左と右の痛みは、中医学理論で意味が違います

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こんにちは、李哲です。

臨床治療でよく”不思議”な患者さんを見ます。
肩とか腰とか痛いけど、両方痛いのではなくて左だけ痛い。もしくは右だけ。

なんで片方だけ痛いのか?
今日は中医学理論で説明します。

人間の体は、左右同時に痛くならない

人間の体は左右非対称です。
手足の力、視力、聴力などみんな左右非対称。

痛みが生じた場合でも、どちらか弱い方に流れて片方だけ痛くなります。脳卒中になった人、ほとんど半身麻痺でしょう?左右同時に麻痺するのはありません。

怪我をしたとしても、左右対称に痛くなるのはありえません。必ず片方だけ怪我をする、もしくは片方の痛みが強いです。これは体の自己防衛機能だと言えます。

両側が同時に痛くなった時は、西洋薬の副作用。
ニハイシャ先生1は症例で説明しているので、どうぞ参考にしてください。

左側が痛いのは「血」、右側が痛いのは「気」が関連している

中医学理論で言うと、『左主血、右主気』。
言い換えると、左側が痛い場合は血の問題で、右側が痛い場合は気の問題です。

また、中医学理論で
『血』は『陰』。
『気』は『陽』。

『陽』は表で、『陰』は裏。
『陽』から『陰』に入ったのは、もっと重症になったのを示します。

例え話ですが、脳血管障害(脳卒中)で左手が動けなくなったのは重症。右手だけ動けなくなったら、これは軽いほうです。

女性の生理痛、ほとんど左側が痛い

もう一つ、例をあげます。
生理痛があって、血の塊が出る女性。
ほとんど左側の下腹部が痛いです。
なぜかというと、左は血が司るからです。生理痛は瘀血(おけつ)が原因の時が多いです。

漢方薬を処方する時は、血の巡りをよくして瘀血を溶かす生薬を使うのが一般的。例えば牡丹皮、芍薬、桃仁、大黄など。以下は強烈な生薬、大黄と甘遂などを使って難治の子宮内膜症の腰痛・腹痛を治した例。参考になると幸いです。

右側の下腹部が痛い場合は、気滞(きたい)が原因。
なので、漢方薬には気の流れを改善する陳皮・白附子・枳殻など。

臨床では気滞が原因の女性は、ほとんど見られません。

男女の左右の脈は違う

面白いのは、中医学で男女の左右の脈は逆なのです。
簡単にいうと『男左女右』。

男性は陽。つまり、気です。
だから、右側の脈が強いはず。
右の脈が弱い場合は気虚なので、気を補うことが大事です。

女性は陰。つまり、血です。
だから、左側の脈が強いのが正常です。
左の脈が弱い場合は血虚なので、血を補うことが大事。

男性と女性は、左右の脈が違う。

男性と女性は、左右の脈が違う。

 

『男左女右』に関して現実の例をちょっとあげます。
男は歩き出すとき、大体左足を出す人が多いです。
女は右足を出す人が多い。

興味がある方は、観察してみてください。

中医学理論は面白いのが多いので、今後話題を見つけた次第またご紹介します。

(おわり)

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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