【※本記事は2019/10/11更新しました】
こんにちは、李哲です。
アメリカの著名な中医学先生:倪海厦(ニハイシャ)先生*1の治療例を翻訳しました。中国語本文のリンク先はこちら
- 抗がん剤のせいで、漢方薬の効き目が悪くなった乳がんの日本人女性
- 舌癌の女性、口から黒い血を吐いて、不眠症が良くなり、食欲も戻ってきた
- 女性の声しか聞こえない男性、左耳の聴力は完全に回復したけど、右耳はまだダメ
- 李哲の説明
抗がん剤のせいで、漢方薬の効き目が悪くなった乳がんの日本人女性
2005年4月20日
今日はもともと日本人女性の診療時間です。
前回の治療内容は以下の記事をご覧ください。
彼女は来てないけど、ご主人が来ました。ご主人はとても心配してる顔。
私はご主人に聞いてみました。
「奥さんはどうですか?」
ご主人が言うのには、「漢方を飲んでから、奥さんはお腹にガスがたまり、現在はガスを出すところ。でも、意識ははっきりしていて、食欲もある。黒い便が出ている。小便はまだ濃い黄色。お腹が張るのは減っている。」
患者本人が来てないので、ご主人に話すしかなかったです。
「漢方を出すから、奥さんの睡眠の質と大便の状況、そして食欲がどうかを観察して下さい。」
私はこの一生の治療現場で、盲点に出会ったことがありません。
自分が何をやっているか、患者さんが漢方を飲んだあと、どんな反応があるか、はっきり分かっています。
しかし、今回は戸惑いました。
この最後の処方、結果は生きるか死ぬか、二択しかありません。
先週検査したときは、死ぬしかない症状でした。
すでに使った抗がん剤が漢方の邪魔をして、漢方が内臓に入ることができません!
しかし、現在はまたおならをする。
これは胃腸の機能が戻っている証拠です。
そうすると、肝臓がんと大腸がんはどこに行っただろう?
本当に戸惑いました。
抗がん剤の副作用で、状況の判断ができなくなったのです。
最後、私はご主人に話しました。
「もし必要があれば、自宅まで無料出張して治療します。」
ご主人は私の手を強く握って、「ありがとう!」と言ってました。今後どうなったかは、またその時に報告します。
▼李哲の補足説明:
残念ながら、乳がんの日本人女性は最後亡くなりました。以下の記事で、ニハイシャ先生が説明しています。
舌癌の女性、口から黒い血を吐いて、不眠症が良くなり、食欲も戻ってきた
舌がんの女性が再診に来ました。今週から黒い血を吐く、たまには鼻から赤い血が出るそうです。彼女は「自分が貧血になるのではないか?」とすごく心配してました。
私が見たら、彼女の顔色は彼女のおじさんよりも良くて、声もデカイ。ただし、喉に痰があって音がすごかったです。
脈診してみたら、本来の一息8回から一息4回まで下がっている。睡眠が良くなり、食欲が戻って、便通も正常になりました。額は冷たくて、両足は温かい。体内の陽気は十分の状況でした。
でも私の前に座った時、彼女の口から腐敗臭がありました。舌癌が溶けて、血になっているから強烈なニオイがします。
右の癌腫瘍を触ってみたら、更に小さくなっていました。
私は彼女に教えました。
「良くなっているところだから、心配しないで下さい。中医学では、血は止める方法がないと言います。だから、そのまま外に流せば良い。今度の処方には血をさらさらにする生薬など入れたので、夏になる時は状況が良くなるはずです。」
舌癌女性のあとの治療内容があります。
以下の記事、どうぞご覧ください。
女性の声しか聞こえない男性、左耳の聴力は完全に回復したけど、右耳はまだダメ
前回書いた奥さんの声しか聞こえない男性。前の治療内容は以下の記事をご覧ください。
彼から、今日FAXが来ました。
左耳の聴力は戻っている。
右耳はまだダメ。
彼は男性と電話するときは、左耳を使う。
女性と電話する時は、右耳を使うそうです。
中医学で言うと、
左側は「血」で右側は「気」。
だから、今日は「気」を強める生薬を入れました。
この病気は、今まで診た病気の中で一番不思議な症状です。
李哲の説明
1.抗がん剤が漢方薬の邪魔をして、漢方が内臓に入れないのは有り得る事です。
つまり、化学薬品が内臓に入って、場所を占めてるから漢方が入る所がない。あと、内臓の外側に壁を作るから漢方が入れない。
いろんな癌だと診断された方、先に手術とかしないで、自然療法(漢方.鍼灸.ツボ療法など)を試してみたらどうでしょう?
特に抗がん剤を受けると、後で治療するとき漢方医.鍼灸医が困ります。処方した漢方が内臓に入れないから治せる病気も、治せなくなるかも知れません。
2.「血を止める方法はない」のは、その理由があります。
中医学の考え方では、「陽気」のコントロールがあるから血が血管の外側に出ないと言います。
「陽気」と言うのは目に見えないけど、感じることができるもの。
例えば体を温める力などです。
皆さんもご存知だと思いますが、血を失った時寒くなります。
「陽気」が少ないから。
血が出るとき、特に内臓の出血の時、勝手に止めると内臓に血の塊ができて、後で病気の元になります。
中医学の治療では血を止めるのではなくて、「陽気」を強める生薬を使います。「陽気」が強くなれば、体は自分で自然に血を止めるから。
◆ベタベタ汗は鍼して間もなく止まり、夜になると見えにくいのも治った:末期乳がんの鍼治療例(1/4)
◆プロゲステロンの副作用で失明した患者。冷え症、不眠、頭痛、倦怠感がある乳がん患者の中医学治療
◆東洋医学と西洋医学の対決:乳がんは手術・抗がん剤よりも漢方薬の方が、生活のクオリティーが高く長生きできる!
*1:倪海厦(ニハイシャ)先生の紹介文は、リンク先記事をご覧ください。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介します
コメント