こんにちは、李哲です。
スタンフォード大学の博士、李宗恩先生1の治療例を翻訳しました。
倦怠感(疲労感)がひどくて食事もできない。外を歩くのもできない。西洋医学の数年に渡る治療では全く効果なし。幸いにも中医学治療で新しい人生が始められました。
コロナの後遺症として倦怠感が多く見られますが、中医学は原因を問わず倦怠感であれば治す方法があります。ぜひ信頼できる所で治してもらってください。以下からは翻訳文になります。
集中力がなくなり、手足から冷え汗が吹き出て、非常に強い倦怠感がある患者
患者さんはもうすぐ20歳になる若い女の子、中国広東省に住んでいます。顔立ちが綺麗で、礼儀正しい 子。13歳の時ある日風邪を引いたとき、朝ごはんを食べてないまま漢方薬の藿香正气水を飲んで、学校の試験場に向かいました。
試験中、彼女は集中力がなくなり、 手足から冷や汗が吹き出ました。その後から非常な倦怠感に襲われ、勉強するのにも宿題をやるのにも手足から冷やしが出て、元々始まった生理も1年ぐらい来なくなりました。
14歳の時、患者は学校でいきなり倒れました。頭がはっきりしてるのに全身に力が出なくて、目は何も見えません。その後、さらに倦怠感に襲われ、ご飯を食べるのも疲れる。1回の食事に2~3時間もかかって、 頑張っても少しか食べられない。食後は歯を磨く力もなく、結局を虫歯でほとんどの歯がダメになりました。これで食事はさらに難しくなりました。
西洋医学の治療を受けたけど効果なし
15歳の時はもっと弱くなり、ご飯を食べることすらできません。西洋医学の病院に緊急入院して、1週間治療を受けたけど無効。その後は児童病院で30日治療したけど効果なし。流動性の食べ物でなんとか生きています。
去年、患者はずっと学校を休んで自宅療養。ほとんどの時間はペットで寝ています。 動くこともないし、外出することはさらに無理です。
患者の睡眠時間を非常に乱れて、よく朝の5~6時ぐらいから寝て、午後の5~6時に起きます。普段の尿の回数は少なくて、便通も数日に1回。患者は中国深圳で中医学治療を何回か受けたけど、目立つ効果はなかったです。
1回目の漢方薬治療で生命力が増えた
治療はどうすればいいのか?
これは手が焼ける問題でした。
もともとオンライン診察は、得られる様々な情報が足りません。 何年も病気になった人は、漢方薬を飲んだ時、一般人と反応が違います。だから最初は軽い漢方薬で患者さんの体の反応を見ながら調整することにしました。最初に出した漢方薬は浮小麥、なつめ、炙甘草、遠志、酸棗仁、川芎、知母、茯苓、茯神、炙黃耆,桂円肉、百合、生地。
漢方薬を飲んだあと、患者の反応はまあまあ良かったです。 大きな進歩はないけど会話、表情、動きのスピードなどに進歩が現れ、深く寝られる時間が増えて、ベッドからも降りて歩けるようになりました。患者のお父さんが言うのは、「生命力が増えた感じ」。
だいぶ良くなって、運動・散歩もできるようになった
2回目の処方箋は、少し増強版にしました。
当帰四逆湯+四物湯をベースにして、炙黄耆と大小便を良くする生薬を入れました。患者の動作、歩く、反応などは持続的に進歩が現れ、患者のお父さんが言うのは、正常な人の6割くらいになったそうです。睡眠時間も段々改善されて、午後4~5時に起きたのが午前中に起きるようになりました。
4回目の診察。患者の状況はだいぶ良くなって、昼間はベッドで寝ないで家の中を歩いています。動き・反応・階段の上り下がりは普段より早くなり機敏になって、羽根けり運動ができるようになりました。
患者のお父さんは診察中に興奮して話しました。
「娘が何年も病気になり、疲労感で外出すらできなかったけど、今はみんなで散歩ができます。3ヶ月の治療でやっと希望が見えました!」
以前の漢方薬治療が無効だった原因
患者は病気になってから、漢方薬を飲んだのも少なくないです。たくさんの処方箋は大量に補う・陽気を強化する生薬でした。患者は不思議な症状があるけど、内臓はそこまでひどくないです。長年の虚弱体質で、逆に大量に補う・陽気を強化する生薬が受け入れなくなりました。
甘麦大棗湯は、「婦人藏燥、悲傷欲哭」だけに使うものではありません。酸棗仁湯も「虛勞虛煩不得眠 」だけに使うものではありません。
一つ一つの生薬の性質と体内で起こす変化を把握する必要があり、生薬の性質を利用して体のバランスを戻して、外部に現れる様々な辛い症状を治すことが大事です。
弁証論治の大事さ
生薬は高ければ高いほど、貴重であればあるほど、治療効果が高いとは限りません。弁証論治が必要なのです。
弁証論治の意義は、様々な症状に合わせるのではなくて、全体的に症状を見て体内の根本的な問題を分析する、つまり「証」を掴めることです。
現在、たくさんの中医師・中医学愛好者は辨証を辨症にしています。さらに、『傷寒雑病論』は「症状に対応する処方箋」だと本まで出しています。病気が良くならなかったら、生附子を50~60g、加工した附子(トリカブト)は80~90gまで、さらに麻黄を100gまで処方!
患者と患者の家族は、慎重に漢方医を選ばないといけません。これはお金の無駄遣いだけではなくて、病状を悪化させて、最適な治療タイミングを逃し、命を落とす可能性まであります!
(おわり)
李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
↩︎倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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