こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生*1の記事を翻訳しました。
もとの中国語本文のリンク先は、
(2013.10.15 発表)
卵巣がん余命1年の患者、2週間の漢方で睡眠の質がよくなり、体力も増えた
少し前に、ある白人おばあちゃんがテキサス州から治療に来ました。おばあちゃんが言うのは、「卵巣がんで2回手術。主治医が下したのは余命1年。」
病院の先生が下した余命宣告、正しいかどうかは患者さんの気持ち次第です。
患者さんが気にしない人だと、この余命宣告はほとんど外れる。しかし、患者さんがすごい先生を信じる場合、余命宣告したとおりに死にます。
これがいわゆる、「信じる者は救われる」
中医学であろうと西洋医学であろうと、みんな同じです。
白人おばあちゃんの両脈は弦数。ベロは赤くて裂けたところが多かったです。ほかの症状は、
- 身体がとても痩せている。
- 普段は低熱があり、水を飲むのが多い。
- 尿は黄色くて、よく尿道炎になる。
- 睡眠の質は極めて悪い。
すべて、子宮卵巣摘出術をしたのが原因です。
陰虚の症状が著しいので、関連の処方をしました。
白朮、山薬、鶏内金、玄参、生地黄、芍薬、甘草、山茱萸、クコの実、竜骨、牡蛎。
【▲白朮の画像】
2週間後、メールが来ました。
「服薬後、睡眠の質がとても良くなり、体力が良いです。また漢方薬を送ってください。」
患者さんの睡眠さえよくなれば、治療は有効であることです。
たくさんの末期がん患者さんは、眠れなくなります。言い換えると、長期的な不眠症のあとは、必ず大きな病気になる。
現在、おばあちゃんの睡眠の質がよくなり、体力的にも改善されたので、治療方向が正しい事を示します。
もう一度、2週間分の漢方薬を送りました。
2週間後の報告は、「睡眠よし、体力よし、続けて漢方薬飲みたいです!」
【▲滋養強壮剤として有名なクコの実】
2014.1.17
おばあちゃんからメールが来ました。
最近のCT検査結果は、癌細胞が増えてない・転移拡散もしてない。
主治医の言い方では、現況は「ノーマル(Normal)」「目立たない(unremarkable)」。
でも、主治医は以前断言しましたね。
彼女が抗がん剤をやらなかったら、余命は3ヶ月~1年。
李哲の解釈と感想
睡眠の質は、中医学先生が診断するときの一つの指標です。
簡単に言うと、よく眠れるようになったら、治療は進歩している。逆に眠りが悪かったら、病状は悪化していることを示す。
このシンプルな基準に反対する人はいますか?
ところで、西洋医学はあまり気にしてない、彼らが関心しているのは癌細胞。
末期のがん患者、みんな不眠症になります。ひどい人は仰向けで寝られないので、座ったまま寝るしかない。その原因は、癌細胞が広がり、体内の冷えがひどくなって、水が肺にまで貯まるからです。
肺に水が貯まると、隣の心臓を圧迫するので、仰向けで寝られません。立つと重力で水は下腹部に行くけど、仰向けになると水が心臓の方まで流れて圧迫する。これは簡単な物理現象です。
治療としては、体内の冷えを取る生薬を入れて、水の代謝を改善することです。代表的な腹水・むくみを治す漢方薬は「真武湯」。真武湯の症例は以下の記事が参考になります。
鍼灸で不眠症を治すのは、難しくありません。
早い人は1回でよく眠れる。
変化が遅くても、数回で睡眠の質が変わります。
私がよく使うツボは、神門、内関、太衝、合谷。
以前、心弁膜症で手術を受けた女性、眠れないというので内関だけ刺したら、その夜からグッスリ寝られました。ほかの鍼灸症例もあるので、以下の記事どうぞご参考に。
鍼灸以外に、足つぼ整体も効果があります。
以前、足つぼ整体の患者さんからたくさん感想をいただきました。以下の女性は、足つぼ整体+カッピング療法をやってから、1週間もよく眠れるようになったのです。
がん治療で有効であるかないかは、癌細胞が縮小しただけではなくて、患者さんの生活の質をキープするのも大事です。
生活の質を犠牲にしても、癌細胞さえ殺せば良い。
このやり方だと、癌細胞が死滅する前に患者が先に死にます。
癌細胞の拡散を防ぎながら、患者さんの生活の質も保つのは、中医学しかできません。ニハイシャ先生の治療例を見れば分かりますが、漢方薬の治療効果は明らかに西洋医学よりも優れています。
中医学と西洋医学の治療に関して、私は一言でまとめようと思います。
辛い症状を治したい、人間らいし生活を送りたいなら、漢方医・鍼灸医に診てもらってください。生活の質はどうでもいい、怖い「病名」だけ治したいなら、西洋医学が良いです。
◆胸が苦しい、不眠症は漢方薬ですぐ治り。肝臓がん患者は睡眠の質が良くなり、動悸が減った…などの漢方薬治療例
◆不眠症で精神崩壊になりそうな女性、漢方を飲んだその夜から眠れた
◆不眠症と夜間頻尿が治って、夜の睡眠はとても良い。耳の聞こえも少しよくなった:薬の副作用で難聴になった女性(1/2)
◆肝臓がんの腹水、1週間の漢方薬で尿からたくさん出て、睡眠が良くなり、大便もたくさん出るようになった…などの中医学治療例
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。
コメント
体内の冷えがひどくなって、水が肺にまで貯まるから,怖いですねえ。
id:riboni5235さん
コメントありがとうございます。
よくテレビで「心肺停止」だと言うのは、水が肺にたまったのが原因です。
一般的な病気は、こんなに水がたまることはないので、心配しないで下さい。