こんにちは、李哲です。
「お灸で感染症が治る」と言ったら鼻で笑う人がまだまだ多いので、お灸だけで治した症例を何個か書きました。主に犬、猫に噛まれて痛い・腫れてるのを治した記事です。
今日紹介するのは鍼とお灸、両方で治した例。
鍼灸も緊急治療ができる事を知ってもらえると嬉しいです。
ミアーキャットに噛まれた女性
2022-6-30
30代の女性、当院の常連さん。
緊急連絡が入って治療に来ました。
なんと、昨日ペットショップでミーアキャットに噛まれて大騒ぎになり、救急病院に行ったそうです。
病院の先生は、赤く腫れ上がった彼女の手を見て、「どうしたら良いかちょっと分からないけど、とりあえず抗生物質を出すね」と話したそうです。でも、彼女は抗生物質を飲まず、翌日鍼治療し来ました。なぜなら、彼女は鍼灸で狂犬病も治せる事を知ってるから。
私が見たとき、楽観的ではなかったです。赤く腫れ上がって、痛くて指を動かす事ができません。最もひどいのは、感覚麻痺というか、強いしびれがあったのです。
1回目の鍼治療で、親指が動けるようになって、しびれと麻痺が減ってきた
早速、鍼治療しました。
1番最初は刺絡療法。触るだけで痛がっているので、明らかに毒素がまだ噛まれた付近に集まっています。3箇所で刺絡したけど、真ん中あたりだけ黒い血がたくさん出ました。刺絡療法のあとは鍼。
左の合谷、曲池、魚際を刺したあと、「右親を動かしてみて下さい」と伝えました。彼女が言うのは「さっきまでは全然動けなかったけど、今は親指が動けます」。
痛みとしびれがまだ強いので、尺沢と内関を追加し、足三里、太衝、三陰交、公孫を刺して脾胃と肝臓の解毒作用を強化するツボを刺しました。
鍼治療が終わって帰るとき、彼女が言うのは「鍼する前は右親指がボワンとして感覚がなかったけど、今は自分の指であるのが分かります。親指は縦に動けるようになって、しびれと痛みはだいぶマシになって来ました」
帰ったあと、ひたすらお灸をすえる事を指示しました。自身でできるのはお灸が最強。
ミアーキャットに噛まれた翌日と施術時の画像
7月2日の7月5日は、忙しくてカルテ未記入。
ただし、スマホで写真を撮りました。以下、文字で説明します。
▼2022-7-2の施術時の画像▼
噛まれたところは明らかに青黒くなって、腫れて痛いのはまだありました。鍼をしたのは魚際と合谷。
ちなみに、7月5日に彼女から頂いた画像があります。噛まれた翌日に撮った写真。比較してみて下さい。
▼6月30日、ミアーキャットに噛まれた翌日に撮った写真▼
明らかに青く腫れています(水で傷口を洗ったので濡れている)
お灸してから腫れはだいぶ消えた
2022-7-6の記録は以下の通り。
彼女の報告:
お灸してから右親指の腫れはだいぶ消えた。噛まれた所が青アザになったけど、お灸してから少しずつ色が薄くなっている。前回までは親指に包帯を巻いてきたけど、今日は包帯をしてない。うっかりケガしたことを忘れて、右親指を地面につけるとしびれる痛みが出る。
以下が7月6日、施術後の画像。
今日はいつもの鍼以外に、左の列欠穴で瀉法を行いました。少し回してすぐ彼女に確認したら、右親指のしびれる痛みが緩和しつつある。なので、そのまま置鍼。
鍼の最大特徴、即効性と言うのは「鍼を刺した瞬間から効果が出る」意味です。今まで数々の症例をアップしました。以下は一つの症例、参考になると幸いです。
右親指の痛みはほぼ治り、青アザも消えて、感覚マヒもだいぶ治った
2022-7-12
彼女の報告:
右親指の動きは、ほぼOKになりました。指を突いた時は、「痛いっ!」となるけど、日常生活では全く支障がない。噛まれた所の青アザの血管も消えてました。
2022ー7ー19
彼女の報告:
日常生活では支障がないけど、右親指を強く押すと、少し麻痺しているのが分かる。
私は彼女に説明しました。
「まだ毒素が残っているので、お灸を続けて下さい」
鍼灸治療は以上で一段落つきました。
残りの毒素は自然と治るので、お灸だけで治ると思います。
2022-8-2
彼女の報告:
今日はほかの症状で鍼に来た。
右親指は強く押すと感覚が少し鈍いだけで、日常生活では支障がない。
前回同様、ほぼ治っていると判断したので、続けてお灸をすえることを薦めました。
とりあえず抗生物質を出す西洋医学
彼女から聞いた内容が面白かったです。
ペットショップの人は治療費用を払ってくれるらしいです。ただし、彼女が「鍼で治します!」と話したら「そうですか…病院ではないですね…」と不可解な顔。心の底では、きっと彼女がおかしい人だと思ったでしょう。
彼女は救急病院の先生に対しても、文句がありました。
「よくわからないと言うくせに、よくも抗生物質出しますね」
彼女の話を聞いて私も笑いました。
何でもかんでも抗生物質ですね。
抗生物質が殺す菌とミアーキャットが持っている毒素(菌)がマッチングした場合、有効かも知れませんが、マッチングしてない場合はなんの効果もありません。逆に免疫システムが狂い、食欲不振・手足の冷え・不眠症などの症状が増えます。
抗生物質の濫用で、今は抗生物質でも殺せない耐性菌・ウィルスがいっぱい増えてきました。賢明な海外の病院では、抗生物質を破棄して自然療法を探しています。(以下の記事をご覧ください)日本はたくさんの患者が抗生物質に殺されてから、やっと変わるでしょう。
強いしびれが出た原因
だいたいの動物に噛まれると、痛い・腫れますが、しびれるのは毒が強いことを示します。ミーアキャットはアフリカの動物なので、アジア人はその毒性に対する免疫がない。しかも、ミアーキャットは毒蛇・サソリなども食べるから体内の毒は蛇・サソリよりも強い。
だから、彼女の指のしびれは、何回も鍼治療が必要でした。
テレビで見るとかわいい動物だったのに、こんなに強い毒性を持っているなんて…野生動物の牙には気をつけないといけないですね。
治療過程を振り返る
2022-6-30(ミアーキャットに噛まれた翌日)から治療を始めました。
7月2日、5日、6日、12日で鍼治療、その間は自分でお灸。
噛まれたところの腫れ、痛み、青アザは7月6日にだいぶ消えて、12日は日常生活に支障がない程度に回復。約2週間ほどかかりました。もっと詰めてくれば、治りがもっと早かったでしょう。
8月になっても、しびれるような麻痺が少しあるのは、ミアーキャットの毒素が強いからです。自分でお灸をすえ続ければ、そのうち完全に消えるはず。
おわりに
病院と抗生物質を選択しないで、鍼灸を信じてくれた彼女にとても感謝します。画像も提供してくれて大変ありがたいです。期待に答えられたというか、2週間ほどで日常生活で支障がなくなりホッとしました。
抗生物質よりも鍼とお灸が効果的である事実、もっとたくさんの人に知ってもらいたいです。
また、噛まれたら救急車を呼ぶのではなくて、最初から鍼灸院に駆け込む人が増えることを願います。
(おわり)
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