膝裏、腰の痛みは1回で良くなっているけど、日にちが経つと再発。左肩と左手首の痛みは1回で取れた。

この記事は約7分で読めます。

こんにちは、李哲です。
私の親族に鍼治療したのを記録しました。
患者さんは2番目のおばさん。いろいろ面白い感想があったので、書いたのが長くなりました(たくさんの施術画像を添付)。前回の内容は以下をご覧ください。

膝裏、腰の痛みは1回で良くなっているけど、日にちが経つと再発

施術日は2018-10-03。
おばさんが言うのは、前回の鍼をしてから、右膝裏の痛みと左腰中の痛みは良い感じ。ただし、日にちが経つとまた痛みが生じる。おばさんは「まだ痛いんだよ!」と”文句”を言ってました。

私「2週間前に1回鍼しただけでしょう?長年の痛みなので、2~3回で治るものではないです。鍼はある程度の日数がかかります。漢方薬だって1週間で治るものではないから。ベストは週2回、鍼したほうがいいです」

おばさん「へへへ~痛みが和らぐと、すぐ来なくなっちゃうからな」
私「最低でも1週間に1回来て、しばらく鍼治療を続けないと、根本の改善ができないです」

膝裏、腰痛のための施術画像

おばさんの太腿とふくらはぎに、瘀血がいっぱい溜まっているので、今日は刺絡して鍼をしました。うつ伏せで刺したツボは右膝裏の陰谷、委中。腎兪、志室、京門、大ちゅう(骨会)、天柱。左の腕順1と2。右の後谿。

腰の腎兪、志室、京門に刺した鍼。

腰の腎兪、志室、京門に刺した鍼。

陰谷、委中でほとんどの腰痛が治る

陰谷、委中でほとんどの腰痛が治る

針をする時、おばさんは一つの症状を思い出して、私に教えてくれました。
左肩のどこかが痛い。横に上げたとき、ある角度でピキッと痛みが走る

痛みは 広い範囲だと言うので、とりあえず右の後谿にしてみました。

●右膝裏の陰谷、委中は左腰の痛みを治すため。
●左の腕順1と2は、右膝裏の痛みを治すため。
●右の後谿は、左の肩周辺の痛みを治すためです。

手首が痛いのは、その場でほとんど治った

左の手首を上に伸展した時に痛いというので、圧痛点を探して1~2分くらい刺しました。回したらすごい響いたそうです。

左の腕順1と2(董氏奇穴)。左手首の圧痛点に刺した鍼。

左の腕順1と2(董氏奇穴)。左手首の圧痛点に刺した鍼。

右の後谿に刺した鍼。

右の後谿に刺した鍼。

うつ伏せから仰向けになった時、「左の手首を上に伸展してみて」と言いました。おばさんは曲げたりしてみて、「痛みがだいぶ良い。ちょっとだけ残っている

鍼の効果はまた持続するので、あとで治るはず。だから、強化するツボは刺してない。

膝の痛みを治す膝五鍼

仰向けの鍼を始める時、私はおばさんの右膝の内側にたくさんの瘀血があるのを見て、冗談を言いました。

私「こんなに瘀血があるのに、よく膝が痛いと言わないですね」
おばさん「いや、違うよ、右膝も中のどこかが痛いんだよ。以前はたまにしか痛くなかったのに、寒くなってからしょっちゅう痛い。ただし、痛い場所が確認できない。膝の中のどこかだよな」

私「了解です。これは簡単なので、数回で治るはず」
そして、膝の周りで鍼をしました。いわゆる膝五鍼。

仰向けで刺したツボは太衝、公孫、三陰交、右の膝五鍼、関元、上中下脘、曲池(右)、肩髃(右)、足臨泣(左)。

膝五鍼(鶴頂、内外膝眼、陽陵泉から陰陵泉につなぐ)。ほかの鍼は三陰交、太衝、公孫に刺している。

膝五鍼(鶴頂、内外膝眼、陽陵泉から陰陵泉につなぐ)。ほかの鍼は三陰交、太衝、公孫に刺している。

肩の痛みが数分で治って、おばさんは愕然

仰向けで鍼をしている間、おばさんは肩が気になったのか、回してみてから言いました。「痛みは減ってないね…」

痛い場所を教えてもらったら、ちょうど大腸経の肩髃あたり。私はすぐ右の曲池に刺して、おばさんに言いました。
「左肩を動かして、まだ痛いか確認してみてください」

右の曲池に刺した鍼。

右の曲池に刺した鍼。

おばさんは左肩を動かして、「広い範囲での痛みはなくなり、今痛いのは一ヶ所になった」
私「え?どこですか?」

おばさんは右手で教えてくれました。
ちょうど左の大腸経の臂臑(ひじゅ)。

早速、右の曲池の針を抜いて、臂臑を刺してから肩を回してもらいました。そしたら、今度は臂臑の痛みは消えて、少し上の方が痛いそうです。もう一度教えてもらったら、なんと肩髃(けんぐ)。右の臂臑の針を抜いて肩髃を刺し、2~3分経ってから肩を動かしてもらいました。

右の肩髃(けんぐ)に刺した鍼。

右の肩髃(けんぐ)に刺した鍼。

おばさんは左肩を回しながら、つぶやいてました。
「不思議だね!痛みが全部消えた…こんなに早く治る???」
私「経絡からくる痛みはすぐ消えますよ。内臓からくる痛みは、時間かかるけど」

肩関節が痛いのを治した例は他にもあります。以下の記事、どうぞご覧んください。

胃酸が上がる・ゲップが出るのは、食べ物と飲み物を変えないといけない

足のほうで瘀血を探して、刺絡する場所を確認する時、胃経に集中しているのが見えました。

私「胃の経絡のところに、瘀血が溜まっているけど、胃の調子はどうですか?」
おばさん「よく食べられるけど、小麦類を食べると胃酸が上がり、食道が詰まったように辛い。納豆と一緒に食べると大丈夫だけどね。あと、おばあちゃんみたいにゲップがよく出る

私「小麦類がダメですね?これは脾臓が弱いことですね。食道がつらいのとゲップが出るのは、逆流性食道炎。胸焼けはしますか?」
おばさん「胸焼けはよくあるよ。みぞおちの上をさすりたくなる」

私「逆流性食道炎なので、コーヒーと人工的な甘い物は全部止めてください」
おばさん「分かった。コーヒーとか付き合いでしか飲まないから、数日に1回くらいだよ。甘い物も減らそう」

膝裏の痛みのために刺した鍼

おばさん「膝の後ろ真ん中が痛いのではなくて、少し外側が痛いんだよね」
私「指で示してください」

指した場所は胆経に近いので、左の足臨泣を追加。もしこれで変化がなかったら、次回は左の申脈を刺すつもり。

今日は仰向けで足が外側に倒れているので、申脈が刺せなくて足臨泣にしました。

左の足臨泣と太衝に刺した鍼。

左の足臨泣と太衝に刺した鍼。

左腰の上が痛いのは、膵炎の可能性有

おばさんは仰向けのとき、私に質問がありました。
「もしかして、左腰の上が痛いのは、脾臓と関係があるのかな?」

おばさんの話で、私は急にひらめきました。
これは腎虚証の腰痛ではなくて、慢性膵炎かも!逆流性食道炎の症状もあるし、可能性が大きい!だから、今まで何回か刺しても、効果が薄かったんだ!

判断が正しいかどうかは、次回に脾兪と章門(みんな脾臓のツボ)などを刺してみれば分かります。

更年期障害の鍼治療は簡単

針を回しに入った時、おばさんは話しました。
「鍼で更年期障害は治らないの?」

私「更年期障害なんかは、すぐ良くなりますよ。どんな症状ですか?」
おばさん「疲れると全身の骨と筋肉が痛い。たまにホットフラッシュが来て、汗をかいたりする

私「あ、簡単ですよ。内関一つで対応できると思います」
おばさんは笑いながら、「え?また刺すの?今日はもう良いよ良いよ。次回にしよう!」

鍼が増えると、おばさんたちはみんな嫌がります(笑)

鍼治療後に痒くなるのは、経絡が敏感な体質

最後に針を取るとき、おばさんは右肘に鍼をしたまま、唇をかいてました。
「唇の上がかゆい!しかも、左だけかゆい~」

痒くてしょうがないおばさんを見て、私は大笑いしました。
「右の大腸経のツボを2つ刺したので、左の唇の上が反応したでしょう。大腸経はちょうど唇の上を通ります

おばさん「自分は敏感な体質かな?いつもは鍼した所が痒くなるけど、今回は全然違う所が痒くてしょうがない!」

私「みんな生まれつきの体質があります。おばさんは経絡に敏感な人だと思いますよ」

続きの治療記録があるので貼ります。参考にしてください。

コメント

  1. li-hari より:

    id:sunaowamuteki
    sunaowamutekiさん
    ブコメありがとうございます。
    すごいのは、ツボですね。
    人間の体に経絡・ツボがあるのがすごいです。

  2. mata1 より:

    こんばんは。
    いつもとても興味深く拝読させて頂いてます。
    ほんとうにすごいとしか言いようがないですね。
    先生の治療を受けられる患者さんを羨ましく思います。
    先生は南ロサンゼルス近辺に良い中医学の先生が居ないかご存じ無いでしょうか?
    初めてのコメントで厚かましいのですが、良くアメリカ在住の医師が書かれた論文を翻訳していらっしゃるので、もしかしたらお知り合いが多いのか と思いコメントさせて頂きました。
    これからもブログを楽しみに読ませて頂きます。

  3. li-hari より:

    id:mata1
    オレンジ さん
    コメントありがとうございます。
    読んでいただいて大変光栄です。
    たまたま治療がうまくいった例なので、特に自慢することもないですね。
    アメリカ在住の中医学の先生は、以下の記事に書いているので、参考にしてください。
    https://li-hari.hatenablog.com/entry/2014/01/19/094112
    ほかにも優秀な中医学先生がいると思いますが、今のところは詳細不明です。
    少ない情報ですが、役に立つと嬉しいです。
    今後も宜しくお願いします。

  4. mata1 より:

    早速お返事下さってありがとうございます。
    リンク先の記事も読ませて頂きました。
    残念ながら、すぐ近所には無さそうで、ちょっとしたことで診て頂くのは大変そうですが、いつか診て頂きたいと思います。
    とても助かりました。
    本当にありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました