こんにちは、李哲です。
最近、とても暑くなっていますね。今日は熱中症になりやすい人3タイプの原因・予防・治療方法を中医学の理論で説明。夏の猛暑が続く中、熱中症は誰にでも起こり得る深刻な問題ですが、特に汗の出方の異常が鍵となります。役立つ情報になると嬉しいです。
熱中症になりやすい人3タイプの原因
熱中症は簡単にいうと、体内温度の上がりすぎが原因です。子供が高熱で意識不明になるのと同じように、体温調節機能が崩壊した状態です。熱中症になりやすい人は、主に汗の分泌異常が関係しており、中医学ではこれを「心主汗」の観点から深く分析します。
体内の温度が上がり過ぎる主な原因は、汗の出過ぎや出なさの2パターンですが、熱中症になりやすい人を3タイプに分類すると、より具体的に理解できます。この分類は、中医学の古典『黄帝内経』に基づき、現代の生活習慣や病態を考慮したものです。
- 普段から汗をかかないタイプ(内臓の弱さや習慣による)
- 汗が出すぎるタイプ
人間は体温調整に全身の汗腺を活用しますが、犬のように舌や口からの放熱に頼るのとは異なります。汗が適度に出ないと熱が体内にこもり、逆に汗が出過ぎると体液が急速に失われ、体温が相対的に上昇してしまいます。

どちらの場合も、熱中症の典型的な症状である頭痛、めまい、意識不明状態を引き起こします。中医学では、これを「陽熱内盛」や「陰液耗損」と表現し、早期の対処が重要です。
以下で、熱中症になりやすい汗が出にくい2タイプ(内臓由来と習慣由来)と、出過ぎるタイプを、中医学の理論を交えながら詳しく解説します。各タイプの特徴を把握すれば、自分や家族が該当するかをチェックし、予防に活かせます。
①内臓の病気で汗が出にくい人(心臓・腎臓の弱さ)
熱中症になりやすい人で、特に心不全や腎不全の患者さんは汗が出にくい傾向があります。腎不全の状態では、すでに心臓の機能も低下していることが多く、正確には「腎不全+心不全」の複合状態です。これにより、体温調節のメカニズムが根本的に損なわれます。
中医学の古典『黄帝内経』では、「心主汗」と明確に記されており、汗の分泌は心臓が主宰するとされています。つまり、心臓の気が強ければ、暑い時期に自然と汗が出て体温をコントロールできます。一方、心臓が弱っている人は、激しい運動をしても汗が出にくく、熱が蓄積して熱中症のリスクが急増します。この理論は、数千年前の知恵ですが、現代の心臓病患者にぴったり当てはまります。
私の臨床経験では、漢方薬や鍼灸治療で汗が出るようになるのは、心臓の機能が強化された明確な証拠です。患者さんには必ず「汗の出方をどう感じますか?」と尋ねています。以下は、体質改善とともに汗をかくようになった女性の実際の治療例です。

では、なぜ心不全や腎不全が起きるのか?その背景には、飲んでいる西洋薬の副作用が大きく関与しています。副作用一覧をよくご覧ください。例えば、利尿薬や血圧薬が長期使用で心腎機能を蝕むケースは少なくありません。西洋薬の「素晴らしい普及」がなかった時代には、心不全や腎不全の患者数はここまで増加しなかったはずです。この点は、中医学の視点から西洋医学の限界を指摘するものです。
心臓病に関する中医学の詳しい情報は、私が尊敬するニハイシャ先生の論文をおすすめします。先生は、心臓の病気を中医学で根本治療可能だと強調しており、病院の対症療法だけでは「死ぬ道しかない」と警鐘を鳴らしています。

②習慣的に汗をかかない人(生活スタイルによる)
熱中症になりやすい人で、内臓由来以外に多いのが、生活習慣による汗の欠如です。例えば、以下のようなパターンです。
- 運動が嫌いで、汗をかく機会を避ける人
- 冷房の効いた部屋に長時間いるのが好きで、自然発汗を抑える人
- 冷凍庫や冷蔵倉庫での作業が多く、汗をかく環境が少ない人
中医学では、外部の寒気(冷房の冷気)から体を守るために、皮膚の毛穴(経絡の開口部)が自然に閉じます。短期的(1~2ヶ月)なら問題ありませんが、長年このような生活を続けると、汗腺が徐々に萎縮し、皮膚の穴が「死んで」しまいます。
結果、加齢とともに運動しても顔が真っ赤になるだけで汗が出ず、熱中症の典型的ななりやすい人となります。この状態は、中医学で「衛気不固」や「腠理閉塞」と呼ばれ、体内の熱が逃げにくくなります。
以下は、顔だけ汗が出なくて顔がタコのように赤くなるのを、鍼灸で治した実際の症例です。この患者さんは、長年のデスクワークで汗機能が低下していましたが、治療後、自然な発汗が回復し、夏の快適さが劇的に向上しました。

汗をかく習慣をつけるために、「お風呂で汗を流せばいいのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、実はお風呂の汗と運動してかく汗は、質が全く違います。
お風呂の汗は主に蒸気による表面の湿り気で、体内の熱を深く排出しないのに対し、運動汗は心肺機能を活性化し、経絡を通じて毒素を排泄します。以下の記事で、この違いを中医学の理論から詳しく解釈していますので、ぜひ参考にしてください。

運動して汗をかく際の注意点として、スポーツジムは冷房が強く効きすぎている場合が多いそうです。こんな環境で運動すると、汗が出きらず体内に熱が残るため、逆に体に悪影響を及ぼします!
中医学では、これを「熱邪内伏」と呼び、後々の不調の原因となります。汗を効果的にかきたいなら、冷房のない屋外が理想です。例えば、公園でのウォーキングやジョギングから始めると良いでしょう。
③汗が出過ぎる人(過酷環境)
熱中症になりやすい人のもう一つのタイプは、汗が出過ぎて脱水状態になるケースです。これは汗が出にくいタイプと真逆ですが、炎天下の過酷な環境で起こりやすいです。汗は本来、体内の水分として温度の上昇を制御する役割を果たしますが、過剰に失われると体液バランスが崩れ、意識不明に至ります。
西洋医学では、これを電解質異常と説明しますが、中医学では陰液が不足して陽気が逆流し、脳まで熱が上がると捉えます。陽気の逆流は、頭痛、めまい、ひどい場合は失神を引き起こす典型的なパターンです。以下は、このメカニズムを詳述した症例で、夏の屋外作業員の治療例です。

汗をかきすぎるのは、昔の人力車引きや農家の方々、今では炎天下で体力仕事をするスポーツ選手や建設現場の作業員くらいでしょうか。一般のサラリーマンや主婦は、日常的に大汗をかく機会が少ないため、このタイプは少数派です。それでも、夏祭りやマラソンイベントで急に過剰発汗する人は要注意です。
熱中症で最も多いのは汗が出にくいタイプ
脱水状態による熱中症は、あくまで少数例に過ぎません。最も多く見られるのは、汗が出なくて熱がこもってバタンキューとなるタイプです。特に、学校の朝礼や部活動でわずかな時間で倒れる子供たちは、このパターンが圧倒的に多いです。
その原因は、幼少期から抗生物質を頻繁に飲まされ、ワクチンを大量に接種される現代の子供たちの心臓機能が弱いからです。心臓が強い子供は少なく、しかも運動が嫌いで外遊びを避ける傾向が加わり、熱中症になりやすい体質が完成してしまいます。中医学では、これを「先天之本」の損傷と見なし、早期の体質改善が不可欠です。
抗生物質や鎮痛剤などの西洋薬が、体内の免疫力や心気をどのように傷つけるか。あなたはその正体を知るべきです。以下は、生化学者の視点から薬の害を分析した論文で、免疫低下のメカニズムを科学的に裏付けています。参考になると幸いです。

スポーツドリンクはNG!水と塩が正解の水分補給
熱中症になりやすい人は、水分補給にスポーツドリンクを頼りがちですが、それは逆効果!正しい選択は、シンプルに水と塩です。中医学の観点から詳しく説明します。
常識的に考えてください。脱水状態で病院に運ばれたら、生理食塩水の点滴でなくて、ポカリスエットを注入されますか?
緊急時は生理食塩水が標準です。これは、体液の電解質バランスを素早く回復させるためです。
では、なぜポカリスエットや他の清涼飲料水・スポーツドリンクが良くないのか?簡単な理屈をお伝えします。水を飲んだ後、口の中がさっぱりして喉の渇きが収まるのに対し、スポーツドリンクは飲めば飲むほど喉が渇き、もっと飲みたくなる中毒性を生み出します。1リットル以上を軽く消費してしまう人も少なくありません。

この渇きのメカニズムは、中医学で腎臓の陰液が破壊され、体が水分不足を感知して外側から求める状態です。喉は腎陰で潤うため、スポーツドリンクの糖分や添加物が腎を傷つけ、悪循環を生みます。実際、飲んだ直後にベタベタした口内感や持続的な渇きを感じるのは、そのサインです。
食べた後に喉が渇くものは、すべて腎臓に悪いという中医学の基準を覚えておけば、外食時の選択が格段に賢くなります。残念ながら、安心して食べられる店はとても少ないのが現実です。以下は、この理論を詳しく解説した記事です。
清涼飲料水の成分はラベルに表示されていますが、その危険度は自分で調べてください。当院では、スポーツドリンクを含む清涼飲料水を禁止物リストに挙げています。詳細は以下の記事で、コーヒー、牛乳、サプリ、西洋薬などの禁止理由を中医学的に解説しています。
私が尊敬するニハイシャ先生1は、こう話したことがあります。 コーラなどの清涼飲料水を長年飲み続けると、脳が萎縮して早い段階で痴呆症になる。これは、腎陰の枯渇が記憶力低下や認知症を引き起こすためです。昔は稀だったこれらの病気が、現代医療の薬普及後に急増したのは、偶然ではありません。
清涼飲料水の害に関するニハイシャ先生のニュース評論も必読です。読んだことがない方は、ぜひ目を通してください。先生の鋭い分析が、日常の選択を変えるきっかけになるはずです。

中医学の熱中症予防方法
上記で熱中症の原因を詳しく述べましたが、原因が明確なら予防対策もシンプルです。熱中症になりやすい人は、日常から以下の習慣を心がけましょう。中医学の「治未病」(病気になる前に防ぐ)思想に基づいています。
①普段から運動して、汗をかく習慣をつける
冷房は快適ですが、なるべく屋外で軽い運動をし、自然に汗をかく習慣を身につけましょう。皮膚の毛穴から熱を放散できるように、週3回のウォーキングやヨガをおすすめします。中医学では、汗は「津液」の一部として体を潤し、毒素を排出する重要な役割を果たします。
夏は元々発汗の季節なので、適度な運動で汗をかくと、皮膚がツヤツヤになり、美肌効果も期待できます。

②正しい水分補給を行う
汗をかいた後、まだ体内が熱く感じる場合は、スイカやメロンなどの果物を摂取しましょう。これらは中医学で「清熱生津」の作用があり、体内の余熱を効率的に下げます。スイカが夏に収穫されるのも、夏バテや熱中症予防のために自然が与えた恵みです。季節ごとの野菜・果物は、すべて体に調和するよう設計されています。
さらに、熱中症予防に効果的な漢方薬や、自分で作れる漢方ドリンクもあります。材料は身近なもので、例えば人参や麦門冬を煮出したもの。以前の記事でレシピと効果を詳述していますので、試してみてください。
この漢方ドリンクの値段は、ペットボトル1本分より少し高い程度(人参の効果が高いため、多少のコストは仕方ありません)。暑い夏の外出前に1~2杯飲んでおくと、砂漠のラクダのように長距離を耐え抜けます。私の患者さんからも、「これで夏が怖くなくなった」という声が多数です。
熱中症の治療(中医学)
万一熱中症になってしまったら、まず西洋医学の方法として額や脇に氷を当て、物理的に体温を下げるのが有効です。これを応急処置として行いつつ、中医学の治療を並行すると回復が早まります。漢方薬の治療例として、以下の2つの記事が参考になります。一つは高熱時の処方、もう一つは夏の熱中症特化のものです。
鍼治療の面では、熱中症そのものの症例はまだありませんが、似た夏バテの患者さんを多数治療してきました。以下は一つの典型例で、初診時の強い倦怠感と発汗異常が、わずか数回の鍼で解消したケースです。中医学の鍼は、経絡を刺激して心腎を補い、再発を防ぎます。

(おわり)
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倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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