こんにちは。李哲です。
今日はアメリカでの中医師:鄭智城先生*1の文章を翻訳しました。西洋医学でいう「セックス依存症」は内臓の病気であり、中医学では治療できる根拠を述べています。同じ病気で悩む方へ参考になると幸いです。
中国語本文のリンク先は、难言之隐的母亲和女儿_郑智城(2013-10-31発表)
もうろな神智が正常に戻り、公衆場所で自慰する現象も消えた
以前、ひどい貧血の母親が「炙甘草湯」で、ヘモグロビン値がすぐ良くなったのを書きました。今回その母親がまた来たけど、自分の為ではなくて娘さんの為でした。
娘さんは10何歳の時に大きな病気になり、退院後は神智がもうろう状態。母と一緒に診察に来た時、いつもウトウトして私の質問にも答えられなかったです。
娘さんの体は急激に太ったそうです。臨床で見ると、病院の薬を飲んだあと急激に体重が増えた女性は多いです。以下は一つの症例、参考にしてください。
母親が言うのは、急激に太った以外に、またほかの症状がある。母親は周りに人がいない事を確認してから、小さな声で私に言いました。
「娘は道徳観念がない…娘は公衆場所で自慰するのです。他の人がいても気にしない。私は止めさせないといけないのです。」
私は頷いて、また質問しました。
「娘さんは怒りっぽいですか?」
「性格は良くないです。怒りっぽい。」
私「便通はどうですか?」
母「便秘ぎみ。」
私「小便は?」
母「ちょっと黄色いです。」
娘さんの舌診をしたら、薄い赤。乾いてない。
脈診したら微、小。
診た感じでは、陰虚証で火が強い。
舌診と脈診では著しくないけど、症状があるので、私は『甘露飲』を処方しました。
びわの葉、麦門冬、天門冬、生地黄、熟地黄、茵蔯、石斛(せっこく)、枳穀(きこく)、甘草、黄芩。6日分。
1ヶ月後、母親と娘さんは二人とも来ました。
今度、娘さんはだいぶ神智がはっきりになって、私と正常に会話ができました。
私は小さな声で、母親に聞きました。
「娘さんはまだ公衆場所で自慰しますか?」
母親は笑ってました。
「イエス様よ!本当に感謝しています。もうなくなりました。先生に感謝します。」
性欲が強すぎるのは「陰虚証」が多い
陰虚証(いんきょしょう)で火が強い人は、だいたい性欲がとても強いです。
例えば中国古代の漢成帝。趙 飛燕(ちょう ひえん)の足を触るだけでも性欲が湧いてくる。これは典型的な陰虚証です。
アメリカの元大統領:クリントンはこの一生、女性との浮気話が絶えません。クリントンも陰虚証です。
腎臓の陰が少なければ少ないほど、性欲が強い。また、腎臓の陰が足りないと、血液はドロドロになり、血管は詰まり気味になります。
だから、クリントン氏は6年間で3回もバイパス手術を受けています。幸いに彼は後で肉食を止めて、体質が徐々に変わっている。
少し前に、ある中年男性が治療に来たことがあります。
男性が言うのは、自分の性欲が強すぎ。
普段、露出度が高い服装の女性を見ただけで、下半身が勃起する。同時に、男性は頭に持病があしました。たくさんの大小不一のかぶれ物があり、海鮮など食べると、すぐ頭に炎症が起きて膿が出るそうです。
私はパット見ただけで分かりました。
彼はきっとある時期に、すごい房事(性行為、自慰を含め)が多かった。
彼が言うのは、確かにそんな時期がありました。
西洋医学は自慰(マスターベーション)は体にいいというけど、本当に間違いだらけで、害しかない理論です!
李哲の説明:性欲が強すぎるのは、腎臓の「陰虚証」
腎臓と生殖器系との関連性、年齢別の房事(性行為)回数のオススメなどは、前の記事で書きました。
中医学で言う”陰”は、”陽気”を格納するための物質的な土台です。
腎臓の陰が足りない時、陽気が格納しきれないので逆流する。
陽気はエネルギーでパワー。
欲望などの気持ちも陽気に属します。
性欲ももちろん陽気の範囲に属する。
腎臓の陰が足りないのは、大きな原因は3つ考えられます。
陰虚証の原因1:夜更かし
夜寝ないのは、大量の肝臓と腎臓の血液を消耗する。中医学では陰を消耗すると言います。
夜ふかしが原因で髪の毛が抜けるので、女性の方は特に要注意です。私が台湾の中医学診療所に行ったときの記事で、詳しく説明しているので、どうぞご覧ください。
陰虚証の原因2:西洋薬で腎臓を傷つけた
西洋薬でED(ぼっき不全)になった男性は、山ほどいます。例えばコレステロールを下げる薬、血圧を下げる薬。関連の漢方薬症例は、以下の記事をご覧ください。
西洋薬は肝臓と腎臓、この2つの臓器に負荷をかけるので、飲み続けると肝臓・腎臓がダメになります。
肝臓と腎臓は、生殖器の機能と最も関係がある臓器です。機能低下になったら、もちろん生殖機能の異常が見られます。
陰虚証の原因3:房事(性行為、自慰を含め)が多すぎ
体力に見合う適当な房事は健康にいいですが、多すぎは逆にとても悪い。短命を買う行動です!精子は腎臓の貴重な“陰”!
精子を出し過ぎると、腎臓の陽気を収める事ができないので、性欲が強すぎるわけ。
精子は出れば出るほど、必要以上に欲望が強くなり、少しの事でも性衝動が起きます。上記の男性みたいに。
性欲が強すぎる「陰虚証」を治せるのは、中医学だけ
適当な性欲があるのは正常です。
性欲が強すぎるのは、内臓の病気。
(性欲がないのも内臓の病気です)
西洋医学はせックス依存症の病名をつけて、「心の病だから精神科に見て下さい」と言うでしょう。
はっきり言いますが、無駄です。
なぜなら、心の病ではないからです。
逆に精神科の薬を飲むと、男性性器が立たなくなり(ED)、脳みそが減って認知症になります。
正しい治療は、腎臓の陰を補う。
物質的な土台を治すのが課題です。
こんな事ができるのは、中医学しかない!
中医学は独自の理論があって、性欲が強すぎの場合の治療ができる。性欲がない時も出るように治療ができます。
鍼の場合は同じツボを刺します。
関元、中極、太衝、腎兪、肝兪、心兪、三陰交、血海など。陰(血)を養うツボはたくさんある。
あとは、その時の症状によって、ツボを選択すれば良いです。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。
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