こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師、鄭智城先生1の治療例、吃饭怎么突然间变得那么香了_郑智城(2013-10-16 発表)を翻訳しました。漢方薬の即効性がいかに強烈なのか、読んで見れば分かると思います。
食欲不振、食が細い症状で困っている方、記事中の処方箋をぜひ活用してください。
食欲不振で右脇腹が腫れてきた私
私の胃腸は弱い方です。晩ごはんは食欲がなくて食べられない時が多くて、簡単に肉料理とスープで済ませていました。特にこの数週間は、果物の実をたくさん食べました。ピスタチオ、落花生など。アイスクリームも少なくなくて、外食でお酒を飲むときも多かったので、胃腸が疲れています。
先週の木曜日から急にお腹がはるようになり、昼間に食べたご飯が夜寝るときまでお腹に残ってました。翌日の朝はそんなに腫れてないけど、右脇腹が徐々に腫れる症状になりました。私も肝臓のあたりであるのは知っています。
鏡で自分の顔色を見たらあまり良くない。
だから、心の底では不安でした。
友人は漢方薬を飲んですぐ効果が出て絶賛
ある日、友人が治療に来て脈診では弱くてほぼ触れない。左関脈だけ弦脈。舌診では乾いて黄色と白の分厚い舌苔。
私は参苓白朮散+黄耆、生地などの処方を2日分出しました。飲んですぐ効果があって、友人は電話で絶賛していました。あと数日飲みたいそうです。
昨日いろいろ考えて、自分にもこの処方を試すことにしました。
私自身が漢方薬を毎日飲む理由
漢方薬、私はよく飲みます。
毎日飲んでいます。
一つ目の目的は、テニスをやっているので、体力をあげて試合で勝ちたいから。テニスに関する情報は、過去記事でも触れているので、読んだことがない方はどうぞご覧ください。
もう一つの目的は、患者さんに出した処方がどんな効果があるのか、自分で確かめたいからです。今回、自分に出した処方は黄耆、党参,白朮,茯苓,山药,炙甘草,陳皮,桔梗,白扁豆,鶏蛋花,藿香,生地黄。
1杯飲んだだけで右脇腹の張りが消えて、ご飯がめちゃくちゃ美味しくなった
昼ご飯の前に、漢方を2口飲みました。1杯の半分以下の量です。煎じ薬が胃に入った瞬間に、私は感じました。「あれ、右脇腹の張るのが消えた!」今までずっと漢方を飲んでいたけど、こんなに早く効いたのはなかったですね。
20分後にご飯を食べたら、突然米が美味しくて仕方がない。おかずがなくても、米だけでも美味しかったのです。
ご飯を食べ終わったしばらくしたら、下腹部が重くなりトイレに行ったらスッキリ。晩ごはんのときも、米が美味しくて仕方がなかったので、お母さんに聞きました。
私「最近米を変えたのですか?」
母「もう変えて10何日経っているよ」
胃腸の掃除ができたから、普通の米でも美味しく感じるわけ
私はやっと思い付きました。これは漢方薬で胃腸の掃除ができたから、普通の米でもすごく美味しく感じたわけです。私の次女は最近食欲不振で、肉ばかり食べたがって米は食べたがらない。次女もこれを飲ませるべきです。
晩ごはんが終わったらまたお腹が張って、トイレに行ってきたら完全にお腹がスッキリしました。
少し前は昼ご飯の時、どうしても食べきれず少し残っていたけど、今はきれいに食べます。1粒の米も残しません。以前は大嫌いだった上海白菜も今はとても美味しく感じて、残さず食べます。肝臓のあたりの腫れも消えました。
処方に対する説明
この処方は参苓白朮散をアレンジしたもの。基本的な構造は残しています。つまり、四君子湯+山薬+陳皮+白扁豆。目的は脾臓の陰を補うため。四君子湯の使用例は、以下の記事でも出ているので、どうぞご参考に。
以前は胃腸を整える漢方を試したけど、だいたい温める・乾燥させるやつでした。たとえば白豆蔻、砂仁、半夏など。四逆湯も使ったけど、今回ほど効果はなかったです。1杯の半分も飲んでないのに、効果があったから。
私の体質は陽虚証で長い間手足が冷たくて、服も他の人より1枚多めに着ないと寒かったです。10g以上のトリカブトを使ったことがないけど、白豆蔻、砂仁はよく使ってました。
清朝の名医:張锡純は、なぜ資生湯を第一位にしているのか?明朝の名医:缪希雍は、なぜ資生丸を第一位に勧めているのか?その訳があるのです。
資生丸は中性脂肪を下げることもできます。以下の記事、どうぞご参考に。
朱丹渓(しゅたんけい)の『陽常有余、陰常不足』は本当に名言ですね。
この鶏蛋花は画竜点睛の生薬です。
2回とも食後にお腹が痛くて下痢したのは、この生薬のおかげ。治療作用を探してみたら、「潤肺解毒、清熱去湿、滑腸」。だから、私の数週間の宿便を一気に出してくれて、肝臓の圧力もなくなったでしょう。
李哲の解釈と感想
鍼灸師は自分にもよく鍼するけど、病院の先生は自分に手術・抗がん剤やるのか?
漢方医は自分でよく漢方を飲む。
針灸医の私も、あちこち自分に鍼を刺します。滋養強壮効果があるツボを刺す以外に、響きがどこまで伝わるか、どんな感覚かを確認したいから。また、調子が悪いときは自分で鍼して治す。
漢方と針灸は体調不良の方はもちろん、病気がない人でも受けられます。鍼をしてギックリ腰になったり、乳がん・白血病になったりしません。
西洋医学の先生は患者さんにやらせる前に、自分で試しているでしょうか?今日は手を切って明日は足を切る手術?今日は抗がん剤を飲んでみて、明日は放射線を浴びてみる?…どんなものを自分の体で試しているか、気になります。
孔子が話したけど、「自分がされて嫌なことは人にしない」
西洋医学の先生も、この言葉の意味を知っているでしょう。
翻訳文で訂正したい2点
鄭先生の記事を読んで、残念だと思ったのは2つありました。
1つ目は、冷え性には10g以下のトリカブトで治せない。
実際には劇薬の生のトリカブトだったら、10gでも手足が熱々になります。加工したトリカブトだと、10gを使って冷え性が治らないでしょう。加工したトリカブトは、生のトリカブトよりも火力が弱いので、暖かくしたいなら一般的には20gからスタートですね。以下の治療例では、加工したトリカブトを25gも使いました。全然熱くならなかったけど、耳中の炎症は治りました。
2つ目は、鄭先生は鍼ができないこと。
もし鍼ができたら、消化系の強化には中脘、足三里、公孫など。肝臓のあたりの腫れるのは、陽陵泉一つで腫れが引きます。陽陵泉の素晴らしい効果は、いろんな鍼治療例で紹介しました。以下は一つの症例、参考になると幸いです。
食欲不振を治すメジャーな処方箋
食欲があるかないかは脾臓の問題なので、脾臓を強化する方向は間違ってないです。
鄭先生はいろいろ処方を出していますが、『傷寒雑病論』にはもっとメジャーな処方があります。小建中湯、もしくは黄耆建中湯。両方とも食欲不振、虚弱体質の方にオススメの漢方です。しかも日本にはツムラなどの既製品があるので、非常に便利。
黄耆建中湯の説明は、以下の記事が参考になるのでどうぞご覧ください。
食欲不振は足つぼ整体でも治せる
足ツボ整体でも消化系を強化できるので、ご飯がめちゃくちゃ美味しくなります。今まで無数の足つぼをしてきましたが、みんな食欲が増えて食べる量も増えています。以下の記事はクローン病の男性を治した例、施術後にご飯が美味しくなったと言ってました。
食欲不振になった方は足つぼ整体、鍼灸、漢方薬などみんな治せるので、ぜひ近所で治療院を探して見てください。
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
コメント
うにげ(id:U4Q)さん
生理前に食欲が異常に爆発するのは、おそらく生理に異常があると思います。たとえば生理の量、周期が乱れている。
生理を治せば自然に治るので、近くの信頼できる鍼灸院で診てもらってください。