みぞおちが詰まり、吐きたいのに吐けず、背中まで激痛──。
救急車レベルの症状を訴えた友人が、鍼灸と漢方薬で一晩で9割回復。
このときの彼女の症状は、まさに急性胆嚢炎の典型でした。
急性胆嚢炎の疑いがある友人
夕方7時過ぎに、友人が電話をかけてきて、私の居場所を尋ねました。
私「どうしたの?」
彼女「みぞおちあたりに一塊の気が詰まり、げっぷをしようとしても出せず、おならしたくても出せない。吐きたいのに吐けず、痛くて背中全体も苦しい!」

彼女の病状の説明は、とても具体的でした。
彼女の説明を聞いて、私はおそらく胆囊炎だろうと判断し、「診所に来て」と伝えました。私もちょうど仕事があって残業中だったから。彼女の友人が車で連れてくる途中で、速効救心丸を6粒飲ませました。
鍼治療と漢方薬で吐き気と背中の痛みが軽減した経過
診所に到着後、診察したところ胆囊炎であることがわかりました。鍼治療に加えて漢方薬を服用する必要があると伝えました。
鍼治療を10数分行った後、彼女は「吐きたい」と言ってトイレに行き、少しの間吐きました。漢方薬を煎じ終わり、彼女が1包飲んだところ話しました。
彼女「漢方薬を飲んで吐いてしまったらどうしよう?」
私「吐きたいときは吐いていい。吐いたらまた飲めばいい。我慢しないで。吐いた方が楽になるよ」
案の定、煎じ薬を飲んだ後すぐに吐き気がして、吐いたら少し楽になったと言いました。背中の不快感はかなり軽減しましたが、みぞおちの痛みはまだあり、とてもイライラしていて、話すのも辛そうでした。
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急性胆嚢炎の発熱の可能性と症状の進行について
彼女の顔は真っ青で、目がとても大きく見えました。
彼女の親しい友人「以前はこんなに目が大きく見えなかったのに」
私は「以前は笑うと目が細くなっていたけど、今はびっくりして目が大きくなっているんだよ」
私「この病気は今とても苦しい状態で、明日には発熱するかも知れない。人によっては高熱が出ることもある。漢方薬は通常1日2回だが、この病気は1日に何回か多めに飲む必要がある。」
彼女「今はただ苦しいだけ。発熱はしてない。」
私「まだ始まったばかりだよ。苦しかったらすぐに電話して。まだ熱は出ていないけど、出ない方がいいね」
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帰り道には症状が大きく改善した理由
落ち込んだ彼女「この病気は遺伝するの? お母さんは以前、駝梁で旅行しているときに40度の高熱を出して、それが胆囊炎だった。私も遺伝したのかな?」
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私たちは同じ小区に住んでいるので、彼女の車で一緒に帰宅しました。帰り道もまだ少し不快でしたが、最初に比べればかなり良くなっていました。
彼女「健康診断では胆囊壁が粗くなっているだけと言われたし、他に胆囊の病変はなかったはず。しかも私は胆のうの位置に全く不快感を感じたことがなかったのに、突然どうしてこんなことになったの?」
私「少し中医の知識を説明しよう。」
冬至と胆のうの関係|急性胆嚢炎が起こりやすい中医学の理由

中医には「冬至の後、甲子の夜半に少陽が起きる」という言葉があります。冬至は一年で陰気が最も盛んな時ですが、盛んになれば必ず衰えます。この日から陽気がゆっくりと生発し始めます。ただし、この時期の陽気は非常に弱く、まるでようやく芽を出したばかりの小さな芽のようです。
陰暦11月の冬月はちょうどこの節目にあたり、天地の陽気が静かに萌え動き、人体の陽気もそれに応じます。また「凡十一臓、取决于胆也」という古典的な言葉があります。
中医において胆は、この少陽の生発する気を受け持ち、全身の臓腑の気機の昇降の「スイッチ」の役割を果たしています。

現在ちょうど冬至後に陽気が生発する節目に当たり、弱い陽気が昇りにくく、胆の「スイッチ」が詰まってしまい、気機が体内に滞ることで、みぞおち辺りに気が詰まり、吐きたい、後背が苦しいなどの症状が出るのです。
翌日には9割改善した症状の変化
翌朝、私はWeChatで彼女の様子を尋ねました。彼女は「ほぼ良くなった。9割方良くなったし、お腹も空いた」と教えてくれました。私は注意事項をいくつか伝え、「薬を飲み終えればもっと良くなるはずだけど、念のため漢方薬を飲み終わったらもう一度診所で中医学の診察を受けてください」と伝えました。
午前中にWeChatで連絡がありました。
彼女「不快な症状は全部なくなった。少し発熱して37度だけど、昨日と比べるととても楽になった」
私「発熱するのは正常で、胆囊炎の発症過程に合っている。心配しないで、薬を飲み続ければ大丈夫だよ。」
※中国河北省石家荘市の有能な女医、張静先生1の症例:急性胆囊炎(2025-12-27発表)を李哲が完全翻訳しました。
急性胆嚢炎に対する漢方薬・鍼灸の考察(李哲の解釈)
急性胆嚢炎に使われやすい漢方薬の推測(四逆散ベース)
張静先生は処方箋を書いてないけど、ベースになるのは『四逆散』だと思われます。なぜかというと、『四逆散』は肝胆の気滞を治すもので有名だからです。

もちろん、張静先生はほかにもアレンジして飲ませたでしょう。熱を予防する生薬など。
また、『四逆散』は吐かせるものではありません。患者さんが吐いてしまうのは、漢方薬の副作用ではなくて、体の自然な反応。みぞおち辺りに詰まりがあるとき、体はよく嘔吐で排出します。大便から出すよりも、口から吐いたほうがルートが1番短いからです。
体は非常に賢いシステムです。
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鍼灸で使う代表的なツボとその効果
急性胆嚢炎は治療したことがないけど、慢性胆嚢炎は見たことがあります。詳細は以下の過去症例をご覧ください。
急性胆嚢炎の場合でも治療するツボはほぼ同じです。
胆のう癌であろうと、胆のう炎であろうと、一律足三里下2寸になる「胆のう点」を刺す。
吐きたいのに吐けないときは、内関。
みぞおち辺りが辛いときは、中脘もしくは公孫。
気滞で腫れている感じがあったら、足臨泣+内廷
… …
神が来たら神対策。
鬼が来たら鬼対策。
鍼治療は臨機応変さに優れています。
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中医学は緊急治療にも優れている
急性の病気だと皆さんは救急車を呼んで病院に行くのが普通だと思うでしょう。実際には、漢方薬や鍼灸も救急治療に優れています。しかも副作用がありません。
上記の症例を見ても分かりますが、張静先生は一晩で9割治していました。入院して9割治るでしょうか?
ほかの救急症例はたくさんあります。私の治療例以外にも、たくさんの漢方薬症例を翻訳しています。以下はその一部。
どこが急に辛くなったら、鍼灸治療も効果的なので、ぜひ鍼治療を選択肢として検討してください。
まとめ
急性胆嚢炎は突然の激痛・吐き気・背中の痛みを伴うことが多いですが、鍼灸と漢方薬で早期に改善するケースも少なくありません。
今回の症例のように、早めの対処が回復を大きく左右します。

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