同病異治:同じライム病でも漢方薬治療が違うのは訳がある。ライム病は風邪を引いたのが原因。

この記事は約5分で読めます。

こんにちは。李哲です。
倪海夏(ニハイシャ)先生1の治療日記を翻訳しました。中国語本文のリンク先は、同病異治

風邪をちゃんと治さなかったら、ライム病だと診断されるかも知れないので、風邪を引いたら漢方でさっさと治しましょう。

以下は翻訳文

03/12/2007。
白人の双子、17歳。
二人ともライム病だと診断されました。

お兄さんは去年、頭痛.鼻づまり、体の痛み、悪寒、倦怠感、集中力がないなどの症状があって、病院に行って検査したらライム病だと診断。何種類のビタミン剤と痛み止め薬.抗生物質を処方したけど、今でも症状は緩和されていません。

ライム病は風邪のなごり、漢方薬で治せるのです

ライム病は風邪のなごり、漢方薬で治せるのです

同時に弟さんもライム病だと診断されました。
たくさんの抗生物質とビタミン剤を飲んだけど、いまだに良くなっていない。

今日私のところを訪ねてきたのは、お母さんの友人が紹介してくれたので。お母さんはたくさんの薬とビタミン剤を持ってきて、「今まで何の役にも立たなかったのに、飲む必要がありますか?」とバカな質問をしてきました。

李哲の説明:
ビタミン剤は病気が治るところか、逆に病気が増えるので、飲まないでください。関連記事は以下をご覧ください。

ビタミンAとビタミンEで心臓病・癌になる確率が高まる【フィンランド政府の調査報告】

この双子兄弟は西洋医学で同じライム病だけど、中医学の理論ではまったく違います。

ニハイシャ先生
ニハイシャ先生

ぐっすり朝まで眠れますか?

患者
患者

寝付きが悪いです。毎晩1時~3時は必ず起きる。3時以後になると寝れます。

ニハイシャ先生
ニハイシャ先生

両足は冷たいですか?

患者
患者

とても冷たいです!

ニハイシャ先生
ニハイシャ先生

食欲はどうですか?

患者
患者

良くないです。

ニハイシャ先生
ニハイシャ先生

喉は渇きますか?

患者
患者

乾きます。でも温かい水しか飲まない
小便は中黄色~深黄色。
上半身は熱くて、下半身が冷たいです。

以上で問診は終わり。

お兄さんは中医学の診断では、上熱下寒、肝臓が損傷している。だから、夜1時~3時には必ず起きる。病気は少陰と厥陰段階の間にあります。

お兄さんの肝臓はすでに抗生物質に破壊されているので、処方箋には肝臓を修復する生薬をまた入れました。

私が出した処方箋は、『傷寒雑病論』の少陰篇にあるものと黄芩黄連など上半身の熱を取り除くやつ、加工したトリカブトなどで下焦の冷えを取り除くようにしました。

f:id:li-hari:20180608130024j:plain

黄芩(おうごん)の画像

これで熱と寒気が混ざっている症状を、同時に治すことができます。

李哲の説明:
「上熱下寒」の体質は、臨床でよく見られます。重症だと言ってもいいでしょう。治すのには時間がかかりますが、1~2回施術するだけでも効果は見られます。以下は一つの症例、参考になると幸いです。

1回で異常な眠気が改善して目が冴え、数回で生理前の頭痛、顔のほてりが治った:鎮痛剤から解放された女性(上)

以下は弟の症状。

  • お兄さんと同じように、寝付きが悪い。夜1時~3時には必ず起きる。
  • 喉はとても乾く。でも、冷たい水を飲みたがる。
  • 体はとても熱くて、両足もとても熱い。
  • 食欲は非常に良くて、大食い。
  • 小便は中黄色。

弟はお兄さんと違って、とても熱がりです。

傷寒雑病論』の弁証法では、彼は陽明症。なので、私は「白虎湯」をアレンジして、肝臓の毒素を出す生薬を入れました。

李哲の説明:
「白虎湯」の症例はほかにもあります。肺の熱が原因で寝言を言いながら、動き回るご主人を治すために処されました。以下の記事、どうぞご覧ください。

妊娠高血圧症候群で、中絶するしかない奥さん。肺の熱が原因で、寝言を言いながら動きまわる・落ち着きがないご主人。

パット見ても分かりますが、弟さんはお兄さんより症状が軽い。回復も速いと思います。

彼らは西洋医学の診断で同じライム病だけど、中医学の処方箋はまったく違う。これが経方家の診断法と臨機応変です。もし、彼らが温病派の中医師に診てもらったら、陰虚証だと言われるでしょう。そして、同じ処方箋を出す。

皆さんは私がいう経方家が理解できたでしょうか。
現在、99%の中医師は温病派です。だから、皆さんはこのような治療法と処方箋が見られません。

双子兄弟のライム病は、もともと風邪をひいたのがきっかけです。でも、ちゃんと治してなかったので、邪気が深いところまで入って今の様々な自覚症状が現れ、西洋医学ではライム病だと診断したのです。

李哲の説明:
風邪を抗生物質で治すと、風邪のウィルスはどんどん深い内臓に入り込んで、もっと多い問題を作り出します。以下の小論文では、具体的にどんな症状が起きるかを分析しました。参考になると幸いです。

風邪薬の副作用:だるい、吐き気、めまい、下痢はなぜ起きるのか?中医学の理論では、薬で風邪が悪化したからです

お兄さんは体質が弱くて、もっと深いところに入り、私が診た時は、すでに少陰と厥陰段階の間でした。治すのにはかなり日にちがかかります。

弟さんは体質がわりと強くて、風邪の治療で失敗したけど、まだ陽明症の段階です。わりと浅いところなので、回復が速いはず。

経方家は病気の段階が見えるけど、温病派の中医師はできません。

(人紀クラスの生徒さんに託する言葉は省略)

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました