
こんにちは、李哲です。
風邪やインフルエンザで「高熱」「咳」「鼻水」「頭痛」に悩まされていませんか?
「仕事が休めないのに風邪を引いてしまった」「明日の大事な会議までに治したい」という方に、漢方薬が最適です。副作用が少なく、飲んで5~20分で効果を実感でき、早ければ一晩で症状が改善する即効性が魅力です。
この記事では、風邪・インフルエンザに効く6つの漢方薬(桂枝湯、麻黄湯、葛根湯、大青龍湯、小青竜湯、小柴胡湯)を症状別に紹介し、飲むタイミング、煎じ方、注意点を詳しく解説します。どの漢方薬があなたの症状に合うのか、生薬の配合や臨床例も含めてわかりやすくまとめました。
信頼できる情報源(アメリカの著名な中医師、ニハイシャ先生1の記事:給湖南百姓の一封信)に基づき、漢方医の視点から翻訳・解説しています。
1. 桂枝湯:最も一般的な風邪に最適
桂枝湯(けいしとう)は、風邪の初期症状に最も多く使われる漢方薬です。臨床ではこのタイプの風邪が最も多く見られ、以下のような症状に効果を発揮します。
主な症状
- 汗をかきながら全身の筋肉が痛い(★特徴的な症状)
- 扇風機や冷房の風を嫌がる(★特徴的な症状)
- 食欲不振
- 発熱
生薬の配合
- 桂枝:10g
- 芍薬:10g
- 生姜:2切り(厚さ2~3cm、以下同じ)
- 炙甘草:10g
- なつめ:10g
煎じ方と飲み方
1. 6杯の水(茶碗で計測)を2杯になるまで煮詰める。
2. 成人は空腹時に3時間ごとに1杯、子供は半量を飲む。
3. 飲んだ後に熱いお粥を食べると効果がさらに高まる。
4. 飲むとじんわり汗が出るのが特徴。
桂枝湯は、風邪だけでなく、特定の時間帯に汗が止まらない多汗症にも効果的です。詳細はこちらで確認できます。この漢方薬は、体が冷えやすく、筋肉痛や軽い発熱を伴う風邪に特に有効です。
2. 麻黄湯:寒がりで汗が出ない風邪に
麻黄湯(まおうとう)は、寒さが強く汗が出ない風邪や、関節痛を伴う場合に最適です。インフルエンザの初期にも使われることが多く、冬に多い風邪に効果的です。
主な症状
- 非常に寒がる(★特徴的な症状)
- 全身の関節が痛い(★特徴的な症状)
- 汗が出ない(★特徴的な症状)
- 発熱(高熱の場合も)
生薬の配合
- 麻黄:5g
- 桂枝:10g
- 杏仁:5g
- 炙甘草:10g
煎じ方と飲み方
1. 3杯の水を1杯になるまで煮詰める。
2. 成人は3時間ごとに1杯、子供は半量。
3. 飲んだ後に汗が出るのが特徴。
麻黄湯は、インフルエンザ専用と誤解されることがありますが、症状に合えば夏の風邪にも使用可能です。実際の症例はこちらで確認できます。寒さが強い冬の風邪や、関節痛が顕著な場合に特に効果を発揮します。
3. 葛根湯:子供の風邪や喉の痛みに
葛根湯(かっこんとう)は、子供の風邪や喉の痛みを伴う風邪に広く使われます。首や肩のこり、頭痛にも効果的で、風邪の初期に最適です。
主な症状
- 首や肩がこる・痛い(★特徴的な症状)
- 喉が痛い(★特徴的な症状)
- 頭痛
- 扇風機の風を嫌がる
- 体の筋肉が痛い
- 口が渇く
生薬の配合
- 葛根:15g
- 麻黄:5g
- 桂枝:10g
- 白芍:10g
- 生姜:2切り
- 炙甘草:10g
- なつめ:10g
煎じ方と飲み方
1. 6杯の水を2杯になるまで煮詰める。
2. 成人は空腹時に3時間ごとに1杯、子供は半量。
3. 飲んだ後に軽く汗が出る。
葛根湯は、子供や喉の痛みが強い風邪に特に効果的です。その仕組みや効果については、こちらの小論文で詳しく解説しています。風邪の初期症状や筋肉のこわばりに悩む方に試してほしい漢方です。
4. 大青龍湯:高熱や濁った痰に効く強力な漢方
大青龍湯(だいせいりゅうとう)は、39~40℃以上の高熱や濁った痰を伴う重い風邪に効果的です。新型コロナやインフルエンザの重症例にも使われます。
主な症状
- 高熱(40℃超える場合も)(★特徴的な症状)
- 体の節々が痛い(★特徴的な症状)
- 汗が出ない(★特徴的な症状)
- 咳で濁った痰・黄色い痰が出る(★特徴的な症状)
- 寒がるが体内は熱い(★特徴的な症状)
- 喉が乾く
- 食欲不振
生薬の配合
- 麻黄:10g
- 杏仁:10g
- 石膏:20g
- 桂枝:15g
- 生姜:2切り(約10g)
- 炙甘草:10g
- なつめ:10g
煎じ方と飲み方
1. 6杯の水を2杯になるまで強火で煮詰める(2回分)。
2. 成人は空腹時に3時間ごとに1杯、子供は半量。
3. 熱が下がり食欲が戻ったら飲むのを中止してください。
市販品がない場合、麻黄湯と麻杏甘石湯を同時に飲む代替案がありますが、煎じ薬が最も効果的です。新型コロナの症例はこちら、肺がんの頑固な咳の治療例はこちらで確認できます。この漢方は、強力な解熱効果と咳の改善に優れています。
5. 小青竜湯:透明な鼻水や白い痰に一撃必殺
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、透明な鼻水や白い痰が出る風邪に特化した漢方薬です。花粉症にも使われますが、本来は風邪や頑固な咳・鼻水の治療に最適です。
主な症状
- 体内が非常に寒く、汗が出ない(★特徴的な症状)
- 咳で白い痰が出る(★特徴的な症状)
- 喉がかゆく、咳をしたくなる(★特徴的な症状)
- 背中の肩甲骨の間にこぶし大の寒さを感じる(★特徴的な症状)
- 高熱
- 体が痛い場合も
- 喉が渇かない、食欲不振
生薬の配合
- 麻黄:10g
- 芍薬:10g
- 乾姜:5g
- 細辛:5g
- 桂枝:15g
- 五味子:10g
- 炙甘草:10g
- 半夏:10g
煎じ方と飲み方
1. 6杯の水を2杯になるまで煮詰める。
2. 成人は空腹時に3時間ごとに1杯、子供は半量。
3. 飲んだ後に軽く汗が出る。
小青竜湯は、花粉症だけでなく、風邪による鼻水や咳に効果的です。2日で風邪が治り、体重も減った症例はこちらで紹介されています。この漢方は、寒さによる症状や粘り気のない鼻水に特に効きます。
6. 小柴胡湯:生理中の風邪に最適
小柴胡湯(しょうさいことう)は、生理中に風邪を引いた場合に特におすすめの漢方薬です。女性特有の症状にも対応可能です。
主な症状
- 寒くなったり熱くなったりする(★特徴的な症状)
- 吐き気や気持ち悪さ(★特徴的な症状)
- 脇腹が脹れて苦しい(★特徴的な症状)
- 食欲不振
生薬の配合
- 柴胡:15g
- 半夏:15g
- 黄芩:15g
- 党参:15g
- 生姜:2切り
- なつめ:10個
- 炙甘草:10g
煎じ方と飲み方
1. 6杯の水を2杯になるまで煮詰める。
2. 成人は空腹時に3時間ごとに1杯、子供は半量。
生理痛がある場合、茜草15gと芍薬25gを追加すると、風邪と生理痛を同時に改善できます。この漢方は、女性の体調変化に合わせた柔軟な対応が可能です。
症状別漢方薬早見表
各漢方薬とその主な症状を表にまとめました。★は他の漢方と区別する重要な症状です。
| 漢方薬 | 主な症状 |
| 桂枝湯 | ★汗をかきながら全身の筋肉が痛い |
| ★扇風機・冷房の風を嫌がる | |
| 食欲不振 | |
| 発熱 | |
| 麻黄湯 | ★非常に寒がる |
| ★全身の関節が痛い | |
| ★汗が出ない | |
| 発熱(高熱の場合も) | |
| ※心臓疾患の方は使用禁止 | |
| 葛根湯 | ★首や肩がこる・痛い |
| ★喉が痛い | |
| 頭痛 | |
| 扇風機の風を嫌がる | |
| 体の筋肉が痛い | |
| 口が渇く | |
| 大青龍湯 | ★高熱(40℃超える場合も) |
| ★体の節々が痛い | |
| ★汗が出ない | |
| ★咳で濁った痰・黄色い痰 | |
| ★寒がるが体内は熱い | |
| 喉が乾く | |
| 食欲不振 | |
| 小青竜湯 | ★体内が寒く汗が出ない |
| ★咳で白い痰 | |
| ★喉がかゆく咳をしたくなる | |
| ★肩甲骨間にこぶし大の寒さ | |
| 高熱 | |
| 喉が渇かない、食欲不振 | |
| 小柴胡湯 | ★寒くなったり熱くなったり |
| ★吐き気や気持ち悪さ | |
| ★脇腹が脹れて苦しい | |
| 食欲不振 | |
| ※生理中の風邪に最適 |
漢方薬の即効性と注意点
漢方薬は、正しい処方を選べば、飲んで30分~翌朝には効果を実感できます。間違った処方では効果がないか、症状が悪化する場合も。以下の点に注意してください。
- 処方箋をメモして保存:家族や子供が風邪を引いたときにすぐ煎じられるよう準備を。
- 抗生物質や解熱剤の副作用を避ける:漢方薬は副作用が少なく、治りが早いのが特徴。
- 複雑な症状は専門家に相談:信頼できる漢方医や鍼灸医に相談を。鍼灸でも風邪の症状を改善できます(症例:喉の痛み、コロナのひどい咳、風邪の熱を下げるツボ「大椎穴」、胃腸風邪の腹痛、下痢)。
漢方薬は、抗生物質や解熱剤と異なり、体に優しく即効性があります。たとえば、適切な処方なら、飲んだその日に症状が軽減し、翌朝には回復することも。逆に、症状に合わない漢方を飲むと効果が得られないため、症状を正確に把握することが重要です。様々な漢方薬を使った私の経験談はこちらで確認できます。
まとめ:漢方薬で風邪を早く治そう
風邪やインフルエンザの症状に合わせた漢方薬を選べば、抗生物質や解熱剤よりも早く、安全に回復できます。桂枝湯、麻黄湯、葛根湯、大青龍湯、小青竜湯、小柴胡湯を症状に合わせて使い分け、煎じ方や飲むタイミングを守りましょう。
適した漢方薬を飲んだ時、あなたはきっと漢方薬の効果に驚くはずです!
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倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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