「歩けない」「食べられない」「冷汗が止まらない」。
13歳から続いた原因不明の重い倦怠感で、少女は数年間ほぼ寝たきりでした。
しかし、中医学の“弁証論治”による漢方治療で、わずか3ヶ月後には散歩や階段の上り下りまでできるように――。
本記事では、その劇的な回復の過程と、なぜ以前の治療が効かなかったのかを詳しく解説します。
※スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師1の治療例:又一個奇特的少女病例(09/13/2021公開)を李哲が完全翻訳しました。
少女を襲った強い倦怠感と冷汗の発症経緯
患者さんはもうすぐ20歳になる若い女の子、中国広東省に住んでいます。顔立ちが綺麗で、礼儀正しい 子。13歳の時ある日風邪を引いたとき、朝ごはんを食べてないまま漢方薬の藿香正气水を飲んで、学校の試験場に向かいました。
試験中、彼女は集中力がなくなり、 手足から冷や汗が吹き出ました。その後から非常な倦怠感に襲われ、勉強するのにも宿題をやるのにも手足から冷やしが出て、元々始まった生理も1年ぐらい来なくなりました。
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倒れるほどの虚弱状態と日常生活への影響
14歳の時、患者は学校でいきなり倒れました。頭がはっきりしてるのに全身に力が出なくて、目は何も見えません。その後、さらに倦怠感に襲われ、ご飯を食べるのも疲れる。
1回の食事に2~3時間もかかって、 頑張っても少しか食べられない。食後は歯を磨く力もなく、結局を虫歯でほとんどの歯がダメになりました。これで食事はさらに難しくなりました。
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西洋医学で改善しなかった理由
15歳の時はもっと弱くなり、ご飯を食べることすらできません。西洋医学の病院に緊急入院して、1週間治療を受けたけど無効。その後は児童病院で30日治療したけど効果なし。流動性の食べ物でなんとか生きています。
去年、患者はずっと学校を休んで自宅療養。ほとんどの時間はペットで寝ています。 動くこともないし、外出することはさらに無理です。
患者の睡眠時間を非常に乱れて、よく朝の5~6時ぐらいから寝て、午後の5~6時に起きます。普段の尿の回数は少なくて、便通も数日に1回。患者は中国深圳で中医学治療を何回か受けたけど、目立つ効果はなかったです。

中医学の弁証論治による初回治療の反応
治療はどうすればいいのか?
これは手が焼ける問題でした。
もともとオンライン診察は、得られる様々な情報が足りません。何年も病気になった人は、漢方薬を飲んだ時、一般人と反応が違います。だから最初は軽い漢方薬で患者さんの体の反応を見ながら調整することにしました。
最初に出した漢方薬は浮小麥、なつめ、炙甘草、遠志、酸棗仁、川芎、知母、茯苓、茯神、炙黃耆,桂円肉、百合、生地。

漢方薬を飲んだあと、患者の反応はまあまあ良かったです。 大きな進歩はないけど会話、表情、動きのスピードなどに進歩が現れ、深く寝られる時間が増えて、ベッドからも降りて歩けるようになりました。患者のお父さんが言うのは、「生命力が増えた感じ」。
3ヶ月で歩行・睡眠・運動が改善した経過
2回目の処方箋は、少し増強版にしました。
当帰四逆湯+四物湯をベースにして、炙黄耆と大小便を良くする生薬を入れました。患者の動作、歩く、反応などは持続的に進歩が現れ、患者のお父さんが言うのは、正常な人の6割くらいになったそうです。睡眠時間も段々改善されて、午後4~5時に起きたのが午前中に起きるようになりました。
4回目の診察。患者の状況はだいぶ良くなって、昼間はベッドで寝ないで家の中を歩いています。動き・反応・階段の上り下がりは普段より早くなり機敏になって、羽根けり運動ができるようになりました。
患者のお父さんは診察中に興奮して話しました。
「娘が何年も病気になり、疲労感で外出すらできなかったけど、今はみんなで散歩ができます。3ヶ月の治療でやっと希望が見えました!」
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なぜ以前の漢方治療は効かなかったのか
患者は病気になってから、漢方薬を飲んだのも少なくないです。たくさんの処方箋は大量に補う・陽気を強化する生薬でした。患者は不思議な症状があるけど、内臓はそこまでひどくないです。長年の虚弱体質で、逆に大量に補う・陽気を強化する生薬が受け入れなくなりました。
甘麦大棗湯は、「婦人藏燥、悲傷欲哭」だけに使うものではありません。酸棗仁湯も「虛勞虛煩不得眠 」だけに使うものではありません。

一つ一つの生薬の性質と体内で起こす変化を把握する必要があり、生薬の性質を利用して体のバランスを戻して、外部に現れる様々な辛い症状を治すことが大事です。
弁証論治が中医学で最も重要な理由
生薬は高ければ高いほど、貴重であればあるほど、治療効果が高いとは限りません。弁証論治が必要なのです。
弁証論治の意義は、様々な症状に合わせるのではなくて、全体的に症状を見て体内の根本的な問題を分析する、つまり「証」を掴めることです。
現在、たくさんの中医師・中医学愛好者は辨証を辨症にしています。さらに、『傷寒雑病論』は「症状に対応する処方箋」だと本まで出しています。病気が良くならなかったら、生附子を50~60g、加工した附子(トリカブト)は80~90gまで、さらに麻黄を100gまで処方!

患者と患者の家族は、慎重に漢方医を選ばないといけません。これはお金の無駄遣いだけではなくて、病状を悪化させて、最適な治療タイミングを逃し、命を落とす可能性まであります!
李哲の説明:症例の背景と中医学的考察
生理が止まった原因は一つではない
生理が止まったのは様々な原因があります。治す漢方薬もいろいろ。西洋医学みたいに万人向けの治療薬がありません。患者さんの諸症状を見てから判断します。以下は一つの症例、参考にして下さい。
倒れる症状は中医学では解釈できる
いきなり倒れるのは、西洋医学にとって不可解な症状でしょう。しかし、中医学では解決策があります。以下はニハイシャ先生2の症例、参考にして下さい。
🔗いきなり倒れる・生理が止まる・夜尿症が同時に改善した中医学の症例
四物湯・当帰四逆湯の役割と補血の重要性
李哲の説明:
四物湯は超有名な補血剤。貧血を治すときは、ほぼ四物湯をベースにしてアレンジします。もちろん、四物湯単体だけでも奏功するときがあります。以下は一つの症例、参考になると幸いです。
🔗氷食症を四物湯ベースで改善した症例はこちら
甘麦大棗湯・酸棗仁湯は精神症状にも応用できる
甘麦大棗湯+酸棗仁湯はごく普通の漢方薬だけど、使う場面によっては効果バツグンです。以下はもう一つの症例、精神疾患でも治せるのです。
🔗大声で叫ぶ・精神不安が甘麦大棗湯+酸棗仁湯で改善した例
弁証論治が間違うと治らない理由
中医学の難しいところは弁証論治です。
分析が合っている場合、ごく一般的な漢方薬だけでも重そうな病気がすぐ治る。分析が間違ったときは、いくら劇薬を使っても効き目がないです。
弁証論治の有名な話として、異病同治と同病異治があります。
西洋医学ではあり得ない概念だけど、中医学ではこの理論をもとに病気を治しています。以下は2つの症例、参考になると幸いです。
🔗異病同治:柴胡桂枝乾姜湯で複数疾患が改善した症例
🔗同病異治:ライム病でも治療が異なる理由を解説
漢方医選びは「自覚症状の変化」が基準になる
漢方薬、鍼灸はもちろん副作用がなくて治療効果も良いです。病院の治療よりも最優先に選ぶべきです。しかし、中医学先生は修行次第でレベルがバラバラ、治せる人と治せない人の差が激しいです。
「漢方薬は効かない!」と文句をつける人は、おそらく治せない中医学先生に出会ったかも知れません。
どうすれば良い中医学先生に出会ったと判断できるのか?
一言でまとめるのは乱暴ですが、皆さんの大きな参考にはなると思います。それは自覚症状を根拠にすること。自覚症状が良くなったら有効。自覚症状が改善しない、さらに悪化した感じだったら有害な治療方法。
🔎合わせた読みたい:治療の有効・無効を自覚症状で判断する方法はこちら
まとめ:長年の倦怠感でも中医学なら改善できる可能性がある
- 13歳から続いた原因不明の倦怠感・冷汗・無月経
- 西洋医学では改善せず、寝たきり状態に
- 中医学の弁証論治に基づく漢方治療で、 3ヶ月後には歩行・睡眠・運動が大幅に改善
- 以前の漢方治療が効かなかったのは「証」が合っていなかったため
- 中医学では、症状ではなく体全体のバランスを見て治療することが重要
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李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
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倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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