こんにちは、李哲です。
10年以上、補聴器を付けても会話ができなかった女性が、鍼1回目で自分の声が聞こえ始めた。 ひどい耳鳴り・難聴・膝痛・嗅覚障害・夜間頻尿…複数の不調が同時に動き出した、驚きの初期変化をまとめました。
難聴・耳鳴りで補聴器生活の60代女性
女性、60代。
私が治療した息子さんが連れてきました。
主訴は以下の通りです。
- ひどい耳鳴りがして、聞こえが悪いです。
- つることがあり、特に膝から下がひどいです。
- たまに右膝が痛いです。
- 右のお尻に違和感があります。
- におい(嗅覚)が悪いです。
- 困るほどではないが、味見をしても分からない時があります。
- 体のバランスが悪くまっすぐ歩くのが苦手で、片足立ちはふらつきます。
- 腹筋が苦手で、できないです。
- 右肩がこって痛いです。
- 両目とも視力は0.7ですが、老眼が進んで困っています。
私は彼女から耳鳴りと難聴のキッカケなどを聞きました。
彼女が言うのは、10年前から耳が遠くて、最近は正面からじゃないと声かけても分からない。
静かなところでは、補聴器をつけてなんとか聞こえるけど、うるさい所では他の音ばかり拾って、まったく会話にならないそうです。

彼女が言うのは、
「なぜか不調は右ばかりです。肩、お尻、膝…全部右が痛いです」
中医学では、左と右の痛みは違うと考えています。詳しくは以下の記事に書いてありますので、どうぞご参考にしてください。
彼女は耳鳴り.耳が聞こえない以外に、もう一つ自覚症状があります。それは両足の指先の感覚マヒ。10年前から難聴と一緒に起きたそうです。あとは嗅覚障害ががあり、孫のうんちが出ても匂いが分からない。
以上が彼女の主な症状です。
普通の腎機能低下と違う症状。
私も初めて診るので、最初から治せるとか言えません。ただし、治療法は彼女の自覚症状を基準にして選びました。
鍼治療1〜10回の変化(前半)
以下は私の施術記録です。
いろんな症状と解釈を書いてあります。
1~2回目の鍼で、自分の声が大きく聞こえてきた
2017年6月1日。
1回目の鍼。
刺したツボは内膝眼、外膝眼、鶴頂、陽陵泉から陰陵泉穴をつなげる(この4つのツボを膝五鍼とも呼びます)中脘、巨闕、天枢、気海、足臨泣、(左)、束骨(左)、後渓穴(左)、太衝、合谷穴、迎香穴(3寸の鍼で内迎香穴までつなげる)。耳周りのツボは聴宮、聴会。
主な目的は、
- 聴力改善を狙う
- 膝痛を治す
- 右肩、右首の痛みを治す
- 嗅覚障害を治す
アメリカ・スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師は漢方薬で耳垂れ・聴力低下の女性を治した例があります。漢方薬+鍼治療だと相乗効果があるので、興味がある方はぜひご覧ください。

2017年6月2日。
2回目。
彼女の報告:
「聞こえが少し良くなった」と家族が言われた。
自分の声が、前より大きく聞こえる。
以前は補聴器を付けても、自分の声は聞こえなかった。
右肩はまだ痛い。
嗅覚は変化なし。
右膝の痛みは軽くなった。
右のお尻の痛みは、もう治った。
お尻の痛みは、基本的に1回で改善もしくは完治できる症状です。鍼治療例ではないですが、過去に足つぼ整体の施術をした時の記録があります。どうぞご覧ください。
両足の指先のしびれ(マヒ)は、ほんの少しだけ軽くなった。
彼女「なぜか左より、右の鍼が全体的に痛いです」
私「つまりが酷いと、鍼の響きも増えます」
彼女はまた話しました。
「迎香穴を刺すと、鼻の通りが良くなるのが分かります」
迎香穴で鼻がす~~と通るのは、ほかのひどい花粉症患者からも話を聞きました。以下の記事、参考になると幸いです。
3〜4回目:左耳の聞こえ・右膝痛が改善
2017年6月8日。
3回目。
彼女の報告:
以前は補聴器を付けても、左耳は聞こえなかったけど今は聞こえる。今までは右耳だけで聞いたそうです。
右肩の痛みはまだあり。よく聞いたら一箇所のみ。場所を調べたら肩井穴のあたりでした。
肩井穴は肩こりなどに非常に有効なツボ、鍼しても良いしお灸しても良いです。紹介した記事は以下をご覧ください。
右膝の内側の痛みは、だいぶ良くなりました。
鍼を始める前に話をした時、「左耳で自分の声が大きく聞こえる」と言ってました。
耳鳴りは進歩なし。
嗅覚障害と両足の指先のしびれ(マヒ)も、進歩なし。
今日は復溜などを追加して、あとは右の肩井穴に刺絡しました。以下、刺絡療法を紹介した記事があるので、読んだことがない方はどうぞご覧ください。

2017年6月10日。
4回目。
彼女の報告:
耳鳴りは変わらない。
聞こえは前より良いけど、前回からは著しい変化はない。1回目の鍼での変化が一番すごかった。
右肩はまだ痛い。
スポーツジムで、お尻のストレッチをする時、お尻の外側にぴりっと痛くなる時がある。
お尻が痛い患者さんは、数え切れないほど見ました。1発で効果が分かった方がほとんど。鍼灸にとっては朝飯前だと言っても過言ではないです。以下はもう一つの症例、参考になると幸いです。
今日はいつものツボ以外に、外関(左)を刺して瀉法で強く回しました。右膝の内側の痛みは主訴がないので、今日は膝の鍼はしてない。背中では腎兪、京門、肺兪、風池などを追加。
- 腎兪、京門は腎機能を向上するため。
- 肺兪は肺機能を向上して、嗅覚が戻るようにするため。
- 風池は、鼻の通りをもっと良くするため。
施術のあと話を聞いたら、彼女が言うのは「今日の鍼はすごく痛かった。 特に太衝は鍼を抜いたあとでもじんじんしている。でも、いつも少し歩けばすぐ治るので大丈夫です」

5〜6回目:耳鳴りが小さく、尿の勢い改善
2017年6月15日。
5回目。
彼女の報告:
右膝の痛みは前回施術してないせいか、今回も少し痛い。
耳鳴りは変化があった。以前は大きな音がしたけど、今は小さい音に変わっている。
両足の指先のしびれ(マヒ)は変化なし。
右肩の肩井穴あたりの痛みは変化なし。
同じ筋に沿って、首と頭まで痛くなる時がある。
右のお尻の外側が痛いと言うので、今日は最初に環跳を刺して、その後はいつものツボ。

彼女が言うのは、「以前は尿を我慢したあと、トイレに行くと尿が出なかったけど、今は尿の勢いは良いです」
夜中のトイレも1回(朝6時前)で済む。
今日は耳鳴りの為に、霊骨(董氏奇穴)を刺したけど、彼女が言うのは「回した時に雷が鳴った感じがします」
鍼治療で雷が鳴る感想は、ほかの患者からもありました。以下の記事、参考になると幸いです。

2017年6月16日。
6回目。
お店に入った時、彼女は満面の笑みでした。
彼女が言うのは、昨日お風呂に入った時、補聴器が邪魔で外したら、異様に自分の声が大きく聞こえて、そのまま外してみた。
その後、家族と晩ごはんを一緒に食べたけど、補聴器なしで普通に会話が出来た。「すごい!」と家族が喜んでいた。
右肩の痛みはまだあり。ただし、以前はじっとしていても痛かったけど、今はある角度で痛くなる。
両足の指先のしびれ(マヒ)は進歩なし。
今日はいつものツボ以外に、湧泉穴を追加。

彼女からほかの感想がありました。
彼女「ジムで運動が終わったあと、お腹が空くのは分かるけど、最近はめちゃくちゃお腹が鳴っているから恥ずかしいです。胃腸が前より活発になってますね~(笑)」
私「お腹が空いて鳴るのは正常ですよ。おめでたいことです。」
彼女が気にしていた症状。
老眼で近い所がよく見えない。
これは次回から晴明穴などで治療したいと思います。
健康な体であれば、お腹が空いたときに胃腸がゴロゴロ鳴ります。ほかにも、健康な体を判断する基準があるので、ぜひ以下のチェック項目記事をご覧ください。
7〜10回目:左耳の聞こえが安定し始める
2017年6月22日。
7回目。
彼女の報告:
左耳は補聴器なしでも聞こえる。
耳鳴りはまだあるけど前より良い。
「エレベーターで高い所に行ったみたいに、飲み込むと一瞬で耳が開きそうだけど、あと一歩の感じです」と彼女が言ってました。
右のお尻の外側の痛みはまだあり。
右肩と右膝の痛みは、だいぶ良くなった。
今日はいつものツボ以外に、晴明穴.太陽穴.頭臨泣など目を良くする為のツボを追加。

2017年6月23日。
8回目。
彼女の報告:
左耳は補聴器なしでも会話ができる時もあるし、できない時もある。右耳はまだ変化なし。彼女が不思議がったのは、左耳が悪いのに左耳が先に変わったこと。
右肩の肩井穴の痛みは、押すと痛いけど普段は分からない。右膝の痛みはだいぶ治って、1~2割くらいしか残ってない。
膝痛はわりと治しやすい症状です。
ケガであろうと使い過ぎで痛めたであろうと、鍼治療はみんな効果があります。以下は筋トレヤリ過ぎで膝痛が起きた患者の治療記録。参考になると幸いです。
2017年6月29日。
9回目。
彼女の報告:
左耳はけっこう頻繁に、自分の声が高く聞こえる。
右耳はまだ変化なし。
両足の指先のしびれは、変化なし。
右肩と右膝の痛みは、あともう少しで消える感じ。
2017年6月30日。
10回目。
彼女の報告:
昨日帰って、孫たちの声が大きく聞こえ過ぎて、補聴器を外した。でも、長い間外すとまた聞こえが悪いので補聴器を付ける。右耳は変化なし。

両足の指先のしびれは、今朝起きた時なくなったけど、しばらく経つとまたもとに戻った。
昨日は夜10時から朝6時までグッスリ寝て、夜中一回もトイレに行ってない。以前は必ず1回行った。「これは鍼の効果ですね~」と彼女が言ってました。夜間頻尿は鍼治療の効果がとても良いです。以下はもう一人の女性の治療例、どうぞご参考に。

目は遠い所はハッキリ見えて来たけど、近い所はまだよく見えない。
今日はいつものツボ以外に、足三里と地五会を追加。 この2つはセットになると、腎虚証からくる耳鳴りに良い。昔の鍼のゴロに書いてあります。
今日の施術のあと、彼女はお茶を飲みながら話してました。
「自分は今まで鍼を受けたことがない。息子が行ってみろ、行ってみろと言うから来てみたけど、こんなに鍼で変わるとは思ってもなかったです。今は耳がだいぶ聞こえているので、もう少し経ったら病院に行って補聴器を調整してもらいます」
↓後編へ続く↓

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