こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の中医師、張静先生1の症例を翻訳しました。幻聴に耐えきれず自傷行為に走る子供を治した内容です。西洋医学ではきっと精神病だと診断して、抗精神病薬を飲ませるでしょう。中医学では胃腸を整えるだけで治しました。しかも1ヶ月ちょっとの短期間で。
(2023-6-6発表)
化学療法誘発性末梢神経障害の患者、漢方と鍼でだいぶ改善
一人抗がん剤を受けた患者さん、 化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN : Chemotherapy induced peripheral neuropathy)になりました。腫れてとても硬い、腕全体が痛くなりました。漢方薬と鍼灸でだいぶ改善したところ、一つ質問がありました。
患者「一人の孫、情緒不安定があります。今は石家荘市から離れたところで高校通っているので、直接には来れないけど、オンライン診察ができますか?」
確かに、学校通ってるんだったら診察は難しいので、とりあえずオンラインで診察することを決めました。ところで、帰りに彼女は言ったのは、孫は人工透析を2回受けたそうです。
抗うつ剤を飲みすぎて2回も人工透析した子供
彼女が帰ったあと、すぐおじいちゃんからチャットが入りました。もうすでに電話もかかってきたし、 どんな様子かをとりあえず見ることにしました。向こうはすでに準備万端かもしれません、ここで見ないと向こうも大変失望するでしょう。
後で気づいたんですけど、 このオンライン診察をして良かったです。
全体的に見てると、それほどひどくない感じでした。子供は確かに少しの情緒不安定があります。 西洋医学の抗うつ剤も飲んでいます。 薬を飲みすぎて、2回入院されて人工透析をしたことがあります。
子供の情緒不安定、自傷行為は幻聴が原因
子供は恥ずかしがり屋で、質問に答えるだけで自ら何かを話すことはなかったです。話したあとはすぐその場をさりました。 おじいちゃんは子供のプライドを守りながら、子供がいなくなってから単独に私と話しました。
おじいちゃん「子供に喜びがなくなったのは 4~5年前からです。その2年後からは情緒不安定になり、自傷行為も始まりました。」
私「子供が喜べない原因は何ですか?家庭要因ですか?もしくは自分の問題?」
おじいちゃん「彼は幻聴があるのです。幻聴が原因です。」
私「幻聴で何が聞こえるんですか? 1人が話してるか、もしくは大勢の人が話してるか?生きてる人が話をしてるんですか? もしくは死んだ人が話をしてるか?」
おじいちゃん「一人の女の人が、時々お前死ね!と話してるそうです。」
子供の立場に立って考えましょう。毎日10回ぐらい、あなたが寝てるんだろうと勉強してるんだろうと、ご飯食べてるか遊んでるか関係なして、突然話が聞こえるのです。 もし現実にこんな人がいたら喧嘩しただけで終わりです。 自分は聞こえるのに、他人には聞こえない子供はどうしたらいいでしょう? 他人に話したら絶対に精神病だと言われるはずです。何年もこんな生活を送ったら、生きる意味がなくなるのは当然。
1週間の漢方薬で幻聴の回数が著しく改善
私はおじちゃんに話しました。
「子供の病気の原因は幻聴です。 幻聴は私が治すので、治った後は自傷行為とか出ないと思います。」
そして1週間分の漢方薬を郵送しました。6日後、オンライン診察を行いました。子供はまだ学校を休んで家にいました。
私「調子はどうですか?」
おじいちゃんは孫より興奮していました。
「少し良くなりましたよ!」
子供が言うのは、「今週幻聴が聞こえたのは2~3回。 以前は1日10回ぐらいでした。だから良くなってると思います。」
もう1回10日分の漢方薬を郵送し、幻聴はこれで治りました。同時に病院の薬をすべて徐々にやめてもらうようにしました。
子供はよく話せるようになって、状態は非常に良い
3回目、もう一度10日分の漢方薬を送りました。
子供の状態は非常にいいです。
よく喋れるし、顔には大きなニキビができました。 おじいちゃんが言うのは、「あれこれ食べまくるから顔にニキビができましたよ。」
子供が本来あるべきである姿に戻ったのを見て、私は非常に嬉しかったです。
私「病院の薬をやめてから、何か辛くなったことがありますか?」
子供「2回目の漢方薬を飲んだ時に、もうやめました。なぜかと言うと、病院の薬を飲んでも飲まなくても幻聴が聞こえたから、自分で止めたのです。」
幻聴が治ったあと、風邪は必ず漢方薬で治す必要がある
私はもう一度問診の行いました。大小便、食欲、睡眠などは全部いいので、子供に話しました。
「あと10日分の漢方薬を飲んで終わりにしましょう。」
おじちゃん「え?!もうやめていいんですか? これで治療が終わりですか?」
私「治ったらもう飲む必要ないでしょう?ところで、漢方薬をやめるのには1つの条件があります。今後 半年以内、風邪を引いたら必ず漢方薬で治してください。私に連絡するかもしくは近所の中医学の先生を探す。」
おじいちゃん「この条件は承諾できます。」
その後、おばあちゃんを治す時、孫の様子を聞きました。状態は非常に良くて、勉強もしているそうです。
幻聴を原因は胃腸にある
この症例を見て、また「どんな治療方法ですか?」と聞く人がいると思います。ここで簡単に説明します。患者さんの幻聴は、毒素(老廃物)が胃腸に溜まったのが原因です。宿便なのか痰飲なのかを分析し、お掃除をすれば自然に治る。
(おわり)
張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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