアハアしながら入って来ました。食欲は鍼をしてから、湧いてきたそうです。ただし、この心臓痛と内臓痛は予想外のもの。
今日刺したツボは、仰向けのみ。いつものツボを少し変更。彼女が言うのは、「足のツボを刺したら、すぐ内臓痛が軽くなり始め、その後は爆睡してした。」

鍼を取ってお茶を飲むとき、彼女はまた言いました。
「内臓痛はさっきのレベル8から2に下がった。」
残り2は2日後に来たとき、また診るつもりです。
ステントを入れる手術で、なにか西洋薬を使ってないか彼女に聞いたら、抗生物質を使ったそうです。私は心臓が痛むのと内臓痛の源が分かりました。
抗生物質が原因です!
抗生物質の害に関しては、以下の記事が参考になると思います。
内臓痛・心臓の痛みは、今日の鍼ですべて消えた
2017年2月16日、27回目。
彼女の報告:
前回の針の後、とても調子が良かったけど、翌日の夜中から内臓痛がまた再発、つらくて寝れなかった。当院に来た時は、また息が苦しくてハアハアしている。
彼女は病院の先生に聞いてみたそうです。
「抗生物質はどのくらい使ったですか?」
病院の先生が言うのは、「1本だけ。」(商品名はよく分からない)手術した夜に熱が出て、点滴したらしいです。
私は彼女に話しました。
「今回は運が良いからまだいいけど、運が悪かったら鍼でも戻せません」
なぜこのように話したか。
がん患者は一般の人と免疫力が違います。一般の方は抗生物質1本点滴されても、心臓が痛むほどにはならない。しかし、免疫力が全体的に低いがん患者は、抗生物質1本だけでも急激に悪化し、命を落とすかも知れない。
ずっと心臓が痛むのは、心筋梗塞に近いです。狭心症は何時間も心臓が痛むことはない。詰まっている血管が少なかったら、まだ軽い発作だけど、大事な血管が一気に詰まる場合は、死ぬしかありません。
今日の鍼のあと、すべての内臓痛.心臓が痛むのは消えました。
帰りに彼女が言うのは、「やはりここに来ると楽になる。助かります!」
手術後の痛みはほぼなくなり、夜は眠れる。再びご飯が食べられるようになった
2017年2月18日、28回目。
彼女の報告:
前回の針の後は調子が良かったけど、夜中にまた内臓痛が再発。翌日はぐったり。
翌日、病院に行って待っている間に、ボランティアで来ている演奏会があって行ってみた。1時間くらい聞いたら、ウキウキしていつの間にか内臓痛が消えたそうです。その日は、夜も内臓痛がなくてよく寝れた。
ここで分かりますが、心にしみる音楽は、病院の薬よりも効果的です。
音楽療法の素晴らしさは、以下の記事でも討論したことがあります。
今日刺したツボは、ほぼ同じ。
30分後に鍼を取ったら、彼女が言うのは「スッキリした!」。
2017年2月21日、29回目。
彼女の報告:
ご飯をよく食べれるようになった。
心臓の痛みは治り、内臓痛は減っているけど、まだ少しある。
今日刺したツボは、ほぼ同じ。
2017年2月23日。30回目。
彼女の報告:
痛みなしで夜もよく寝れる。
ご飯も食べれる。
目は見えづらい。(晴明穴を刺せば視力向上につながりますが、今刺せないのが問題です)
足のツボを刺してから胃腸がグルグルなり始め、鍼を取ったとき彼女が言うのは、「すごいお腹が空いた!」そして、彼女が言うのは、「針をさす時は泣いちゃうけど、帰りは笑えますね」
2017年2月25日、31回目。
彼女の報告:
痛みは再発してなく、食事も食べられる。
特には主訴がないので、いつものツボ。施術後、お茶を飲むとき、彼女が言うのは、ほかの病院に変えた。今後PET検査をして、抗がん剤か女性ホルモン剤を使うか、その時また決める。でも、彼女は西洋薬を使いたくないと言ってました。
私も彼女に説明しました。「西洋薬を使うと一気に悪化します。この前、抗生物質1本を点滴しただけで、心臓の痛みと内臓痛が生じました。やっと鍼で心臓の痛みを治して、内臓痛を収めました。次はなにかあったとき、鍼でも治せないかも知りません。」
抗生物質の副作用のひどさは、皆さんよく知るべきです。今は抗生物質の濫用で、みんなの体が弱くなっている!そして、昔はなかった新しい病気が作られています。たとえば全身性エリテマトーデス。これは西洋薬が作り出したもの。以下は一つの症例、参考にしてください。
吐き気と息切れで食欲がない、食べられないのが一番困る
2017年3月18日。
彼女の報告:
今週はずっと調子が悪い。吐き気が一番困る。吐き気で漢方薬も飲めない。ご飯は2~3口食べて、もう要らない感じ。右脇腹下の肝臓のあたりは痛い。2番めに困るのは、息が苦しくてハアハアすること。
脈診では、左右の寸関は沈細、今まで診たことがない速さ。施術後、速さは3分の2くらいになったけど、それでもまだすごく速い方。これは危険な脈なので、次からは毎週2~3回のベースに戻すことを勧めました。
施術後、彼女が笑いながら言うのは、「鍼を置いてる間はずっと食べ物ばかり考えていた」
2017年3月21日。
彼女が言うのは、ハアハアするのが気になる。内臓痛と食欲はまあまあ大丈夫。食べられる量は、1人前の3分の1くらいしかない。
脈診では前回ほど速くないけど、正常な速さから見ると、まだまだ速い。脈がとても早いのは、心房細動だと言われる時が多いです。以下はもう一人の鍼治療例、参考になると幸いです。
2017年3月23日。
彼女の報告:
前回の針の後、食べたい気持ちで勢い良く外食して帰ったら、グッタリして倒れた。翌日から徐々に元気が戻り、前より食べられるようになった。今は1人前の6~7割くらい食べられる。吐き気、気持ち悪いのもなくなったし、食べてグッタリする感じもない。目は前より見えやすくなった。(視力の為のツボは刺してない)
ただし、心臓喘息でハアハアするのはつらい。仕事中座りっぱなしで運動してないのに、1時間半くらい仕事するとハアハアして、しばらく休憩すると治る。
脈診では、前回とほぼ同じ速さ。左右の関脈は、沈弱。これは消化系がまだ弱い事を示す。胃の周りを触ってみたら、腫瘍の場所が変わっている。確定は出来ませんが、以前より縮まっていると思います。あと、彼女の食べられる量が増えているので、おそらく小さくなったでしょう。
腫瘍の大きさは、もうどうでも良いです。大事なのは、彼女が食べられること。
今日も鍼を置いてる間、彼女はずっと食べ物のメニューばかり考えていたそうです。(笑)
帰りに彼女が言うのは、「30年間の花粉症が出ないのが不思議!」
私は彼女に説明しました。「花粉症のためのツボは刺して無いけど、鍼は全体的に良くするので、花粉症が出ないのも不思議な事ではないです」
花粉症などはもともと治しやすい症状、1~2回ですぐ改善できます。以下は一つの治療例、参考にして下さい。
内臓痛、吐き気がするのは鍼ですぐ治ったけど、その後は再発!
2017年3月25日。
彼女の報告:
昨日から調子が悪い。
内臓痛が復活して、吐き気がする。今日は肝臓のあたりが腫れている感じがして、息もハアハアしていました。
私は急いて鍼をして、鍼は刺したらすぐ息が落ち着いて、痛みもなくなりました。
帰りに彼女はまだハアハアするのがあったけど、次回にまた診るつもり。
2017年3月30日。
彼女の報告:
この2週間、ずっと内臓痛が続いている。
今日の施術で、水道穴.下脘は響きが強すぎて叫んでました。話を聞いたら最近お灸をしてない。あまりの痛さに彼女はビックリして、帰ったらすぐお灸をすると言ってました。
そして、彼女は私にお知らせがありました。「6月末には会社を止めて、短い残りの人生を楽しみたい。飼っている猫と遊んだり、旅行に行ったり。会社を止めると収入がなくなるので、通える限り鍼に来ます」と彼女は言ってました。
彼女の話を聞いて、私は複雑な気持ちでした。

患者さんを生かせるのは私の仕事です。希望がある限り、全力を尽くして治療します。しかし、こんな状況でどのくらい治療できるのか?
「末期癌でも必ず治ります!」という保証、私にはできません。
治療で一番困るのは、患者さんが生きる意志を失った時。患者さんまで生きる希望を捨てたら、もう誰も救えない。彼女はとても意志が強てい人で、簡単に諦める人ではないです。こんな話をしたのも、生きる希望を捨てたことではないと思います。
ただ、彼女の話を聞いて、虚しさと悲しみがありました。
内臓痛は消えて、何ヶ月ぶりに1人前のご飯が食べられた
2017年4月1日。
彼女の報告:
内臓痛は消失。
今日は何ヶ月ぶりに1人前を完食。
すごく嬉しくて食べ終わったあと、記念写真を撮った。
胃の周りの腫瘍は、手背で触ってみたら温度は温かい。硬い腫瘍の範囲は縮まっている。この2つの症状から見ると、彼女は前よりだいぶ改善しています。
今日の鍼を置いてる間、彼女は初めて寝れたそうです。
彼女が言うのは、「この前の鍼が泣くほど痛かったので、帰ってお灸しようと見たら、一番痛かったところに水泡ができた。その水泡の上でお灸をしたら、今までないくらい効いた!翌日から別人みたいで調子がいいです!」
2017年4月5日。
今日、彼女はハアハアしながら入って来なかったです。彼女が言うのは、「今食べるリハビリをしている。自分がどのくらい食べられるのかをチェックしている。いま食べられる量は1人前の7割くらい。いろいろ食べてみて分かったのは酢ものが食べやすくて美味しい。気持ち悪くならないです」
不思議なのは、彼女は昔酢ものが大嫌いだったそうです。 今は逆に食べると美味しい。食欲が無いときは、とろろご飯にお酢だと簡単に食べられる。
私は彼女に説明しました。「お酢は肝臓と胆嚢にとても良いです。(彼女はちょうど肝臓と胆嚢に問題がある)とろろ(山芋)は脾臓.すい臓など消化系にとても良い。」
彼女は、「だから自分が美味しいと思って食べるわけですね」と言ってました。
人間の体は不思議です。以前嫌いでも、いまの体に必要だったら、それがまた美味しく感じる。
人工甘味料たっぷりの清涼飲料水が美味しい。添加物だらけのファーストフードが美味しい。これは中毒現象です。本来の自然な美味しさではありませんので、混同しないで下さい。
人工甘味料が入った甘い物は、李哲鍼灸院では禁止です。具体的な理由は、以下の記事をご覧ください。
お腹に水が溜まっている感じがする。尿の出が悪いので、今日は水分、水道、中極、陰陵泉、地機などを追加。まだ腹水症にはなってないけど、以上のツボは予防になります。万が一腹水症になっても治療ができる。
前回の針の後、「死を考えていろいろ片付けるのはまだ早いのではないか?」と彼女は思ったそうです。
私「まだ希望があるので、投げ捨てるのは早い。まだ60歳も過ぎてないし、まだまだいけますよ。むやみに心配したり怖がったりするのは、癌にとても良くないです。マイナス気持ちは投げ捨てたほうが良い」
彼女「すべて投げ捨てた翌日から、体調がすごく良いので、ストレスって本当に関係ありますね!」
病は気から、これは本当に名言です。
私「会社を辞めるのもキャンセルして、もう少し働くのはどうですか?」
彼女「いやいや~今までずいぶん頑張って仕事したから、今後はのんびり過ごしたいです(笑)」
笑っている彼女を見て、私はホットしました。食べる量がこのまま維持できれば、彼女は確実に安全である。たとえ腫瘍が残っていても、彼女の日常生活には影響がない。つまり、がん細胞.腫瘍と共存し長生きを図る。
~続き~
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