「いつも心臓がドキドキして、何かわからない不安と恐怖に襲われる……」
そんな症状に悩む中年女性が、アメリカの中医師・鄭智城先生1の診察室を訪れました。わずか5剤(実質3日分)の炙甘草湯で、動悸・不安・恐怖がスッキリ消えた実症例をご紹介します。
常に不安感で怖い、ドキドキするのは心臓が原因
羅大伦さん(李哲説明:中医学の普及に力を入れ、中国で有名な作家)は話したことがあります。「中医学を信じ始めたのは、炙甘草湯で自分の動悸が治ったから」

私も臨床で炙甘草湯 を良く使います。
以下は一つの治療例。
ある日、マレーシア生まれの中年婦人が来ました。不安そうな顔で言ったのは、「いつも心臓がドキドキして、常に不安感で怖いです。何を怖がっているのか分かりません」
ちょっとした事で、心臓がドキドキする。
心臓に問題がある人は、いつも不安そうな顔をして、いつも同じ質問を繰り返します。このような人はたくさん診たので、すぐ心臓の問題だと判断しました。

西洋医学の検査を受けると、不安障害やうつ病と診断され、抗不安薬や抗うつ薬が処方されるケースが多いようです。
しかし、こうした薬で一時的に症状が抑えられても、根本的な改善に至らず、かえって興奮しやすくなったり不調が続く患者さんも少なくありません。
中医学では、これらの症状を「心の気血不足」と捉え、炙甘草湯のような補益薬で心身のバランスを整えることで、根本からの改善を目指します。
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「炙甘草湯」が心臓を治す仕組み
炙甘草湯の特徴は、大量の生地黄を使うこと。
『傷寒雑病論』に書いた量はもともと1斤、私は1両以上を使います。
生地黄は血を補います。
生地黄の色は黒で、大量の鉄分を補給できる。これは西洋医学の角度での解釈です。中医学の角度で言うと、生地黄は血の流れを良くする作用もあります。
人参は党参で代用、3銭。作用は気を補給。

火麻子仁は、アメリカで禁止している大麻の種。たくさん食べると、「令人见鬼狂走」(ヒステリックになり、幽霊などが見れる)の副作用がある。しかし、ちゃんとした量を使えば、「主五労七傷,利五臓」の効果があります。
桂枝は動脈血管を広げる作用があります。
4銭の炙甘草と組み合わせすると、安定した心拍数を維持できて、大量の生地黄とアギョウが作った血液を全身に送り出す。
こんな巧妙な設計で、心臓病が治らないわけがない!
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動悸、心臓がドキドキするのは、3日の「炙甘草湯」で治った
マレーシア生まれの女性は、5日分の炙甘草湯しか買っていません。3日分だけ飲んで、心臓の動悸・不安・恐怖などが治りました。
彼女は生薬が高いからもったいないと思って、残りの2日分も飲んじゃったそうです。彼女みたいな年齢になると、もっと飲んでも構いません。
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※アメリカの中医師、鄭智城先生の症例、炙甘草汤:马来西亚华妇心悸心慌五剂治愈_郑智城_新浪博客(2011-11-01 発表)を李哲が完全翻訳しました。
※漢方薬は体質により効果や副作用が異なります。自己判断せず、専門の漢方医や医師にご相談ください。
📜 炙甘草湯の構成生薬(原典記載)
『傷寒雑病論』に記載される炙甘草湯(別名:復脈湯)は以下の9味から成ります。
| 生薬 | 分量(原文) |
|---|---|
| 炙甘草 | 四両 |
| 生姜 | 三両 |
| 桂枝 | 三両 |
| 麦門冬 | 半升 |
| 人参 | 二両 |
| 生地黄 | 一斤 |
| 阿膠 | 二両 |
| 麻子仁 | 半升 |
| 大棗 | 三十枚 |
※原典の分量は古代の単位。現代の煎じ薬では、生地黄30〜60g、炙甘草12g程度を基準に調整されることが一般的です(体質・症状により変動)。
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鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

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