こんにちは、李哲です。
中国河南省石家荘市の有能な女医、張静先生1の漢方薬と鍼灸治療の症例(很严重的湿疹、2025年3月7日発表)を翻訳しました。
全身に広がって(特に目と手がひどい)日常生活すらできなくなった女性が、漢方薬と鍼で治った内容です。ひどい湿疹など皮膚病で悩んでいる方、ぜひ参考になると幸いです。
患者の主訴
患者さんは48歳の女性。
全身に湿疹があり、特に手に重症。使い捨てのゴム手袋を常時着用し、夜間就寝時も外せない。外すと皮膚が乾燥してひび割れ。3か月以上かゆみ、乾燥、痛みを伴っています。特に、洗濯や料理などの家事ができず、日常生活に大きな影響がありました。
また、左目の内側の上まぶたが厚くなり、黒ずんでひび割れ、かゆみがある。腕や脚は衣服で隠れるため目立たないが、目と手の皮膚は見た目がひどい。
来院の経緯
患者は兄の紹介で来院。患者が来院したあと兄と電話で話した際、兄は「治るか?」と尋ね、非常に心配している様子でした。私は「試してみましょう。時間はかかります」と伝え、兄をなだめて治療を開始。
その他の症状
- 大便:時折便秘または軟便。
- 右目:乾燥して涙が出る、風に当たると目の周りの皮膚が乾燥してひび割れる。
- 睡眠:盗汗(寝汗)が多く、朝の汗が特にひどい。
治療経過
2025年1月13日:治療開始、湿疹は重症
脈が沈んでおり、発汗が多く、汗が出ても症状が改善しないことから、血分に問題があると考えました。
処方:柴胡桂枝湯+五苓散
鍼灸:至陰穴、三陰交、血海、筑賓穴、曲池穴、合谷穴、屋翳穴、照海穴を毎日施術。
柴胡桂枝湯の関連症例:子供の発熱と嘔吐に柴胡桂枝湯
2025年1月20日:改善乏しく処方変更
手の症状の改善はほとんど見られず。「血分」ではなく気分に問題があると判断し、処方を変更。
追加処方:金銀花、連翹、薏米、麻黄、細辛など、「気分」を調整する薬を追加。
2025年1月26日:湿疹が徐々に軽減
湿疹は徐々に改善傾向にあるが、ゴム手袋を外すとすぐに手が乾燥するため、外すことができない。
2025年2月7日:皮膚の状態が安定
皮膚の状態はさらに改善。手袋を外す勇気はまだないが、睡眠や排便などの状態は良好。目の周りの湿疹は急速に回復。
2025年2月14日・2月20日:手袋不要に改善
手袋を外しても問題ない状態に。食指の指腹にわずかなひび割れとささくれが残る。発汗が多いため、龍骨と牡蛎を追加して浮熱による発汗を抑える。薬を継続して効果を巩固。
2025年2月28日・3月7日:皮膚が非常に綺麗に回復
発汗はなくなり、皮膚の状態は良好。手の指腹はしわしわで、まるで長時間手洗いした後のように乾燥し、気血不足の状態。患者に「まるで水分の抜けたリンゴのよう」と説明。
患者の質問
患者の質問:気血を補うには食事と睡眠のどちらが重要か?
張静先生の回答:睡眠が最も重要。気血を養うには睡眠が欠かせない。
患者は「夜更かしをやめると翌日、指がふっくらする」と気づき、今後は睡眠を改善すると決意。
治療前後、手の皮膚の画像
長い記述を見るより、画像を見たほうが1番わかりやすいでしょう。張静先生の本文には4枚の画像があったので、コピーして貼りました。治療前後、皮膚がどれだけ変わったのか、見てみれば分かります。




李哲の説明:湿疹など様々な皮膚病の鍼治療例
上記の患者さんの湿疹はひどい方です。日常生活もできないくらいですから。漢方薬と鍼灸の相乗効果で、2ヶ月くらいで功を奏したのです。
もし鍼だけだったら、治療効果がどうなるか?
同じ患者さんがいないので分かりませんが、臨床でみると鍼は効果的です。もちろん、漢方薬+鍼にはかなわない。
以下、鍼が主力で皮膚のトラブルを治した例。参考になると幸いです。ステロイド薬を塗る以外、鍼も有力候補であることを知ってください。
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