こんにちは、李哲です。
虫垂炎になったら、皆さんは病院を先に思い出して、鍼治療を受ける人はいないでしょう。
「え??虫垂炎は手術しないと死ぬと聞いたけど、鍼で治るの?!」疑う人が多いかも知れません。
今日ご紹介するのは鍼だけで治した例です。大昔から中医学では虫垂炎を簡単に治していました。あなたは鍼灸で治した例を知らないから、びっくりしたでしょう。あなたの認識が変わる記事になると幸いです。
虫垂炎と胆嚢炎で強い腹痛とともに、口が苦い患者
2017年11月10日。
男性、50代。
昨日から腹痛、便秘で大黄牡丹皮湯を飲んで、今日の昼には黒い便が出たそうです。熱は昨日の37度から35.6度に下がってきた。お腹は全体的に痛い。特に右脇腹がつらい。
昨日検査してもらった血液検査データを見せてもらったら、CRP上昇、白血球上昇。炎症反応が強いです。レントゲン撮影したけど、胆のう炎なのか虫垂炎なのか、はっきり分からない。もっと大きい病院で精密検査が必要だそうです。
彼が言うのは、2週間前から便が出きってない、週末になるとまとめてたくさん便が出る感じ。
最初は単なる盲腸炎だと思いましたが、彼の一言で判断が変わりました。彼が言うのは、「2週間前から口が苦いです」
口が苦いのは、『傷寒雑病論』で言う”少陽証”。
五臓六腑で言うと、胆嚢に問題があるときです。
中医学の診断と、鍼治療で起きた変化
確認の為に先にうつ伏せで、胆兪と肝兪あたりを押してみたら圧痛点あり 。仰向けで足三里穴下の盲腸点に圧痛点あり。陽陵泉穴下の胆のう点に圧痛点ありました。耳の反射区を押してみたら、胆のうも盲腸も圧痛点あり。これで診断は終わりました。
私は彼に話しました。
「おそらく胆のうと盲腸、両方に問題があります」
以下からは鍼治療過程での症状の変化、そして中医学の解釈です。
1回目:腹痛は楽になってきた
1回目の治療としては、うつ伏せで肝兪、胆兪。
仰向けでは盲腸点、胆のう点、中脘、天枢、関元、内廷、陽補(6回瀉法を行い)、合谷穴、太衝。
帰る時は「腹痛が減って、さっきよりは楽です」と言ってました。
彼は病気になる2~3週間前、あまりにも見えづらくて「何でこんなに見えないだろう?」と思ったそうです。私は彼に説明しましたが、胆のうは視力にも影響があります。
彼の目がぼやけて見えにくい時から、胆のうに問題が起きたと思います。
2回目:口が苦いのはだいぶ治ったので、胆嚢炎はほぼ完治。下痢便も形がある便に変わった
2017年11月17日。
彼の報告:
大黄牡丹皮湯は昨日まで飲んでいた。
前回の針したあと、帰る時に痛みは減り始めた。今は下痢が少しず形がある便になっている。たまに粘土様便が出ているというので、「まだ残りがある」と彼に教えました。
お腹と右脇腹は痛みはなくなり、少し張っている。ただし、強く押すとお腹は痛い。
口が苦いのはだいぶ消えて、少し残っている。
目は前より焦点を合わせやすくなったけど、まだ見づらい。
食欲は大丈夫で、普通に食べられる。
今日は前回と同じように、盲腸点と胆のう点を押してみてから刺しました。一番響きがあるそうです。
口の中が苦いのは、鍼1回で治した例もあるので、良かったらご覧ください。
3回目:まだ粘液便が出るので、虫垂炎は完治ではない
2017年11月30日。
彼の報告:
黒い便は出なくなった。
今は粘液様の黄色い便が出る。
たまには便が硬く、たまには便がゆるくて不規則。でも、毎日1回は便通がある。
黒い便が出てないのは、胃腸のあたりの内出血が止まったことを示す。黒い便が出る鍼治療例は、以下の記事が参考になります。
腹診でお腹を押してみたけど、圧痛はなかったです。
彼は自分が「ほぼ治っている」と言ってました。
この前、病院の血液検査をしたけど、炎症の反応がない。
全部の鍼を終えて、お茶を飲む時彼が言うのは、「鍼を受けると朝たちが2~3日続けてある。でも、徐々に朝たちがまたなくなります。針をしてから、この1ヶ月は調子が良いです」
4回目:粘土様便は普通の大便になり、虫垂炎は完治だと判断
2017年12月15日。
彼の報告:
粘土様便、ネバネバの便が出るのは消失。普通の大便になり、毎日出る。
腹部、わき腹の痛みはない。
前回の刺絡したあと、内出血で目が真っ赤になったのは、消えたのがとても速かった。3日くらいで白に戻ったそうです。今日は念の為に、背中の肝兪.胆兪を刺すついでに腎兪と天柱も刺しました。
腎兪は朝たちの回復に良くて、天柱は目の疲れに良い。
仰向けではいつものツボ。
足三里穴の下の盲腸圧痛点。
陽陵泉穴の下の胆嚢圧痛点を押してみたけど、痛みは以前と違って軽い。
「鍼を刺して回した時の響きも、前より全然軽いです!」と彼は言ってました。2017年11月10日に腹痛で来て、今日で4回目。胆嚢炎と盲腸炎は消えた、と私は判断しました。
2日に1回来ればもっと早く治ったはずですが、彼は遠いですから仕方がない。愛知県から来ていますので。関連の鍼治療は、これで一段落終わり。
あとは彼が来た時に、視力回復などに集中したいと思います。鍼治療は疲れ目、視力回復に役に立ちます。以下は一つの鍼治療例、どうぞご参考に。
鍼灸の診断と治療は、ツボを押すだけで体を傷つけない
鍼灸の場合、胆のうに問題が起きたのか、盲腸に問題が起きたのかを判断するのは、圧痛点のチェックが多いです。圧痛点はツボ、若しくは耳の反射区で確認する。(西洋医学で言う「マックバーネー点」、「ランツ点」などを押すときもある)
確認するのに、5分もかかりません。
そして、その場ですぐ鍼治療が始まる。
鍼治療後に良くなったかどうかを確認するのも、圧痛点のチェック。あとは、患者さんの自覚症状を基準にします。諸症状が消えて、盲腸と胆嚢の圧痛点もなくなれば、治ったと判断します。
鍼治療は最初から最後まで、体に有害な放射線検査がない。お腹を開けて臓器を切り取る必要もありません。これが鍼灸のいい所。
西洋医学は、検査するだけで命を落とす可能性すらあります。特に造影剤CT検査は、運が悪かったら死にます!
急性虫垂炎の最も多い原因は、早食い
施術するとき、私は彼に教えました。
「虫垂炎は、ご飯を速く食べるのが大きな原因です」
彼が言うのは、「仕事が忙しいので、早食いがあるかも…」
急性虫垂炎になる主な原因は、早食いです。食べ物が消化系につまり過ぎて、炎症を起こしてしまう。つまりが軽い場合は、ちょっと痛い・苦しいだけで自然に治りますが、大量につまった場合は自分で解決できないので、ひどい虫垂炎として現れます。
食べ物は腹8分目。
ゆっくり食べるのが良いです。
急いで食べなければ、虫垂炎になる確率はグッと下がります。
胆のう炎の原因と、胆のうに良い食事
胆嚢炎はいろいろ原因がありますが、過度なストレスと食事の不規則が多いと考えられます。ストレスで肝臓の働きが弱まり、胆汁もつまり気味になる。
お腹が空いた時は、胆液と十二指腸からも消化液が自動的に出ます。食べ物が入ってなかったら、胆液と消化液は逆に身体に負担がかかって、徐々に炎症を起こす元になる。
胆液のつまりをなくすには、酸っぱいもの、たとえば米酢・レモン汁などはオススメ。米酢以外のお酢は、できれば止めたほうが良いです。食事を定期的に取り、酸っぱいものを適当に食べれば、胆嚢の調子は良くなります。
まとめ
いろいろ気をつけてるけど、万が一急性虫垂炎.胆嚢炎になった場合、近くの鍼灸院に尋ねてみて下さい。数回で諸症状が治り、いつもの生活に戻ります。
手術以外にも、鍼灸などで治せることを忘れないでください!
今後、むやみに手術で切るのではなくて、鍼治療で治す人が増える事を願います。
(おわり)
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