こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生1の記事、是什么中药被称为“治小儿百病”_郑智城(2018-01-17 発表)を翻訳しました。
子供の万病を治ると言っても過言ではないのが、黄耆建中湯。なぜ万病に効くと言えるのか、漢方医の説明をみて下さい。
子供の万病を治す黄耆(おうぎ)とその理由
中医学はよく「万病を治す」と言うので、西洋医学に鼻で笑われます。
これは中医学の特徴を知らないから出る無知な話。中医学は中国文化から生まれて、大量の形容詞を使います。たまに誇大表示するかも知れませんが、本当のことを知らないとダメですね。
今日一つの生薬を紹介します。
中医学で子供の万病を治すという生薬は黄耆(おうぎ)。
なぜ黄耆は子供の万病を治すというのか?
子供は「肺虚証」と「脾虚証」が多いからです。
子供の特徴は風邪を引きやすくて発熱、汗が多い。
これは全部「肺虚証」の症状です。
黄耆は「肺虚証」と「脾虚証」を同時に治す生薬なので、この時は最優先に選ばれる生薬です。
黄耆を使う代表的な処方箋があります。
主な適応症は汗が出すぎる、風邪を引きやすい。
処方箋には3種類の生薬しかありません。
黄耆、白朮、防風。
しょっちゅう風邪を引いてくしゃみ、鼻水、寒がり、暑がりの子供は、この玉屏風散(ぎょくへいふうさん)を使えば、まちがいないです。
もう少し複雑な処方箋は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)。
子供のもう一つの特徴は、脾虚です。
西洋医学の言葉で言うと、成長発育障害。
中医学の理論では、「脾主運化」、「脾主升清」。
つまり、子供が背が伸びない、筋肉が増えない時は脾臓を養えば良い。脾臓を養う時は必ず黄耆が必要です。
代表的な処方箋は、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)。
適応症は虚弱体質で痩せ型、発育が遅い、お腹を壊しやすい、長期的な鼻炎。
多動性障害(ADHD)を治療薬:リタリンの副作用は数えきれない
子供が勉強嫌い、一つの事に集中できなくて目線が泳ぐ。つまり多動性障害(ADHD)を治すとき、西洋医学はリタリンを使います。
リタリンはほかの西洋薬と同じように、厳重な副作用があって陰液を損ないます。
たとえば、心臓の拍動が早すぎてドキドキする。アレルギー性皮膚炎になる。高血圧。幻聴。けいれんなど(副作用が多すぎて全部はあげられません)。
リタリンは、功をあせって方法を誤るやり方。
子供の腎臓のエネルギーを先に使っちゃって、短期的の治療効果はあるけど、長期的に見るととんでもない結果になります。
中医学は黄耆で脾臓と肺を強化→子供の万病を治す
中医学はどう解決するのか?
簡単です、脾臓と肺を強化。
子供の脳は栄養が足りないと、もちろん勉強嫌いになります。物事に集中することもできません。
数篇の新米ママ文章を読めば、治るものではない。
物質的な基礎がなかったら、精神力もありません。
脾臓と肺の強化には、必ず黄耆が必要です。
黄耆のほかに升麻、柴胡、葛根など陽気を上げる生薬で、脾胃が作り出した栄養を脳まで運べば、子供は自然に勉強が好きになり、他人の話を聞いてくれて、集中力が高まります。
黄耆を使った漢方薬で、著しく変化した子供たちの話
私が子供たちに黄耆が入った漢方薬を出してから、たくさんの親は「子供がすごい変わった!」と言ってました。
●以前はテレビが大好きで勉強嫌いな子供だったのに、黄耆建中湯を飲んでから突然勉強が大好きになり、朝から晩まで本を読んでいる。図書館に行くと1回で15冊の本を借りてくるそうです。
●一人の自閉症の子供は、勉強が大好きになって情緒不安定もなくなり、学校の先生もよく称賛するそうです。
●夜更かししてなかなか寝てくれない子供は、黄耆建中湯を飲んだ後に睡眠時間が1~2時間早くなり、他人の邪魔をする事もなくなりました。
●長期的な鼻炎の子供は、黄耆建中湯を数日飲んだだけで鼻炎が著しく変わりました。
西洋医学の話を信じて鼻中隔の手術をした人たち、これを知ったらどんな感じですかね?
黄耆建中湯はいろんなバージョンがあります。
あるバージョンでは大量の黄耆を使っていますが、正しいのは『傷寒雑病論』で書いたもの。
正しい比例関係は、黄耆1:桂枝2:芍薬4。
黄耆のが量が多すぎると、先天不足の子供たちの陰液がさらに減る可能性があります。
李哲の感想
黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)の構成は、小建中湯+黄耆。
漢方薬は一人ひとりの症状に合わせて、アレンジする必要があります。誰でも黄耆建中湯が良い訳ではない。どんな処方が良いのかは、信頼できる漢方医に尋ねてください。
子供が先天不足、もしくはワクチン接種で脾胃が弱い時、漢方薬はとても役に立ちます。
内臓が強ければ子供は自然に夜寝るし、新しいものを勉強するのが好きになる、集中力も抜群になります。
西洋医学のリタリンは食欲がなくなり、腹痛が強くなるなど副作用だらけ。リタリンのもっと詳しい情報は、以下の外部サイトをご覧ください。
子どもと向精神薬 | 01 ことば・こころ | 梅村こども診療所相談室
脾胃が弱い子供にはお灸、もしくは鍼でも良いです。
お灸の場合は、中脘だけで良い。
中脘へのお灸は過去記事があるので、ご覧ください。
胃腸が強くなれば、痰の源がなくなるので、長年の鼻炎は良くなり、いわゆる多動性障害(ADHD)も良くなります。
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
コメント