末期がん患者が漢方治療で2年生存:卵巣がんから生活の質はどう変わった?

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こんにちは、李哲です。
スタンフォード大学の博士、李宗恩中医師1による症例、「快樂的癌末病人(續) – 當張仲景遇上史丹佛」(2024年5月14日発表)を翻訳しました。この症例では、末期がん患者が診断から2年以上生き続けています。中医学治療を受けた後、彼女の生活の質はどのように変化したのか?この記事を読めば、病院の西洋医学治療との違いが明確になるでしょう。以下は翻訳文です。

末期がん患者の病状を振り返る

初期診断と西洋医学の限界とは?

昨年3月、私は「幸せな末期がん患者」という症例を発表しました。詳細は快樂的癌末病人 – 當張仲景遇上史丹佛(03/17/2023発表)をご覧ください。あれから1年以上が経ち、多くの読者がこの末期がん患者の現状を知りたいと思っているでしょう。

まず、患者の過去の病状を振り返ります。この中国人の老婦人は現在85歳で、アメリカ北東部に住んでいます。一昨年の前半、西洋医学で卵巣がんの末期と診断され、肝臓への転移が確認されました。医師からは「治療の余地なし」と宣告され、最大限の化学療法や放射線療法で数ヶ月延命するしかない状態でした。

李哲の解説:
あらゆる苦しみに耐えて寿命を数ヶ月伸ばすだけ。この治療法に価値はあるのでしょうか?患者だけでなく、がん治療医も立ち止まって考えるべきです。不思議なことに、多くの腫瘍専門医は自分では抗がん剤を選ばないのに、患者には積極的に勧めます。詳細は以下の記事で解説しています。

病院の先生すら抗がん剤を受けないのに、患者には容赦なく使う。先生たちの良心はどこにあるのか?

家族の決断:漢方治療への転換を選ぶ

家族は高齢の母親に抗がん剤や放射線療法の苦痛を味わわせたくないと考え、漢方治療を求めることにしました。

患者は地元で数ヶ月間漢方医の治療を受けましたが、効果はなく、足のむくみや腹水が続き、その漢方医も匙を投げました。

李哲の解説:
抗がん剤や放射線療法の副作用——激しい嘔吐、脱毛、皮膚の焼けるような痛み——はよく知られています。しかし、血便や血尿で「自分が死ぬのではないか」と恐怖に苛まれるケースもあるのです。中国の漢方医、張静先生2の以下の症例を見れば、その悲惨さが分かります。
例えば、抗がん剤による血便、倦怠感、食欲不振、味覚障害を漢方薬で改善した事例があります。

漢方治療で末期がんに改善の兆し?

一昨年の10月、患者は初めて遠隔診療を受けました。当時最も懸念されたのは、アメリカ北東部の厳しい冬を乗り越えられるかどうかでした。興味のある方は、前回の症例討論(こちら)を参照してください。昨年1年間の治療でも、同じく冬の乗り越えが課題でした。

現在は5月。二つの冬が過ぎました。西洋医学で末期がんと診断され、「手の施しようがない」と言われてから2年が経過しています。患者はずっと漢方薬を服用してきましたが、現在の状況はどうでしょうか?

李哲の解説:
卵巣がんの症例をいくつか翻訳してきました。ニハイシャ先生3の症例(こちら)では、西洋医学と中医学の治療比較が詳述されています。どの治療が人道的か、考えさせられる内容です。
例: 漢方薬で寝汗やほてりが治まり、生理痛が消え、顔色が改善。一方、手術や抗がん剤では話す力もなくなり、眠れず、排泄も困難に。

西洋医学と中医学の比較表

以下は、この症例を基にした西洋医学と**中医学(漢方治療)**の比較表です。治療アプローチや結果の違いを明確に示します。

項目西洋医学(化学療法・放射線療法)中医学(漢方治療)
治療目標がん細胞の縮小・除去、延命全身のバランス調整、生活の質の向上
アプローチ手術、抗がん剤、放射線による直接攻撃漢方薬で体質改善、自然治癒力を高める
副作用嘔吐、脱毛、血便、倦怠感、食欲不振ほぼなし(本症例では報告されず)
本症例の結果数ヶ月延命が限界と予測2年生存、日常生活が可能に
生活の質低下(痛みや不調が増加)向上(活動量増加、精神安定)
検査での変化腫瘍縮小効果はあるが副作用大腫瘍縮小(卵巣がん消失)、腹水残る

末期がん患者の現在の生活状況は?

日常生活の回復:漢方治療の効果

まず、患者の主観的な感覚と漢方医学的な症状です。精神状態は大きく改善し、昼間はベッドに横たわる必要がなくなり、時々椅子でうたた寝する程度で済みます。

天気の良い日には、庭に出て掃除をしたり、草むしりをしたり、野草を摘んだりして、1時間以上外で活動できます。家に戻っても、野菜を洗ったり家事をしたりする余裕があります。

左右の脇腹下の痛みは消え、腹水は残るものの、お腹は以前より平坦で柔らかくなりました。以前は手で触れて明らかだった硬い塊は、今は触れず、その部分は柔軟に変化しています。

精神的な安定と前向きな態度

足のむくみはほぼなく、午後に長時間座ると少し感じる程度です。以前は痩せていましたが、体重は約5kg増加。食事、睡眠、排泄は正常で、気分も良く、生活態度は非常に前向きです。

西洋医学の検査結果で漢方治療を検証

看護師の観察と驚きの評価

患者自身の良好な感覚や漢方医の診断だけでは不十分です。西洋医学や一般社会からは、その信頼性や正確性が疑問視されるかもしれません。

そこで、西洋医学の検査結果を見てみましょう。漢方医が西洋医学の検査を否定する必要はありません。患者が本当に改善しているなら、西洋医学の検査は異なる視点での検証になります。

過去2年間、患者はホスピス(臨終ケア)として扱われ、毎週看護師が自宅を訪れ、血圧や心拍数を測定し症状を確認しています。一貫して状態が安定しており、心拍数、血圧、肺機能は正常。看護師は非常に驚いています。

末期卵巣がん患者が漢方治療で2年生存。西洋医学との違いや生活の質の改善を症例から解説。幸せに暮らす秘訣とは?
85歳の末期がん患者が漢方治療で笑顔を取り戻す

CT検査の結果:腫瘍の縮小とその意味

最近、患者は西洋医学の病院でCT検査を受けました。一昨年に見られた肺の水は完全に消え、肺の画像はクリアです。肝臓の複数の腫瘍は最大5x3cmでしたが、今回は最大1.1cm。腹水はまだありますが、右下腹部の卵巣がん腫瘍は17x11x25cmだったものが、今回は見えません。

西洋医学では原因不明とし、腹水に遮られてCT画像が不明瞭になった可能性を指摘しますが、以前の巨大な腫瘍が消えた理由を説明するのは困難です。腹水が残るため、西洋医学ではまだがん細胞が存在すると考えています。

李哲の説明:
李宗恩博士はもう一つの症例があります。漢方薬を認めなくないけど、心房内巨大な血栓が消えた理由も解釈できないハーバード医学部の先生たちの気まずさ。詳細は以下をご覧下さい。

心房内巨大血栓が2ヶ月で90%消えた漢方薬症例。心房内血栓除去術よりも、漢方薬のほうが安全で効果的。

結論:末期がんにおける漢方治療の可能性

この老婦人は今もがんが完全に消えたわけではありません。しかし、もし当初、家族が化学療法や放射線療法を選んでいたら、2年後の今、こんなに楽しく幸せに暮らせたでしょうか?

この問いは、読者自身が研究し、考え、腫瘍専門医に尋ねるために残しておきます。



(おわり)


  1. 李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

    ↩︎
  2. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

    ↩︎
  3. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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