こんにちは、李哲です。
視力低下や失明のリスクに悩む方へ。アメリカの漢方医・鄭智城先生1の症例(2015年4月30日発表)では、視神経萎縮で視力15%の患者が漢方薬で1週間で45%まで視力回復。失明の恐怖から希望を取り戻した事例を翻訳・紹介します。この症例は、漢方薬が視力低下にどう関わるかを考えるきっかけとなるでしょう。

視神経萎縮で視力15%の患者が漢方薬で回復
患者の症状と診断:失明の恐怖
鄭医師の診療所を訪れた黒人男性患者は、以下のように訴えました:
– 2ヶ月前から急に見えなくなり、15%の視力しか残ってない
– 寒がり
– 両足は冷たくてしびれる
– 腰は重だるくて痛い
– 舌は太っている
– 突然目が見えなくなる前に、患者は異常の疲労感を感じた
西洋医学の眼科医は「あなたの視神経はもう死んでいます。家に帰って1ヶ月後に完全に見えなくなったら、また来て下さい」と診断。患者は「先生の話を聞いた瞬間、大小便失禁になりそうでした」と恐怖を語りました。
この絶望的な診断を受け、患者は頭の中で走馬灯のように人生を振り返りました。家族の未来、子供の生活、失明後の人生を想像し、「このまま死を待つのは悔しい」と決意。代替治療を模索し、ハーブ療法(1500ドルの実費負担)を試した後、友人の紹介で鄭医師の漢方診療所にたどり着きました。
脈診では脈が弱く、右尺が大で、陽虚(ようきょ)の症状が明らか。鄭医師は、過去の便秘治療でのセンナ使用が悪化要因と推定。腎虚証の特徴として「大小便が必ず異常です。便秘もしくは下痢。小便は頻尿、もしくは尿が出ない」と説明。センナのような刺激性の下剤が体を冷やし、視神経に悪影響を及ぼしたと分析しました。
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漢方薬による治療アプローチ
鄭医師は、患者の状態に応じた漢方薬を処方。具体的には、四逆湯(しぎゃくとう)に人参と腎機能を強化する3つの生薬を加えた処方を7日分提供しました。患者には「肉.卵をたくさん食べて栄養を取りなさい」と指導。
四逆湯は、体内が冷えすぎた状態(陽虚)を温め、気血の流れを改善する漢方薬で、手足の冷えや異常な疲労感に効果的とされます。この症例では、視神経の血流不足を改善し、視力回復を促す目的で使用されました。患者は「ハーブ療法と異なり、漢方薬は体に優しく希望が持てた」と振り返りました。
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1週間後の視力回復と患者の感想
1週間後、患者は以下の報告をしました:
– 視力が45%回復しました。以前は真っ暗だったけど、今は朦朧(もうろう)に光が入るのが見えます。以前はお金が見えなかったけど、今はお金が数えられます!
– 私はもう確信できます。私は失明しない!
患者は高揚し、診療所で正座して3回お辞儀をするほどの感謝を示しました。鄭医師も「こんなに感謝されるのは初めて」と感動を共有。この回復は、漢方薬が視神経の機能を部分的に活性化させ、血流とエネルギーのバランスを整えた結果と考えられます。
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漢方薬と視力低下:鄭医師の症例から学ぶ
漢方薬のメカニズム:視力回復の可能性
漢方薬は、体全体のバランスを整えることで症状を改善します。視神経萎縮では、血流不足やエネルギー不足が視力低下の原因となることが多く、四逆湯のような処方はこれを補う役割を果たします。
本症例では、人参が気を補い、腎機能を強化する生薬が視神経の栄養供給をサポート。鄭医師は、患者の体質(陽虚、腎虚)を詳細に診断し、個別化された処方を設計しました。このアプローチは、西洋医学の「視神経壊死=治療不可能」とは異なる視点を提供します。
関連症例:目がぼやける緑内障の原因は「血虚証」(目に行く血が足りないこと)
他の視力低下症例との比較
ニハイシャ先生2の別の症例では、薬剤性の視力低下や全身のエネルギー不足による視力障害でも、漢方薬が効果を発揮した例が報告されています。これらの症例は、漢方薬が視神経の機能を間接的に支える可能性を示唆。詳細は[こちら]。ただし、視神経の完全な壊死では効果が限定的なため、早期の診断が重要です。
視力低下でお悩みの方へ:漢方薬の視点を知る
視力低下や失明リスクに直面している方は、漢方薬の視点を知ることで新たな選択肢が見えるかもしれません。鄭医師の症例は、西洋医学で「治療不可能」とされた場合でも、漢方薬が希望をもたらす可能性を示しています。ただし、漢方薬の使用は専門家の指導が必要です。以下の記事も参考にしてください:
– [四逆湯の効果と仕組み](外部サイト)
– [視力低下の原因と漢方アプローチ]
視力低下は鍼灸でも治せる
上記の鄭先生の症例は、漢方薬のみ。鍼は同様な治療ができるのか、気になる方がいるでしょう。以下、関連症例を紹介します。視力低下、視力異常で悩んでいる方、ぜひ参考にしてください。

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